看護師の転職回数、転職の繰り返しは不利?



看護師は転職が多いと言われます。これには看護師が専門性の高い職業で、転職が売り手市場であることから求人にこと欠かないということや、キャリア形成のための転職が多いという背景があります。

しかし社会一般のイメージとして、転職回数が多過ぎると良いイメージを持たれにくいものです。看護師の転職ではその点はどうなのか、実際の転職回数やその理由などを確認し、「転職」という選択をどう捉えていけばよいのか、考えてみましょう。


看護師も転職回数が多いと不利?


良い印象を持たれにくいのは事実

転職回数の多いと面接での印象が悪くなる理由として、採用担当者から「我慢ができない人なのでは」「採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」と思われやすいという点が挙げられます。

採用には多額の費用と手間がかけられており、すぐにまた辞められてしまってはその投資が無駄になってしまいます。病院・施設側にすれば、採用した看護師にはある程度の期間は勤め続けて戦力になってほしい、と思うものです。

一つの職場に何年勤めたかが重要

同じ5回という転職回数でも、20年看護師をしている方と3年間看護師をしている方とでは、その印象が全く違ってきます。転職回数そのものよりもむしろ重視されるのは、「一つの職場に平均して何年勤続していたか」という点です。

20年勤務経験の看護師が5回転職したとしても、1職場あたりの平均勤務年数は4年です。一方で、3年経験の看護師が5回転職したら、1職場あたりの平均勤務年数は0.6年です。


転職エージェントによれば、1つの職場あたり3年以上の勤務期間が望ましいとされています。ある職場で職務を充分にこなしスキルを身につけるには3年必要、というのが一般的な見方なのです。

みんな何回転職しているの?

首都圏、関西圏の看護師を対象に行われたアンケートでは、転職回数の平均は「2回」となっています。とはいえ回数にはばらつきがあります。転職0回という回答が最も多く23.9%、続いて2回が23.1%なのに対し、30%以上の人が3回以上の転職を経験しています。

看護師の場合、若い年代から転職する人が多いというのも特徴的です。20代でみると、転職していない方と、一方で1~2回の転職をしている方の割合がほぼ同じです。30代を過ぎれば、結婚、妊娠、出産などを迎える人、さらにステップアップを考える機会が増え、転職の回数はさらに多くなっていきます。


多過ぎる転職回数は不利というイメージがある一方で、多くの看護師が転職を経験しているという現実があります。

看護師側としては「自分に合う職場を探すことは当たり前」として転職は決してマイナスなことではないという考えがあり、例えば「20代で5回の転職は多過ぎるでしょうか?」という相談に対して「珍しくない」「前向きなら問題ない」といった回答が見られます。


看護師、どんな理由で転職してるの?



中途採用では、転職回数が問われるだけでなく、その理由も必ず聞かれます。その理由がやむを得ない事情なのか、やむを得ないとは言い切れない理由かで、印象が違ってきます。

やむを得ない転職理由

転職理由として悪い印象を持たれないのが、結婚に伴う引越しや、出産・育児との両立のための転職です。勤めていた職場の環境があまりにもひどかったためというのも自己責任とは考えられず、やむを得ないと判断されることがあります。

看護師に多い腰痛や、メンタルヘルスなどの身体的な事情もやむを得ない理由のひとつになりえます。

前向きな理由

「スキルアップ、キャリアアップのため」「やりたい診療科にいきたい」といった転職理由は前向きで、転職理由として挙げる看護師が多いですね。

ただしこれも、過去の勤続期間が少なすぎるとプラスの印象にはなりません。3~5年勤めてからの転職であれば納得されますが、1年程度では充分なスキルが得られた、とは考えにくいためです。

勤務条件の不満や人間関係など

現実的に退職理由として多いのは、何らかの不満があってより良い環境を求めるというものです。人間関係では、上司とそりが合わない、理不尽ないじめにあったなどの理由や、収入が低すぎる、残業が異常に多い、頑張っても正当に評価されない、といった事情が聞かれます。


