看護師の転職体験談(14):老人ホームから精神科病棟への転職


(写真はイメージです)

(30歳/千葉/女性)

転職前はどんな仕事をしていたか

私は准看護師の資格取得後、実務経験14年の30代女性です。現在、北海道の精神科病棟(主に高齢の認知症患者を対象とした病棟)に勤務し4年目を迎えています。現在の職場に転職するまでは、関東に在住しており看護師専門の派遣会社に登録し特別養護老人ホーム・有料老人ホームで働いていました。

1つの派遣先での仕事期間は3カ月~1年程度でした。なぜ、派遣看護師をしていたかというと時給が准看護師で1700~2000円と高額であったことと正社員と違い、柔軟なシフト対応が可能だったからです。

仕事の内容としては、正社員で働く看護師と同じように施設入所者の健康管理や病院受診の付き添い、急変時の対応を行っていました。違いは雇用形態が派遣か正社員かという違いだけでした。

なぜ転職しようと思ったか

関東から北海道に引っ越すことになったことがきっかけで転職をすることになりました。今まで同様に派遣看護師として働きたかったのですが、私の引っ越す予定地は看護師専門派遣会社の支店がなく案件もない場所だったため、派遣での仕事は不可能だったこともあり、正社員として長期的に働ける職場への転職をしようと思ったのです。

どんな転職活動をしたか

見知らぬ北海道の土地で知り合いもなく、病院の情報もないままに転職活動を行うことには不安がありました。とにかく、同じ職場で長期的に働くために自分で色々な情報を集めて失敗のない転職をしようと考えて転職活動を開始しました。

希望する条件にあった案件を紹介してくれる看護師専門派遣会社に登録して転職先を探すほうが楽だし早いのですが、今回は自分で転職先を探す以外の方法はなかったのでハローワーク通いをすることにしました。


引っ越しがすんでから居住地管轄のハローワークに行き、現在募集中の看護師求人を探しました。専門職だけに他の職種よりは求人数が多くあったので、自分の条件にあった求人を探すことができそうでした。

私の希望する条件は、引っ越したばかりで土地勘がないこともあり自宅から近い職場がいいということ・月収が20万円以上は欲しいこと・できれば夜勤がないクリニックや老人施設がいいこと。この条件をもとにハローワークで求人を探しました。

しかし、全ての条件を満たしてくれる求人はなかなかみつからず、ハローワークの職員に聞いてみても今出ている求人以外はないとのことで、一番の条件であった月収20万円以上の職場を探すことに的を絞りました。


まずは20万円以上の月収となる求人情報を何枚かプリントアウトし、自宅に持ち帰り比較してみることにしました。持ち帰った求人情報は、夜勤なしの有料老人ホームでの入所者の健康管理の仕事・精神科病棟での患者の看護(2か所あり)・脳神経外科病棟での患者の看護です。

この中で、一番月収が高かった仕事は神経外科病棟での看護でしたが、脳神経外科での経験がなく手術室勤務経験もないため仕事に慣れるまでに時間がかかるのではないかという不安があったので候補からはずしました。


次に夜勤なしの有料老人ホームですが、老人施設での経験は7年程あったので自分に向いている職場ではないかと思い第1候補の転職先として考えました。最後に精神科病棟の看護ですが、経験はありませんでしたが自宅から近いこともあり2か所とも候補として残しておくことにしました。


翌日、ハローワークに行き有料老人ホームに紹介をしてほしいと窓口で手続きを行いました。面接希望者がいるとハローワークの職員より先方に電話連絡後、面接日が決定しました。面接日当日は、約束の時間より少し早めに面接地である有料老人ホームに到着しました。

面接室に案内され、雇用担当者と1対1での面接が開始されました。今までの職歴についての質問に一通り答えた後に、なぜここで働きたいのかと質問をされました。老人施設での経験が長く施設での看護の役割がある程度把握できていることと老人看護が好きであることを話しました。

私のほうからは、一番気になる給料面について求人情報に記載してある金額が月収となるのかを質問しましたが、「こちらの金額より税金等徴収されるため、月収は大体16万円程度になりますね。また、今後は看護職員が増えてくれば夜勤をお願いするようになるかもしれません。1夜勤5000円でと考えています。」との返答でした。


採用されたとしたら月収16万円だと生活が厳しくなるなと心の中で思いましたが、ここまでの面接時間は約2時間とかなりの時間が経過しており採用はほぼ決定したようなものでした。最後に施設内を案内していただき、約2時間の面接が終了しました。

