プリセプターの役割って?



日本の多くの病院でプリセプターシップ制度が採用されています。ようやく仕事に慣れてきた頃上司からプリセプターになるよう指示されて不安を感じるのは、自分だけではないのです。

なんとなくプリセプターになって試行錯誤するのではなく、プリセプターとはどんな人材でその役割は何なのか、心がけるべきことなどを知っておけば安心です。ここではその詳細をまとめていきます。


プリセプターとは


プリセプターって何?

プリセプターシップ、またはプリセプター制度とは、病院での新人看護師を教育、指導、育成するための仕組みです。指導する看護師をプリセプター、指導される新人看護師をプリセプティと呼び、1年間ほどの時間をかけてマンツーマンの指導を行います。

プリセプターに選ばれるのは3~4年目の若手看護師であり、プリセプティの多くは新卒看護師です。


看護師は、看護学校で数年間かけて知識や技術を学び、実習を経て入職しますが、看護師の仕事はケースバイケースの場合が多く、学校で学んだことだけで対応できるものではありません。

そのうえちょっとしたミスが患者さんの健康や生死に大きく関わることから、ひとつひとつの仕事を正しく覚えていく必要があります。これを指導するのがプリセプターであり、大切な役割であることが分かります。

プリセプター制度のメリット・デメリット

メリットとして、プリセプティにとっては安心感があり技術の習得がしやすいこと、職場に馴染みやすくなることが挙げられます。看護を実践する時にも、先輩がそばにいれば安心で、分からないことをその場で聞けます。

プリセプターにとってもメリットがあります。それは、教えることで自身のスキルを再確認し成長できるという点です。

自分が理解していないことを人に教えることは出来ません。3~4年目で仕事に慣れてきたものの、十分に理解できていなかった仕事について再確認でき、業務への理解が深まっていきます。


デメリットを挙げるとすれば、プリセプターへの負担増があります。プリセプターになったからといって、自身の担当業務がなくなるわけではありません。

指導計画の立案、実際の指導、育成、結果の評価という仕事が増え、これを看護と両立させていく必要があります。忙しいプリセプターをサポートするのは病院側の責任ですが、人手不足の現場ではなかなか良い対策がないのが現状です。


プリセプターの役割



プリセプターには3つの役割があり、それぞれ別々のものではなく、同時進行で進めながら一人前の看護師を育てることが目的になります。

新人看護師の指導

プリセプターの主要な役割となる「指導」では、新人に付き添ってひとつひとつの業務の目的・手順を説明したうえでチャレンジしてもらい、ミスがあればその場で指導していくことを繰り返します。

必要に応じて、プリセプターが業務を行って見せるシーンもあります。新人看護師が自分一人の判断で仕事できる状態が目標で、そのためのサポートです。

新人看護師の育成

看護師の仕事は、その手順だけを正確に行えればよいというものではありません。それぞれの業務の意味や、行ううえで知っておくべき事柄はたくさんあります。看護のプロとしての心構え、姿勢なども学んでいく必要があります。

新卒は社会人としても新人であるため、学ぶべきビジネスマナーも多いでしょう。プリセプターは、これらの習得に積極的に関わり、時には相談にのって一人前の看護師を育てていきます。

職場への適応をサポート

人間関係の輪へ飛び込んでいくのは、誰でも緊張するものです。ましてや社会人一年生でもある新人看護師はどうしていいのか分からないことも多いでしょう。

プリセプターは、新人看護師が少しずつ戦力となり人間関係においても職場に馴染んでいけるよう、橋渡し役としてサポートします。


プリセプターが心がけるべきことは?



プリセプターになった看護師からは、「自分の仕事で精一杯なのに新人指導なんてできるだろうか」「自分の知識や技術で教えられるだろうか」という不安の声が聞かれます。

プリセプターが心がけるポイントを押さえていくことで、このような不安が減り、より自信をもって指導に当たることができます。

共に成長する気持ちで

プリセプターはどうしてベテラン看護師でなく、3~4年目の看護師が担当するのでしょうか?プリセプティに年齢が近く相談しやすいという理由もありますが、そこには「プリセプター自身にも成長してほしい」という願いが込められています。

教えるという立場だけでなく、教えることで自分も学びなおしていることを意識しましょう。指導者としてのプレッシャーが減り、感謝の気持ちで指導に当たれるはずです。

周りを頼ることも大切

プリセプターになったからといって、一人ですべての指導を背負わなければならないというわけではありません。毎日何気なく行っている業務を改めて見つめなおすと、教える情報量は多く、全てを一人で詰め込もうとすれば、プリセプターとプリセプティの双方に無理が生じます。

新人は職場全体で育てるものであり、ときには他スタッフから指導を受ける方がよいシーンもあります。一人で抱え込まないこと、周囲を頼ることも大切なのです。

ちょっとした声掛けを忘れずに



新人の頃には、ちょっとしたミスにもすぐ落ち込んでしまったり、自分の居場所がないように感じたことがあったのではないでしょうか。

そんなとき、プリセプターと「午前中忙しくて大変だったね」「今日分からなかったことはなかった?」「夜は眠れてる?」などささいな会話を交わすことで、プリセプティの不安が解消されたり、一緒に課題の解決法を考えてあげることができます。

自分の仕事で忙しくあまり指導ができなかった日にも、このようなちょっとしたフォローをしておくのがポイントです。

効率を考えた指導

ひとつの疾患への対処を教えるにも、その病態や使用する薬剤の作用、看護の根拠など、知っておくべきことは多く、そのすべてをいちいちプリセプティに考えさせていては、勤務時間がどんどん消費されてしまいます。

指導のために患者さんを待たせてしまうことも避けなければなりません。そんなときは、まずは結論を教え、仕事の後でゆっくり答えを考えてもらうようにします。互いの時間を確保するため、指導と業務のバランスを意識して効率の良い進め方を選びましょう。

相対的でなく客観的な評価を

新卒看護師は一人ではなく、それぞれにプリセプターがつくものです。そうなるとつい、指導の進行具合や人間関係を他のプリセプターと比較したくなってしまいます。

しかし看護師には、一人一人に異なる個性があります。比較して「自分たちはダメだ」と思うのでなく、客観的にどこがどう成長してきているか、お互いの関係性がスムーズかどうかを考えることが大切です。


プリセプターになることは、ただ指導業務が増えるということではなく、ともに学んでいく絶好のチャンスをもらうことです。

病棟4年目でプリセプターになり、最初は不安だったものの、始まってみると時間がいくらあっても足りないほどだった。プリセプティとともにがむしゃらな1年を送って、充実の1年間を送り自分も成長を実感した、という体験談も聞かれます。


<プリセプターの役割って?・まとめ>

  • 新人看護師をマンツーマンで1年間指導していく
  • 新人の技術習得が早まり、プリセプター自身の成長も期待できる
  • プリセプターの業務増がデメリットといえる
  • 一人前の看護師へと指導、育成し、職場との橋渡し役となる
  • 新人とともに成長する気持ちで、時には周りを頼ってみる
  • 指導と業務のバランスを考え、周りと比較しない


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