労災病院への看護師転職の注意点は?



日本全国に34の施設がある労災病院。名称に「労災病院」とつくのですぐにそれと分かりますが、なかには「せき損センター」「医療センター」といった名称を用いているところもあります。

スキルアップや高待遇を目指す看護師に人気の求人先のひとつですが、なかには「労災病院に勤務したらどんな仕事をすることになるのだろう」と疑問を持つ方もいるでしょう。

労災病院とはそもそもどのような病院を指すのか、労災病院での看護師の仕事や給料、そして働く前に知っておきたい注意点などを見てみましょう。


労災病院とは


労災病院の成りたち

例えば工場で怪我をしてしまったり勤務中に事故に遭うなど、業務上の負傷、疾病が起こることがあります。これらの療養の向上、健康・福祉増進への寄与を目的として設立されたのが「労働者健康福祉機構」です。

労災病院はこの労働者健康福祉機構が運営する病院であり、行政上は厚生労働省所管の独立行政法人となっています。

労働者健康福祉機構の目的に沿って、労働者の職業性疾病、労働災害の治療・リハビリなどの労災医療を主目的としますが、労災に限らず一般の患者さんの診療も受け付け、地域の中核病院を担っています。

労災病院の幅広い役割

労災病院では、高度で専門的な医療の提供、早期職場復帰の支援などの保険医療の提供、産業保健関係者とのネットワーク活動のほか、労災疾病の研究、医療技術の開発・普及まで、幅広い役割を担うこととしています。

例えば東京労災病院は、地域医療支援病院、保険医療機関、生活保護法指定医療機関、母子保健法指定医配置医療機関、臨床研修指定病院など、様々な指定を受ける施設です。地域の中核となって人々の健康を支える医療施設であると言えます。

また、近年社会的課題となっている勤労者の心の健康、働く女性の健康管理、産業中毒、アスベスト問題など、労災疾病13分野における専門的研究に100名以上の研究者が取り組んでいます。


労災病院で働く看護師の仕事


労災病院での看護師の仕事

労災を対象にしているというと特殊な仕事であるように感じるかもしれませんが、労災病院での診療科目はごく一般的な総合病院と変わりなく、入職後は内科や外科、小児科、皮膚科、整形外科や産婦人科などに配属されることになります。

外来では患者さんの応対、案内、診療補助や処置、検査などを行い、病棟では処置や検査のほか生活の介助や手術準備などにあたり、夜勤もあります。労災病院に入職するために、看護師免許以外に特別なスキルや資格は必要としません。

労災病院の特徴として高度で専門的な医療を扱う機会が多いため、より高い看護知識やスキルを身につけることができます。将来的に転職する際に有利となるキャリアを積むことができるでしょう。

労災病院で働くメリット・デメリット


メリット

高度医療を扱う中核施設であるため、他の医療機関と比べて研修や教育制度が充実しています。看護知識の拡充やスキルアップに好環境であることは、大きなメリットです。

待遇面にもメリットが見られます。厚生労働省所管の独立行政法人運営という性質上、看護師寮を完備していたり厚生年金基金が整備されているなど、福利厚生面が充実しています。産休、育休、時短勤務、夜勤免除など、ママさん看護師に嬉しい子育て支援がしっかりしているところが多いようです。

デメリット

デメリットとして、求人や施設そのものの希少性が挙げられます。数ある医療機関のなかで労災病院は全国に34か所のみであり、求人数は限られます。また管理職のポストも少なくなり、かなり長い期間勤務しないと昇格が難しいかもしれません。

北海道を除けば都府県内にひとつか、無いところもあり、居住地の近くに労災病院があるとは限りません。勤務時間がかなり長くなったり、通勤のため引っ越さなければならないことも多いでしょう。

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労災病院で働く看護師の給料は?

病院の立地や看護師の学歴、キャリアといった条件のほか、夜勤手当を含むか否かでも異なってきますが、労災病院での看護師の給料は、平均で月収27万円、年収325万円+ボーナス2回を目安と考えてください。求人の具体例では、下記のような給与額が見られます。

  • 愛知県名古屋市:260,000~270,000円
  • 大阪府堺市  :265,900円
  • 兵庫県尼崎市 :249,290円
  • 千葉県市原市 :241,485円
  • 北海道岩見沢市:219,000円

一般的な看護師の平均年収と大きく変わりませんが、その一方で研修や福利厚生の充実といったメリットがあることが、労災病院求人の人気の理由となっています。


労災病院で働く前に知っておきたい注意点


転職活動では履歴書、面接が重要

多くの労災病院では、定期的に看護師募集を行っています。各労災病院のホームページをチェックして直接問合せをしたり、看護師の転職支援サイトでチェックしてみましょう。

基本的に筆記試験はなく、書類選考と面接での採用が行われています。求められる人材をしっかり把握したうえで、履歴書に記載する内容と面接回答の準備に力を入れるようにしてください。

看護師専門の転職サイトを利用すると、履歴書内容や面接準備について、専任のコンサルタントに相談できるので安心です。また、限られた求人情報をいち早くキャッチしたり、残業時間や離職率、有給消化率や人間関係など、求人情報には掲載されない情報を事前に確認することもできます。

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労災看護専門学校に通う

看護師免許を未取得の場合、全国9か所の労災病院に附設されている労災看護専門学校に入学するのも方法のひとつです。卒業時には看護師国家試験のほか、保健師・助産師、養護教諭の受験資格を得ることができ、看護師免許取得後は労災病院への勤務を希望できます。

<労災病院とは?・まとめ>

  • 労働者健康福祉機構が運営し職業性疾病や労働災害の治療を行う
  • 仕事内容は一般病院と変わらず、高度医療に携われる
  • 研修、教育、福利厚生や子育て支援の充実が魅力
  • 全国34か所に限られ、求人数はそれほど多くない
  • 給与の目安は月収27万円で看護師としては平均的
  • 定期的な求人をチェックし履歴書と面接に力を入れる

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