月収20万円以上という条件には満たないこと以外では、働きやすそうな雰囲気の職場だったので採用されたら働いてもいいかなと思っていました。しかし、できれば条件通りの所に転職をしたいというのが本音だったので、次の候補に挙げていた精神科の面接も受けてみることにしました。


病院での経験が看護学生時代を含めても6年程度しかなかったので採用される自信はありませんでしたが、とにかく面接を受けてみようと思ったのです。2つあるうちのどちらの精神科に面接に行こうかと考え、再度求人情報を比較してみることにしました。

自宅からの距離はほとんど同じ距離でした。違いは基本給と夜勤手当が若干違うということでしたが、決め手となった違いは看護師資格取得支援制度があることでした。准看護師として長年働いていましたが、以前より自己研磨のために看護師の資格をとりたいと考えていたので、私にとってはチャンスが巡ってきたような感じでした。


これはもう面接に行くしかない!と早速ハローワークに行き紹介状をもらい面接日を決めてきました。紹介時にハローワークの職員より、「面接に行く病院は、ここら辺では給料が高いほうだよ。」と話をしてくれました。

私にとっては看護師の資格取得のチャンスと月収20万円以上の収入が得られる転職先であったため、採用されることを願って面接に出向きました。院長と事務長、看護師長の3名で面接が行われました。

面接の内容は、履歴書に記入してある職歴について質問をされたことと看護に対する考えを聞かれました。私は職歴についての説明と看護に対する考えは「常に患者さんの立場にたった看護が実践できること」であると返答をしました。


ここで面接終了となりましたが、所要時間は僅か5分足らずでした。不採用だなと思いながら車に乗り込み、自宅に帰る途中で突然携帯が鳴りました。車を止めて誰だろうと思いながら、でてみると先ほど面接に行った精神科の事務長からでした。

「今度、病院のほうにいつ来れる?」と突然聞かれ、いつでもいいと返事をすると「じゃあ明後日に来てください。」と言われたのです。事態がよく飲み込めないままに後日病院に出向いていくと、看護師長より「制服あわせるから。あといつから仕事に来れる?」と聞かれました。

ここで、やっと先日の事務長からの電話は採用決定の電話だったのだと理解することができました。今では笑い話ですが、採用の言葉が一つもなく気づいた時には採用が決定していたということは初めての経験でした。


しかし、採用されたおかげで自宅から近い職場で月収20万円以上の収入が得られ、しかも看護学校(通信制)にいくための支援もしてもらえるという最初の希望通りの条件で転職先をみつけることに成功したのです。前述の有料老人ホームからも採用決定の連絡を頂きましたが、こちらは辞退させていただきました。

転職後の職場の様子、感想

採用決定後の約1週間後より、転職先の精神科病棟での勤務が開始となりましたが、主任をはじめとする病棟スタッフの雰囲気がとてもよく、すぐに馴染むことができました。

入院している患者層も高齢であり仕事内容も老人施設と似ている部分が多かったため、注射などの手技の感覚を取り戻すのに苦労はしましたが、3カ月程度で仕事にも環境にも慣れ楽しく仕事ができるようになりました。最初に思っていた不安や心配は全くありませんでした。看護学校にも通わせてもらい今年看護師国家試験を受験しますが、合格すれば念願の看護師資格が取得できます。

転職活動を通じて感じたこと、学んだこと、これから転職する人へのアドバイス

自分の希望する条件が全て揃った転職先はないと思いますが、できるだけ近い職場に転職することは可能です。私の場合も病院の経験がないからと今の職場の面接を受けることを諦めていたら看護師資格取得のチャンスも逃していたし、希望する条件通りの職場に転職することもできませんでした。

諦めずに前向きな気持ちで転職活動に取り組むことが大切だと思います。


自分の経験を活かせる職場にするのか全く畑違いの職場に転職するのかで面接時のアピール方法も変わってきますが、仕事に対する熱意が伝われば採用される可能性は高くなると思います。

自分にできることをアピールすることも大切ですが、経験がなく不安な面もあるが自分はここで働きたいという明確な意思を伝えることが逆に好印象を与え採用されることもあります。これから転職活動をする方は、「自分がどこで働けるのか」ではなく「自分がどんな所で働きたいのか」と考え転職先を探すといいと思います。自分の可能性を信じて諦めないで転職活動を頑張りましょう。

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