訪問入浴の派遣看護師について



超高齢社会の日本においては在宅医療の拡充が課題のひとつであり、在宅医療に欠かせないサービスとして「訪問入浴」が挙げられます。

介護を必要とする方の自宅を訪れて入浴のケアを行う訪問入浴では、利用者の健康状態を確認する看護師の存在が欠かせません。訪問入浴での派遣看護師の仕事について、その内容や役割、求人条件の例や求人探しの注意点について、ポイントを押さえましょう。


訪問入浴の仕事、看護師の役割とは

訪問入浴は民間事業所が提供するサービスであり、看護師1名、ヘルパーの介護職員1名、オペレーターの介護職員1名の計3名が1つのチームとなり、移動入浴車で利用者宅を巡回しながら入浴サービスを提供します。

訪問入浴での看護師のスケジュール



・集合、訪問準備
朝、事業所に集合し、着替えをしてナースバックの確認をします。打合せの後車に乗り込み、利用者宅へ向かいます。車の中で利用者の病名や、物品移動・更衣・洗体の際の注意点などの情報をチーム内で共有します。

・利用者宅到着
1軒につきだいたい40~60分間で入浴を行います。利用者宅に着いたらまずは利用者、ご家族や介護者に挨拶をし、浴槽のほか必要な荷物を運びこみます。

・バイタルチェック
看護師はバイタルチェックを行い、入浴ができるかどうかを判断します。その間に介護職員が浴槽を組み立てます。入浴が決定したら浴槽にお湯を溜め始め、脱衣を介助します。

・入浴介助
利用者をベッドから浴槽へ移動させ、看護師と介護職員とで洗体を行います。利用者と会話を交わしリラックスしながら入浴してもらい、かけ湯をして上がります。ここでシーツ交換をすることもあります。

・処置
浴槽からベッドまで移動させ、看護師は軟膏の塗布や湿布貼用、消毒などを行ったあと、着衣を介助しバイタルチェックを行います。その間に介護職員が片づけを行い、介護記録をつけてサービスは終了です。

・報告書作成
午前中に2~3軒、お昼休憩を挟んで午後に4~5軒、1日で5~7軒程度巡回し、終了したら事業所に戻り、ナースバックをチェック、報告書を作成して業務終了です。

利用者の方の介護レベルによって多少残業があったり、空き時間に資料整理や利用者へのプレゼント制作といった作業を手伝う場合があります。

訪問入浴における看護師の役割

訪問入浴で看護師が担当する仕事は事業所によって異なりますが、必ず行うのは入浴前後のバイタルチェックと、入浴後の処置です。この入浴可否の判断と看護処置が、チームの一員として看護師が同行する第一の役割です。

利用者は介護度が高い方も多く、チューブ類をつけたままの入浴では慎重な対処が必要です。入浴中、入浴後に血圧低下などの体調の変化が起こることもあり、状況を素早く判断し適切に対処するのが看護師の役割です。

看護師の業務範囲はバイタルチェックと入浴後の処置のみ、という事業所もありますが、多くの場合には介護職員とともに脱衣・着衣の介助、入浴介助など業務全般を手伝います。

訪問入浴の派遣求人、その内容は?

訪問入浴派遣の求人内容を見てみましょう。勤務時間は8時もしくは8時半から、17時もしくは17時半まで、お昼休憩1時間の実働8時間が基本です。不定期、単発、もしくは10日以内の派遣が多く見られ、週1回から、月2・3回からなど様々な条件から選べます。

時給は地域や事業所によって異なり、2,000円を平均として1,700円~2,500円程度です。日給で16,000円程度、シフトにもよりますが集中して20日間働けば月収30万円以上を望むことも可能です。


訪問入浴で看護師が注意したいこと


決して楽な仕事ではない

「自分の都合に合うスケジュールで決まった時間だけ働けるから」と気軽な気持ちで訪問入浴の派遣を選ぶと、「こんなはずではなかった」と感じられるかもしれません。

建物によっては、階段で何往復もして重たい荷物を運びこむことがありますし、入浴なので介助していても汗をかき、特に夏場にはかなり暑くなります。拘縮や麻痺を起こしている方の脱衣、着衣など力仕事が多く、腰を痛める看護師もいます。

なかには「病棟よりもきつく感じた」という意見があり、決して心身的に楽な仕事ではないことは覚悟しておいたほうが良いでしょう。

介護職員や利用者との人間関係

訪問入浴でチームリーダーとなるのは介護職員です。したがって介護職員との人間関係の良し悪しが、看護師の働き心地に大きく影響します。移動中にきちんと会話を交わしたり、分からないことは分からないと言って尋ねることで、少しずつ信頼関係を築いていきます。

プライベートな場所である自宅で行うサービスであり、利用者やその家族、介護者に対しては丁寧な対応が求められます。物品の場所などを勝手に置きかえてしまうと、快く思わない方もいます。事情があって動かした場合にも必ず後で元に戻すといった配慮が必要です。

求人先の環境を事前に確認する

体力的に大変で気を遣う仕事であることは確かですが、訪問チームのなかの一人きりの看護師として利用者さんの健康を守ることや、人間関係を円滑にして仕事をしやすくすることにやりがいを感じるという声もあります。

注意点を踏まえ、訪問入浴の派遣求人を探す際には、看護師専門の転職サイトに登録しましょう。

訪問入浴では、求人先によって業務範囲だけでなく、残業時間数や人間関係が大きく違ってきます。できるだけ希望に合った環境を探すのに、転職のプロが相談にのってくれる転職サイトのサービスは心強い味方になります。

<訪問入浴の派遣看護師について・まとめ>

  • 看護師と介護職員2名のチームで巡回し、入浴サービスを提供
  • 1軒につき40~60分、1日5~7軒巡回する
  • 看護師は入浴前後のバイタルチェック、処置が主業務
  • 介助全般を手伝うことが多く、体調の変化にも対応
  • 実働8時間、時給2000円前後が求人の相場
  • 力仕事が多く決して楽な仕事ではないがやりがいもある

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