看護師の派遣は違法なの?紹介予定派遣とは?



看護師の派遣は、実は一般事務や販売といった他業種での派遣とは別のものとして考える必要があります。それは、看護師の派遣行為は法律で禁止されているためです。

労働派遣法により派遣が禁止されている「医療従事者」として、看護師・准看護師のほか医師、歯科医師、調剤薬剤師、保健婦、助産師、栄養士が含まれます。これらの職業において派遣を許可されないのは、その業務の責任が重く、人の生命に関わるものであるためです。

しかし看護師求人を見てみると「派遣」形態での求人がたくさん見られ、実際に派遣として働く看護師も存在します。その理由は、派遣法の定める「例外」があるためです。


派遣法の定める「例外」とは?

その例外とは、下記の3つのケースです。

  • 紹介予定派遣の場合
  • 育休、産休、介護休暇中の看護師の代替である場合
  • 社会福祉施設での業務の場合

女性の社会進出傾向や保育制度の拡充により、出産しても産休、育休を取得して元の職場に戻る選択をする看護師が増えています。

病院側としては半年~1年といった半端な期間で欠員が出てしまうこととなり、これを補充するためであれば看護師でも派遣が許可されます。


地域の福祉センターなどが社会福祉施設に当たり、看護師の勤務先として挙げられる病院、クリニック、介護老人保健施設、在宅サービスにおける患者宅、一般企業看護室、学校保健室以外の勤務先、ということになります。

社会福祉施設では看護師を常勤で雇用することが少なく、非常勤であるために派遣が許可されています。

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単発派遣も禁止に?



もう一つの例外である「紹介予定派遣」については、後ほど詳しく説明するとして、上記のような禁止事項のほかに、2012年の派遣法改正によって、看護師の業種でも単発派遣が禁止となりました。

単発とは勤務日数が30日以内の契約を指しますが、ここでも例外が認められています。単発派遣が可能になるのは、下記の4つのケースです。

  • 60歳以上の方の派遣
  • 雇用保険が適用されていない学生の派遣
  • 本業収入500万円以上の方の副業としての派遣
  • 世帯収入500万円以上で世帯主以外の方の派遣

派遣の看護師としてしっかり稼ぎたい方はこれらの条件に当てはまることは少ないと思いますが、気付かずに違法な働き方をすることのないようにまずは条件を確認してください。

「派遣」と説明しながら、給与の支払いシステムや契約内容を都合のいいように変更するなど、現在の看護師不足を鑑みて違法もしくは違法行為すれすれの斡旋をしている支援業者も存在します。

知らずに違法な働き方をしてしまったとしても看護師本人に罰則があるわけではありませんが、後々のキャリアにとっては傷となりますし、看護師として順法を心がけることが大切です。


派遣看護師を可能にする「紹介予定派遣」とは



社会福祉施設や産前産後休暇・育児休暇中の看護師の空きを埋める派遣求人がたまたま出ていれば良いですが、これらの看護師求人頻度はさほど多くはなく、希望の勤務地・条件で探すことは実際には困難です。

看護師専門の求人サイト、転職サイトなどを見てみると、派遣求人のほとんどは「紹介予定派遣」での扱いとなっています。


紹介予定派遣とは、正社員となることを前提とした派遣です。一定の期間派遣社員として勤務したのち、看護師と派遣先とが合意すれば、直接雇用の正社員採用へと移行することを予定した契約内容となっています。

