看護師の転職理由、医師からのパワハラ



看護師の人間関係の悩みというと、看護師同士のいじめや無視などがイメージされますが、実は医師との人間関係に悩む方も非常に多くいらっしゃいます。

特に医師は病院内ではヒエラルキーのトップにあることもあり、中には看護師に対して暴力的な行為をする、暴言を吐くなどのパワハラをはたらく方もいらっしゃいます。


看護師同士の人間関係もこじれると根が深く対処が難しいものですが、医師によるパワハラの場合は、職場での立ち位置自体が異なるため、対応が非常に難しく、弱い立場におかれやすいという問題があります。

その結果、パワハラによって心身に大きなダメージを受けてしまい、看護師として勤務が続けられなくなる、という方も少なからず存在します。今回は、そんな深刻な問題の大元となる医師のパワハラについて考えて行きたいと思います。


医師によるパワハラの実態



日本では、医師のことを「お医者様」と呼び、人の命を救い守る有能な人間として敬ってきたという歴史があります。確かに医師は医師国家試験という難関を突破し、豊富な医療知識と手技、経験などを駆使して人命を救う素晴らしい職業です。

しかし、残念ながらそのことを驕り、看護師を下の立場、自分よりも劣る職種とみなす医師が多いというのも事実です。


本来、医療の現場において医師と看護師は担う役割が異なり、立ち位置も全く違うため、比較して上下がつけられるものではありません。そのことを理解できない医師の多くが、気分やストレスのはけ口として看護師にパワハラをはたらくケースが多いというのは、本当に悲しく理不尽なことです。

実際問題として、医師によるパワハラの多くは、一般企業においては訴えられてもおかしくないものも多いのですが、看護師の方々はできるだけ円滑な業務を続けられるよう我慢をし、パワハラが表にでないことがほとんどです。


そのため、医師のパワハラに悩んでいるが相談できる相手がいない、同じようなことに悩んでいる看護師の皆さんと考えを共有できない、といった想いを抱く方も少なくないようです。

そこで、ここでいくつか実際に医師のパワハラを経験した看護師の体験談をご紹介したいと思います。是非、参考にしてみて下さい。


実際にあった!医師からのパワハラ体験談


体験談1.看護師にものを投げつける、暴言が凄い

私は地方の総合病院へ勤務していますが、定年間近の医師のパワハラに悩んでいます。頑固で昔気質、という部分までは受け入れることができますが、問題は激しすぎる性格と気性にあります。

自分と看護師の意見が少しでも食い違うと、狂ったかの用に自説を語り倒して正当性を主張し、患者さんの前であろうと関係なしに責め立ててきます。この時、物を投げてきたり看護師を叩いたりするのは日常茶飯事で、若い看護師の中には暴力に怯え、業務が続けられなくなる人がでるほどです。


また、医局での立場が少しでも悪くなることが怖いようで、他の医師のミスを見つけた場合、その本人にそれを伝えるのではなく、全て看護師のせいにして怒鳴りつけてきます。これに関しても、明らかにストレス発散が目的であることがみてとれ、肝心のミスをおかした医師には注意一つしません。

この医師にまともに取り合うこと自体意味がなくばかばかしいとは分かっているのですが、医師である以上は無視することはできず、指示を仰いで業務を遂行する必要があるので、理不尽さを感じながら仕事を続けています。

体験談2.イライラや機嫌の悪さをぶつけてくる

前職では、開院直後のクリニックにオープニングメンバーとして採用され、看護師として勤務していました。開院したばかりの頃は、経営者である医師も色々と配慮してくれていたのですが、患者さんが増え多忙になってくると、次第に本性をあらわしはじめました。

自分のおかしたミスを認められずに看護師のせいにして怒鳴りつけたり、多忙のイライラが募ると特定の人を呼びつけ、長時間ネチネチと嫌味を言ったりと、とにかくやることなすこと幼稚で子供を相手にしているようでした。


嫌味や愚痴、いわれない責任追及などの言葉を聞き流せない看護師は、ストレス過多で身体を壊したり、出勤することに恐怖を感じるようになって対処くしたりと、様々な問題を抱えていました。

