看護師のサービス残業、どうする?



看護師には残業がつきもの、というイメージを持つ人はとても多いです。実際に、看護師はかなりの割合で残業をしていますが、その残業のほとんどがサービス残業であることが深刻化してきています。

看護師のサービス残業にはどう対処するべきか、こちらで有益と思われる情報を提供しています。


定時で帰れる看護師はまずいない!?看護師のサービス残業の実態

フルタイム勤務で働く看護師の場合、定時で帰宅できているという人はまずいないようです。ほとんどの看護師が多かれ少なかれ残業をしていて、さらにサービス残業であるという人が多いことに驚きます。

全国の看護師の残業時間を平均すると、1人あたり1日2時間弱ほど残業をしているという結果が出たそうです。月で計算すると45時間弱前後になるかと思われますが、そのうち残業手当が発生しているのは残業時間の1割程度だというデータがあります。

看護師は給料が高いイメージがあり、ハードワークでも収入がよいので頑張れるという印象がありますが、実際に働いている時間を時給換算しても、本当に高収入だといえるのでしょうか。


サービス残業の理由は?


一番多い理由が「看護記録」

残業理由として一番多いのが、看護記録を行なうためだそうです。看護記録とは、その日の看護活動の内容を記録する作業のことをいいますが、看護業務中は記録する時間がないため、基本的に業務後、申し送りが終わってから行ないます。

看護記録は業務の引き継ぎに必要であるのはもちろん、情報開示の際にも使用されますので、非常に重要です。しっかり記録するためには、かなりの時間を要することも。

看護記録については、紙カルテで行っている病院と、電子カルテを採用している病院があり、電子カルテのほうが作業がスムーズだという看護師が多いです。

しかし、パソコンが苦手という看護師は電子カルテだと余計に時間がかかってしまうそうなので、どちらが早いとは一概にはいえません。

研修や委員会活動の参加

そのほか、研修や委員会に参加することによる残業もとても多いです。研修や委員会は業務時間外に行なうというスタンスをとっている病院が多いため、これらの参加はすべて賃金が発生しません。

自主的に行っているもので、残業ではないとみなされてしまうのです。一般企業であれば、会議やミーティングなどは業務とみなし、残業として認められているところがほとんどなので、このシステムにも疑問を感じます。

医師の指示待ち

診療を行っている患者がいれば、その患者の処置が終わるまで業務を終了できないのは仕方がありません。

次の処置の指示を待っているうちに終業時間を迎え、けれど医師が休憩などで戻ってこないために支持を仰ぐことができず、そのまま無駄な残業になってしまうという看護師もいます。

急患の対応

これは仕方のないことかもしれませんが、終業時間間近に急患が入ってしまったら、残業になります。

救命救急センターなどは別として、通常は急患が入るということはまれだと思われますので、残業になってしまってもきちんと申告できれば問題ないと思われるのですが、サービス残業になってしまうのはきついですね。


そのほか、新人の頃は仕事を覚えるための自己学習をしなければならず、定時に帰ることができないという人もいます。

さらに、同じシフトで勤務している先輩看護師が帰るまでは、上がりにくくて帰れないという看護師もいるようで、本当に意味のないことに思えてしまいます。


残業を申告できないと悩む看護師、解決方法は?


残業を申告できない、認められないケースが非常に多い

いくつかの病院で、労基から残業代の未払いを指摘され、支払いを命じられています。ある病院では、1人につき数千円から100万円といった高額の残業代の支払命令をされており、いかに残業を認めてこなかったかという実態が浮き彫りになりました。

前述したように、研修会の参加は残業とは認められないため、業務における残業分のみでも相当の金額に上ったようですが、研修会を残業と認めたら、一体いくらの残業代をもみ消したことになるのでしょうか。

激務による自殺者が出たことで残業代の未払いが発覚

またある病院では、激務によってうつ病を患った看護師が自殺し、遺族が労災申請をしたことがきっかけで、なんと700名以上の残業代を支払っていなかったことが発覚しています。

過度な残業により看護師を自殺にまで追い込むとは信じがたいですが、看護業界では現実にたくさんの残業が発生していますので、明日は我が身です。

労基に調査を申し入れる

労働基準法に則った形で残業が発生しているのでれば、その残業代が支払われることは当然の権利です。

納得行かない状態が続くのであれば、上司や人事課などに相談し、残業の支払いを申請するべきですが、スムーズに残業代が支払われるとは限りません。どうしても状況が改善されないのであれば、労働基準局に相談し、残業についての調査を依頼するという方法もあります。

ただし、これによって残業代が支払われる可能性は高くなりますが、その後病院で働きづらくなる可能性が高いので、その点は覚悟しておく必要があります。

思い切って転職を検討してみる

状況の改善が期待できないのであれば、思い切って転職してしまうというのもひとつの方法です。サービス残業が当たり前になっている病院が多いのも事実ですが、定時とまではいわなくても、数分の残業で帰宅できているという病院もたくさんあります。

看護師を含め、病院の職員全体で残業をしないよう協力し合いながら仕事を進めているという病院もありますので、体調を崩して仕事ができなくなってしまう前に、自分の身を守るためにもよい環境へ移ることをおすすめします。

<看護師のサービス残業、どうする?・まとめ>

  • フルタイム勤務の看護師は、ほとんどといっていいほど残業をしている
  • 残業時間のうち、手当がついているのは1割程度だというデータもある
  • 残業理由は看護記録付け、研修や委員会の参加、医師の指示待ち、急患の対応などが挙げられる
  • 残業代の支払いを希望する場合は、病院側で解決しなければ労基に相談を
  • 思い切って就労環境のよい就業先に転職をするのもひとつの方法である


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