「生涯役に立つ資格を取りたい」「人を癒す仕事をしたい」「入院したときに憧れて」など、様々な理由で看護師を目指す方がいます。看護師は、国家試験に合格してなることができる職業です。
看護師になるための試験の概要や合格率、受験資格を得るための学校の種類について、准看護師のケースも含めて説明していきます。
看護師資格の試験について
試験時期、内容
2011年に第100回を迎えた看護師国家試験は、厚生労働省医政局監修のもと行われています。
例年、2月中旬~下旬の日曜日に、北海道、青森県、宮城県、東京都、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の計11か所で試験が実施され、3月下旬に合格発表をしています。
出題範囲は下記の10科目です。
- 人体の構造と機能
- 疾病の成り立ちと回復の促進
- 健康支援と社会保障制度
- 基礎看護学
- 成人看護学
- 老年看護学
- 小児看護学
- 母性看護学
- 精神看護学
- 在宅看護論及び看護の統合と実践
各問1点の必修問題、一般問題、各問2点の状況設定問題を合わせて、計240問、300点満点の問題を、午前・午後に分けて解答します。
従来の四者択一に加えて、近年では五者択一・択ニ、写真などを取りいれた問題が出題されるようになっています。また問題配分について受験案内で触れないようになっていることから、過去の問題とは異なる配分になる可能性があります。
准看護師試験の開催・合格発表も正看護師と同時期ですが、日時、場所は各都道府県で指示されます。試験地域は2003年より、全国で8つの地域にブロック化されています。
受験者数、合格率はどのぐらい?
看護師試験の受験者数は毎年5万人を超え、2014年は58,891人でした。合格基準は、必修問題で80%以上の正答率、一般問題・状況設定問題では各年で合格ラインが異なり、60~70%台となっています。合格率は、2005~2014年の10年間の平均で90.1%、2014年は89.8%です。(下記グラフ参照)
合格率90%というとそれほど難しい試験内容ではないように感じますが、不合格となってしまった1割の方は、そのほかの職業を目指すか、働きながら再び受験勉強をすることになります。この「既卒者」の合格率は、30~50%と決して高いものではありません。
「新卒」では、12月頃には学習内容がすべて終わり、2月の試験まで勉強に打ち込める環境があります。一方既卒の場合には、多くの方は看護助手として働きながら勉強をすることになり、精神的、体力的に勉強に打ち込むのが難しい環境です。
学校で集中して勉強できる時期に頑張り、新卒で合格できるのが理想的であることを覚えておきましょう。
一方准看護師の受験者数は、2003年に26,983人であったものが2013年には17,807人と減少傾向にあります。合格基準は60%以上の正答率で全国の合格率は高く、98%程度となっています。
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看護学校について
看護師も准看護師も、試験を受けるためには定められた学校で学び、実習を積んで卒業する必要があります。
看護学校の種類
下記の表のように、看護師試験の受験資格を得るための学校は4種類、准看護師試験受験のための学校は3種類です。
【正看護師】
入学時期 | 就学期間 | 最短就業年齢 | |
---|---|---|---|
高等学校衛生看護科 | 中学卒業 | 5年 | 20歳 |
看護専門学校 | 高校卒業 | 3年 | 21歳 |
看護短期大学 | 高校卒業 | 3年 | 21歳 |
看護系大学 | 高校卒業 | 4年 | 22歳 |
【准看護師】
入学時期 | 就学期間 | 最短就業年齢 | |
---|---|---|---|
准看護学校 | 中学卒業 | 2年 | 17歳 |
高等学校衛生看護科 | 牛学卒業 | 3年 | 18歳 |
看護短期大学 | 高校卒業 | 2年 | 20歳 |
最も多くの看護師が通っているのが看護専門学校で、約80%の看護師がこちらを修了して看護師資格を取得しています。また合格率が高いのは看護系大学で、2015年には95.3%となっており、なかには100%という大学もあります。
准看護師学校は週3日の全日制、週5~6日の半日制となっているため、働きながら資格取得を目指す方が多いのが特徴です。
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准看護師から正看護師になるには
准看護師になった後正看護師になるには、定時制看護学校での3年間の履修、全日制看護学校での2年間の履修、もしくは准看護師として10年以上勤めたうえで2年制の通信教育を受けることで、受験資格を得ることができます。
准看護師は、少しでも早く働き始めたい方、働きながら学校に通いたい方に人気があります。ただし正看護師と仕事内容は変わらないにも関わらず、求人内容や給与条件が劣ってしまうことから、可能であれば看護師資格の取得がすすめられます。
- 毎年2月に全国11か所で実施され、3月に合格発表
- 近年の受験者数は6万人弱、合格率は90%前後
- 新卒の合格率は高いが、既卒では低め
- 准看護師の合格率は高いものの受験者数は減少傾向
- 看護師になるための学校は4種類、それぞれ学習内容や年数が異なる
- 准看護師になった後正看護師になるための学校がある
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