転職しようか迷ったときには


もう少し頑張れないか考えてみよう

看護師は心身ともに仕事がハードな場合が多く、「辞めたい」「職場を変えたい」と考える方が少なくありません。そんなときにはその時の感情に流されず、一度冷静になって考えてみましょう。

入職して数か月や一年程度の場合、すぐに転職することが将来のキャリアにとってマイナスになる可能性があります。せめて3年まで頑張れないか、検討してみてください。

例えば職場の環境がどうしても合わない場合に他の診療科への転属を希望してみるといった方法もあります。

無理のし過ぎはマイナス

ただし、なかには頑張らないほうがいいケースもあります。例えば体調を崩してしまうほどの激務や悪環境の場合です。

「すでに4回転職しているので今度こそ頑張らなくてはと思っているが、上司からのパワハラがひどく、不眠や食欲不振になってしまった。心療内科の医師からは転職を勧められている」という看護師の場合、無理をして続ければさらに症状が悪化する可能性が高いでしょう。


むやみに転職するのはよくありませんが、健康にまで影響したり、明らかに異常な環境の場合には、転職による解決を選んだ方がいいことがあります。

何度も辛い思いをして転職を繰り返していると「自分は社会に必要とされていないのでは」と落ち込んでしまう看護師もいます。しかしそれは我慢が足りないのではなく、自分に合った職場を見つけられていないだけかもしれません。


今後の転職、ここを注意しよう


転職の繰り返しは基本的に不利

例えば派遣看護師を長く続けていると履歴書の職業欄が多くなってしまいますが、それだけで「長続きしないのではないか」と思われてしまい、書類で不採用になってしまうというケースが見られます。

看護業界においても、転職を繰り返すことは基本的に不利であるということを、まずは頭においておきましょう。むやみに転職回数を増やさないため、転職時に注意したい点を2つ確認しておきます。

優先順位をハッキリさせることが大切

看護師求人は豊富で応募先を選ぶことができますが、このとき自分が転職に希望する条件の優先順位をハッキリさせておくのが肝心です。

例えば、1番に通勤時間、2番に人間関係の良さ、3番に残業時間を希望するときに、たまたま給与条件のいい求人が目に留まり、通勤時間もそれほどかからないという理由で転職を決めたとします。


すると第2条件、第3条件を妥協してしまったために、勤め始めてから「こんなはずではなかった」と感じるリスクが高くなってしまうのです。

全てが理想的な職場というものは存在せず、どこかで妥協は必要です。その基準として、優先順位の3番目ぐらいまでが条件に適っていれば、勤務後もそれほど辛いとは感じられないはずです。

「より良い求人」という曖昧な見方ではなく、「自分に合う求人」を選ぶことが大切です。

転職先の見極めかた

転職の失敗原因として「聞いていた条件と違っていた」「人間関係が悪かった」といったものがよく聞かれます。このようなリスクを減らすためには、転職前の「見極め」が重要になります。

見極めのためには知人やインターネットを使った情報収集だけでなく、自分の目で実際に職場を見てみるのが一番です。事前に見学を申込み、実際に見て確かめることで、自分に合いそうな職場かどうか何かしら感じるものがあると思います。

転職サイトを利用して、求人先の環境についてエージェントとよく相談してみるのもまた有効な見極め方法です。

<看護師の転職回数、転職の繰り返しは不利?・まとめ>

  • 転職回数が多過ぎるのは基本的に不利になる
  • 一つの職場に3年以上勤めていれば印象が悪くない
  • 2回程度の転職経験がある看護師が多い
  • やむを得ない転職理由は仕方ないがそうとは思われない理由もある
  • もう少し頑張れないか考えることが大切だが、無理しすぎもよくない
  • 転職の希望条件を明確にし、自分の目で見極めを



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