看護師の転職体験談(6):病院看護師から治験コーディネーターへの転職


(写真はイメージです)


(大阪府 47歳(転職時は32歳) 女性)


転職前はどんな仕事をしていたか

子供が小さく、保育園の送り迎えもあったため、自宅近くの訪問看護ステーションで非常勤訪問看護師の仕事をしていました。訪問看護ステーションなので、夜勤はなく昼間だけの仕事でしたし、母体の病院の会議や行事に出席する必要もなく残業もありませんでした。


在宅で療養している高齢者や精神疾患患者、小児患者と様々な疾患を持った患者にあったケアを提供する仕事であったため、苦労はありましたがやりがいもありました。

また、入浴介助から褥創処置や点滴、小児の気管カニューレ交換など処置は多岐に渡り、ある程度高度な技術も必要でした。


こういった看護処置だけではなく、患者宅へ訪問するため自動車の運転も必要でしたし、駐車場の心配などもしていました。今思うと、非常勤でよくやっていたなと思います。

なぜ転職しようと思ったか

下の子供が小学校へ入学するのを機に、非常勤ではなく正社員の仕事をしたいと考えた事が転職をしようと思ったきっかけです。

訪問看護ステーションで正社員になる方法もありましたが、母体病院の言うなりで過酷な労働を強いられている正社員の看護師を見ていて、そのステーションで働き続けるのは将来の事も考えて無理だと判断しました。


訪問看護ステーションや、看護部は病院内で立場が弱く、おかしいと思う事があってもそれを変える結束力や実行力にも欠けると思います。

そういう立場に身を置いたまま、病院看護師を続けるのは自分の将来やキャリアアップにどうなのかと疑問に感じ、病院で働く事以外の道を探したいと思ったのが転職を実行に移した大きな理由です。


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どんな転職活動をしたか

病院以外で働きたいと思いましたので、看護学校の教師や、以前やった事のあるヘルパー養成講座の講師も視野に、インターネットでどういう仕事があるのか自分で調べました。


また新聞の求人情報や、看護協会のホームページや、ハローワークの情報も合わせて調べていくうちに、企業に就職する道がある事を知りました。

企業内の医務室の看護師求人もあったのですが、求人数は少なく給与面でも満足いく額ではなかった(年収400万以上)ため候補から外しました。

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その他の企業での求人というと、ちょうど治験コーディネーターの求人が増え始めた頃だったため、治験コーディネーターの仕事を知りませんでしたが、一か八かという気持ちで応募する事に決めました。

何の知識もなかったため、いろいろなサイトを調べ、その中でも大手の会社で自宅からの通勤が便利な会社を1つ選び、会社のホームページから直接応募をしました。会社の人事担当者から連絡がすぐにあり、面接日はスムーズに決まりました。


それまで会社勤めをした経験がなかったため、どのような面接が実施されるのか全く想像もできませんでしたが、とりあえず治験の事や、治験コーディネーターの仕事を下調べして面接に向かいました。


面接日には適正検査と面接がありましたが、適性検査は広く使われているもので、特に問題はありませんでした。面接担当者は、人事担当者、営業担当者、治験コーディネーターのリーダーの3名で、時間は30分〜40分でした。

今までやってきた事や、治験コーディネーターの事を知っているかなどの質問や、その他雑談もあったりとフランクな面接で、今までの経験というより人柄を見ている印象でした。


治験コーディネーターのリーダーの感じがすごく良く、「この人の下で働きたいな」と思うような面接でした。採用の返事は翌日電話であり、追加の面接等はなく、このスピード感に驚いたのを覚えています。

1カ所の面接ですぐに採用通知をもらったため、他の会社と比較する事はできませんでしたが、面接の印象が良かったため迷いはありませんでした。


転職後の職場の様子、感想

病院と全く環境が違うため、転職後は目新しい事ばかりでした。まず入社式が東京本社であり、その後2週間の研修が本社であったため、ホテルに滞在し研修に通いました。

実際に配属先に出勤したのは半月後からでしたが、看護師資格を持った先輩社員が多数勤務しており、今まで自分はこういう働き方を知らなかっただけなのだと思いました。

病院での働き方と大きく違うと感じた事は、チームで働く病院とは違い、治験コーディネーターは一人一人が一つのプロジェクトを任され、個人で動く事です。


残業も個人の能力にかかってきます。残業が多いイコール能力が低いとみなされる、ある意味厳しい状況でもありましたが、上司のサポートがあるため、放置される事はありませんでした。

また、個人で業務の調整が可能なため休みも取りやすく、子供を持つ社員にとっては働きやすいと思いました。


給与面については、夜勤がないと給与は低くなるのではと一般的に考えられていますが、転職前の臨床経験によって違うと思います。看護師を10年以上やっていた人だと給料は下がると思いますが、3〜5年くらいの経験だと同じくらいではないでしょうか。

みんながみんな一概に低くなる訳ではありません。私の場合は増えましたし、非常勤ではなく正社員で訪問看護師をやっていたとしても増えたと思います。

治験コーディネーターへの転職が、その後の働き方を大きく変えるきっかけになりましたので、私の人生にとって大きな転機であったと共に最善の決断だったと感じています。

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これから転職する方へのアドバイス

転職活動を通じて、自分の固定概念(私の場合は、看護師は病院で働くもの)が変わりました。今まで知らなかった社会を知るきっかけだったと思います。また同時に、いかに狭い社会の中にいたのかということを知りました。

転職は人生の中で非常に大きな決断であり、勇気が必要です。馴染んできた仕事や人間関係を全てゼロにしてのスタートになり、ストレスを感じる事もありますが、自分の人生設計の中で、必要なことであれば、ぜひ躊躇せず活動してみてください。


ここで肝心なのは、転職が必要か否かは仕事が落ち着いて冷静な精神状態の時に判断する事だと思います。決して、今の仕事が嫌だからとか病院や上司の不満など、安易な考えで決めない事です。

そういう人はまた同じ理由で転職を繰り返す事例をたくさん目にしました。


資格があるため、それも可能なのかもしれませんが、転職を繰り返している経歴は面接時にマイナスとして受け取られます。

人生の上での大きな局面、慎重に自分の将来を見据えた上で判断し、決断したら突き進む姿勢でより良い転職先を見つけていただきたいと思います。


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