看護師の給料、手取りにするとどの位?



厚生労働省の数字では、日本における就業看護師数は2014年末時点で108万6779人と発表されています。

現在、看護師を目指して勉強に励んでいる方も多いと思いますが、その理由のひとつに高い給与水準が挙げられます。今後も、そんな給与に魅力を感じ、看護師のなり手が増えていくことが予想されますが、手取りにするといくらくらいになるのでしょうか。


意外と知らない給料表現の落とし穴

まずは、給料の表現の仕方についてきちんと理解しましょう。大きく分けると、「額面」と「手取り」とあり、誰しも耳にしたことがあると思います。正式名称では、「額面給与」と「手取り給与」であり正しく理解しておかないとあとでがっかりしかねません。

求人広告などに記載されている給与(月給のような表現も多い)や、月収/年収という表現とは基本的には、額面のことを指しています。


そして、必ず理解しておかないといけないことは、この金額全てをもらえるわけでは決してないということです。なぜなら、その額面金額には、税金や保険料など支払わなければならない金額も含んでいるからです。実際に手元に残る手取りとは、それらを差し引いた金額と言うことになります。

どの程度、差し引かれるのかということについては、会社やその個人によっても異なってきますので一概には言えません。例えば所得税については給与額によって金額が変わってきます。単純に給与が高い人は、支払う所得税も高くなります。また保険料など会社の天引きがある場合もあります。


こうした税金や保険料など差し引かれる金額をあわせて、「控除額」と呼んでいます。額面給与から控除額を差し引いた残りが、いわゆる手取りであり、手元に実際に入金されるもしくは手渡しされる金額であります。控除額は上述しましたように、様々な要件によって異なりますが、額面の2~3割程度は差し引かれると思っておいた方が賢明でしょう。


看護師平均給料32万円、手取りにすると?



次に、看護師の平均給料である32万円が、手取りではどの位になるかシミュレーションしてみましょう。

給料額(額面):32万円

〔内訳〕
 ・基本給(月額):24万円
 ・時間外手当(残業代):9000円
 ・夜勤手当(夜勤、深夜勤):3万5000円
 ・諸手当(※):3万6000円
 (※諸手当とは扶養手当や通勤手当、皆勤手当、危険手当、管理職手当、地域手当などの各種手当を指します。)

〔控除額〕
 ・所得税:5000円
 ・健康保険料:1万2000円
 ・年金保険料:2万1000円
 ・雇用保険料:1200円
 ・控除額合計:3万9200円

〔試算〕
 給料額32万円-控除額合計3万9200円=手取り給料額28万800円


上記の計算式から、給料の額面金額が32万円である場合、手取り金額は約28万円という計算になります。

これはあくまでシミュレーションであり、各看護師個人によって基本給や残業時間、夜勤時間などは違っていますが、標準的な手取り額の一例と考えると分かりやすいかもしれません。


また、給料の金額が少なくなれば所得税や社会保険料(健康保険・年金保険など)も低くなりますので、上記の控除額も相対的に少なくなります。

従って給料の金額に大きな差がなければ、給料の手取り金額もあまり変わらないという結果になっているケースが多いようです。


看護師の手取りは手当金額でアップする



このようにまとめると、看護師の給料は通常の企業に勤めるとのあまり変わらない、もしくは若干高い気もしますが、実はひとつ大事なことがあります。看護師の求人広告で以下のような記載項目をよく見かけるかと思います。

  • 基本給
  • 時間外手当
  • 夜勤手当
  • 役職手当
  • 危険手当
  • 諸手当

基本給のほかに、様々な手当てが設定されています。看護師と言う仕事柄、人間の命を預かるというある種特殊な仕事場であります。体力的にもかなり負担がかかりますので、様々な手当ての支給があります。

たとえば、時間外手当や夜勤手当のようないわゆる一般企業でいう残業があれば、管理職や役職者などにつけられる役職手当、放射線科や精神科など職務上危険が伴うと判断された場合に支給される危険手当などです。その他、認定看護師手当のような資格取得者に対する手当も存在します。


当然一般企業にも残業と言う概念はありますが、手当の種類が多いことが看護師給与の大きな特徴でもあります。しかしながら、これらの手当てがあるからなのか、逆に基本給がかなり低く設定されていることが大きな問題ともなっています。

手当の中でも金額的にインパクトがあるのは、おそらく夜勤手当でしょう。この夜勤手当がないと生活できないという生の声も実は少なくありません。というのも、もしも平日の昼間だけの勤務であれば、夜勤や休日出勤もありません。

ということは手当てがほとんどなくなりますので、基本給のみという状況も出うるわけです。ですから、看護師の給与を見る場合は、手取り給与を想定することに加えて、基本給の額をしっかり確認しておくことも重要です。

看護師の手取り、多いと?低い?

給与についての正しい理解、そして正看護師のおおよその手取り金額を見てきました。その金額を高いとみるか低いとみるか、個人差もあると思います。日本は少子高齢化に伴う大高齢化社会の到来と、非常に大きな問題を抱えています。

当然、介護の需要も増えてきますので、慢性的な看護師不足がどんどん顕著になります。若年層が異常に少ないいびつな人口ピラミッドである日本であるため、外国人に頼らざるを得ませんが、まだまだ壁が高いのが現状です。

2055年には、高齢者の割合が40%を超えると言われています。明らかに不足する看護師対策のためにも、賃金の安さという問題は国をあげて解決しなければならない問題となっています。

<看護師の給料、手取りにするとどの位?・まとめ>

  • 総支給額の2~3割が税金等で引かれる
  • 看護師平均給料32万円の手取りはおおよそ28万円ほど
  • 手取りは勤務地や勤務年数によって大きく変わってくる
  • 基本給は低くても、諸手当によって手取りはアップする
 

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