いずれ正社員となるスタッフを派遣会社が紹介する、と解釈できるため、「派遣」と銘打っていても別の扱いとなり、看護師も勤務可能になっています。


一定期間とは6ヶ月以内と定められているため、紹介予定派遣では最長でも半年間の勤務に終わり、同じ派遣先では再び派遣契約を出来ない点に注意してください。

看護師が派遣として働くために欠かせない紹介予定派遣のシステムですが、実は看護師・派遣先双方にとってメリットの多い仕組みです。

紹介予定派遣のメリットは

最長6ヶ月間というトライアル的な雇用・勤務が可能なので、実際に働いてみなくては分からない職場の雰囲気、環境、待遇、業務内容を自分の目で確認することができます。

求人・企業情報だけから正式雇用先を選ばなければならず、いったん雇用されれば辞めることも大変な正社員看護師としての採用よりも、より確実な職場選びが可能です。



医療・介護の看護現場では、勤務してみてから「求人に書いてあった労働条件と違った」「人間関係が最悪だった」といった体験談も見られます。紹介予定派遣を経れば、このような結果を招く確率を減らせます。

一方企業側では、派遣期間中に看護師のスキルや人柄、仕事への意欲や協調性などを確認することができるので、「採用したが必要な人材ではなかった・・・」というようなミスマッチのリスクをなくせます。


社員の採用にはかなりのコストや手間がかけられています。紹介というかたちで派遣を受け入れるシステムは、コストカットにもつながるのです。

また、派遣契約期間の満了時点で、双方が「断る」という選択肢があることも大きなメリットです。互いに嫌な思いを残すことなく、ビジネスライクに判断、処理が可能な点は大きな魅力ですね。


ブランクがある看護師の再就職にも、紹介予定派遣のシステムが合っています。看護師自身は、派遣契約期間中に業務の勘を取り戻したり、最新の医療知識や技術について学ぶことができます。

企業側としても、ブランクを埋めてもらいながら看護師の資質を確認することができ、双方がブランクに対する不安を抱えたままではなく、いわばソフトランディングのように採用・就職することが可能になります。


紹介予定派遣のデメリットは

デメリットと言えば、契約期間終了後に合意に至らない場合には、双方が断られる可能性があるという点ですが、一定期間お互いに見極めた後の結果ですから仕方がないこととも言えます。

また、派遣契約期間は予め決められているため、勤務してすぐに「正社員になりたい」と思っても、期間満了までは派遣として勤めなければならない点をデメリットと感じる方もいます。


派遣先によっては「将来的に社員になるのだから」と、契約内容以外の業務を指示される可能性もないわけではありません。が、期間中は無理をして引き受ける必要は決してなく、派遣会社に相談・対処してもらうことが可能です。


紹介予定派遣、どんな求人がある?



このように看護師側・企業側双方にとってメリットが多い紹介予定派遣ですが、実際にはどのような求人があるのかを見てみると、介護関係やクリニックでの求人が多く見られます。

勤務日数は、週3日からというものから4週8休制のものまで様々で、勤務時間は日勤が多く、なかには午前中のみといった求人もあります。

時給は地域や派遣先によりますが、介護関係で1,700~1,800円、クリニックで2,000円ほどであり、正社員登用後の給与も明示されているので、将来的なプランと合わせて検討が可能です。

紹介予定派遣の求人は転職サイトで探してみよう!

勤務希望の地域や職種での募集があるかどうか、実際に看護師専門の転職サイトに登録して確認してみましょう。サイトではコンサルタントが担当につき、求人の紹介だけでなくどんなことでも質問したり、アドバイスを求めることが出来ます。

派遣看護師として働く際の注意点などもコンサルタントに確認できれば安心であり、これらのサービスが無料で受けられるのも嬉しいですね。転職サイトにも色々ありそれぞれに違っているため、2~3のサイトに登録してみて求人内容や対応を比較してみるのがおすすめです。

<看護師の派遣は違法なの?紹介予定派遣とは?・まとめ>

  • 看護師の派遣は原則的に許可されない
  • 紹介予定派遣など例外が3ケースある
  • 単発派遣も、4つの例外条件のほかは認められない
  • 最長6ヶ月勤務後に正社員入社・登用を判断
  • 看護師、派遣先双方にとってメリットが多い
  • 期間満了時に断る選択肢があることもメリット
  • 介護施設やクリニックでの求人が多い傾向

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