時には患者さんのいる前で「お前なんて使えない!帰れ!」などと怒鳴ることもあり、自分自身が傷つくことよりも、患者さんのお気持ちを考えて涙が出ることがありました。

体験談3.プライドを傷つけ、態度が豹変した

前の病院でミスをおかしてしまった時、そのことに落ち込んでいる私を医師と同僚が飲みに連れて行ってくれ、励ましてくれたことがありました。そのことがきっかけとなって、後日医師から連絡先を聞かれたり、2人きりの食事に誘われるようになったのですが、特別な感情はなく既婚だったこともあり、全てやんわりと断っていました。

しかし、そのことが医師のプライドをいたく傷つけたようで、ある日を境に態度が豹変し、当たりがとても強くなりました。


業務の報告をする際に「お前の話は聞きたくない、あっちへ行けよ」と追い払われたり、補助に入ろうとすると「お前は無能だから必要ない」と拒否されたりするようになり、仕事に支障が出るようになりました。

さらに、男女関係についてあることないことを病院内に吹聴され、同僚や上司からは誤解を受け、誤解を解こうにも話すら聞いてもらえなくなりました。噂も収まるどころかどんどんと大きくなる一方で、ストレスから身体を壊してしまい、結局退職に追い込まれました。

他にもまだある医師によるパワハラ・・・

体験談をいくつかご紹介しましたが、いかがでしょうか?

医師による看護師に対するパワハラには、

・本人に非がないのに理不尽な扱いをする(無視、恫喝、仕事から外す)
・同僚や上司の前で人格を否定したり、いわれない中傷をする
・相手によって待遇を使い分ける(いわゆるえこひいき)
・看護師の指示受けに応じない、雑な対応をする
・患者さんの前で無能な人間と罵る

といったものが目立ちます。

これらの行動自体も問題ですが、これに対して看護師が強く出ることができない労働環境にも大きな問題があると言えるでしょう。


医師からパワハラにあったらどうすればいい?



理不尽なパワハラに耐え忍びながら、患者さんのために日々の業務を続ける方は多いことでしょう。しかし、医師のパワハラに看護師が膝を折ることはありません。自分に正当性があると考えられるのであれば、毅然とした態度で意見を述べてみましょう。

医師のパワハラはその行為が「許されている」「抵抗されない」ということを前提に行われていることが多く、正しい意思のこもった言葉で反論されると気後れしてしまい、パワハラが改善されるケースもあります。


「自分の意見を言うなんて火に油だ!」なんて考える方もいらっしゃるかもしれませんが、医師の中には自分がパワハラをしているとはまったく自覚しておらず、反論されたことで始めて自分の非に気付く、という方も少なくありません。

自分が間違っていないという自信があるのであれば、まずは医師の言動や行動を冷静に受け止め、その上で自分の考えや意見を述べてみて下さい。


それでも状況が改善しない場合は、パワハラを受けている証拠を集めるなど、現実的な対応が必要となります。上司や院内の倫理委員会、パワハラ相談室、行政機関などに相談するにしても、証拠がなければ説得力がありません。

  • 暴力や暴言の記録を小まめにとったり、録音したりする
  • 他にパワハラを受けているスタッフと協力し、共通認識を持つ
  • 記録や証拠をもとに、師長に報告する
  • 必要に応じて、行政機関や法律事務所の利用も検討する

また、物を投げつける、殴るなどの暴力行為がひどい場合は、当然傷害罪になりますので、警察へ被害届を出すことも考慮すると良いでしょう。本当に出す、出さないは別にしても、医師に対する牽制にはなるはずです。

この記事のまとめ

  • 医師によるパワハラは、看護師に多大なダメージを与え、場合によっては退職にまで追い込む理不尽なもの
  • パワハラに対応するためには、まず自分の正当性を信じ、相手に冷静に対応できるよう心がける
  • パワハラがひどい場合は、行政機関や法律事務所、警察への相談を検討する



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