ツアーナースは団体旅行のツアーや修学旅行などに付き添い、参加者の健康管理や急病・ケガなどの応急処置を行なう看護師です。病院やクリニックの仕事とはひと味違うツアーナースは、「新鮮味がある」「やりがいがある」と看護師に人気になっています。
一般にはあまり知られていないツアーナースの仕事内容や給料、勤務条件などについて詳しくまとめてみました。
目次
ツアーナースとは
ツアーナースとは「ツアー(団体旅行・観光旅行)」に帯同する「ナース(看護師)」のことを指します。最も多いのは会社の社員旅行が修学旅行に同行する仕事ですが、スポーツ関連の合宿や小学校の林間学校などに付添いで参加することもあります。
主なツアーの種類は?
ツアーナースの求人で多いツアー内容は次のとおりです。
- 企業の社員旅行、研修旅行
- 学校の修学旅行、研修旅行
- 林間学校、自然学校、移動教室
- 登山、ハイキング、キャンプ
- スポーツ合宿、スポーツイベント ほか
これまでは社員旅行や修学旅行の仕事が主流でしたが、最近では高齢者グループの観光旅行や山登り、身体障害者の方の旅行添乗などの求人も増えています。国内だけでなく海外旅行に同行する仕事の求人もあり、ツアー内容は多岐にわたるといえるでしょう。
主な仕事内容は?
ツアーナースの主な仕事内容は、ツアー参加者の病気・ケガの応急処置や健康管理です。次に詳しい仕事内容を見ていきましょう。
参加者に対して
- 急病やケガの応急処置
- 健康管理と病気やケガの予防
- 健康状態の把握と健康相談の対応
- 体調不良への対応やアドバイス
- 持病のある人に対するケア など
日頃は健康な人でも慣れない土地に出掛けると、思いがけない病気やケガが起こることもあります。長時間にわたり列車やバスに乗ったり、いつもと違う食事をしたりすることで体調不良になる人もいるでしょう。そうした参加者の健康管理をしたり、急な病気やケガの処置をするのもツアーナースの仕事です。
参加者が児童の場合は、発熱や腹痛、ケガなどが起こりやすいものです。高齢者の場合は持病があったり、足腰の痛みや疲れが起こりやすいこともあります。ツアーナースは同行するツアーの参加者に合わせた健康管理や看護が必要となってきます。
ツアーナースになる条件は?
ツアーナースの仕事をするには、看護師(准看護師・保健士等)の資格があることが条件です。その他の資格は特に必要ではありませんが、できれば病院・クリニックなどでの臨床経験があれば尚良いでしょう。
参加者が児童のツアーでは小児科の看護知識、高齢者ツアーでは年齢に応じた看護の知識があれば就活にプラスになります。
ほかにはツアー参加者や添乗スタッフとの円滑なコミュニケーションができる能力、ツアースタッフの一員としてのホスピタリティも不可欠です。そして何より、ツアーを通して業務を遂行できる体力や健康力が求められることを付け加えておきます。
ツアーナースの給料、勤務条件
ツアーナースの給料は?
ツアーナースの給料は「日給制」が主流です。日給とは1日に支払われる給与で、日単位で○○円というように表現されます。1日といっても24時間働くわけではなく、所定の労働時間が決められているので心配はありません。
ただし、ツアー中の場合は時間を問わず、急病やケガがあれば対応しなければならない状況も出てきます。フルに24時間働く必要はないものの、ある程度フレキシブルな働き方が必要ということは知っておきましょう。
標準的なツアーナースの日給は1万2000円~1万7000円程度です。金額に幅があるのは雇用者(企業や会社)側の方針、雇用される看護師の実績や能力、ツアーの内容の違いなどによるものです。ツアーの種類によっては深夜早朝手当や前泊・後泊手当などの諸手当が付く場合もあります。
ツアーナースの勤務条件は?
ツアーナースの勤務時間は求人でも明記されていないことが多いようです。これは明確な勤務時間が提示できにくいツアーナースならではの特徴かもしれません。勤務時間が明記されている求人例としては、朝8時から夜20時までといった表記が見られます。
ただし、夜中の急病などがあれば対応する必要があるため、勤務時間を厳密に守るというのはむずかしいかもしれません。
ツアーナースの仕事は、求人募集などを見ても勤務時間が分かりにくいという問題があります。求人先を検討するうえで明確な勤務条件を知りたいという場合は、個人で求人先に問い合わせるのではなく、看護師の求人に詳しい求人サイトや転職サイトを利用すると便利です。
ツアーナースのメリット・デメリット
メリット
・さまざまな場所に行ける
小中高校の修学旅行、企業の社員旅行、スポーツ合宿など、多岐にわたるツアーに参加できます。観光地だけでなくレアな場所を見学できる場合もあるとのことです。
・気分がリフレッシュできる
勤務先が一定ではないため、マンネリになることが少なくて済みます。歴史的な観光地を見られたり、美しい自然に触れることもできます。
・人間関係のトラブルが少ない
病院にありがちな人間関係のトラブルが少ないというメリットがあります。上司や先輩などの存在がないというのも人気の理由でしょう。
・患者を相手にする仕事ではない
重い疾患を抱えた患者をケアする仕事ではないので、プレッシャーが少ないというナースもいます。
デメリット
・収入が一定していない
単発、短期間の仕事が多いため、収入が一定しにくいという面があります。安定した収入を望む場合は適していないかもしれません。
・いざというときの責任が重い
ツアー中に著しい病気や大ケガが発生した場合、自分一人で判断しなければならないケースもあります。近隣に医療機関がない場所で急病やケガが起こると責任が重いと感じるナースもいるようです。
・看護業務以外の役割もある
すべてのツアーではありませんが、看護業務以外の役割を求められる場合もあります。児童のお世話や遊び相手になったり、参加者の話相手になるなどの業務が必要になるケースも見られます。
ツアーナースに限らず、どのような仕事でもメリット・デメリットはあるものです。どんな点に注目して仕事を選ぶかは自分の考え方次第といえるでしょう。旅が好きで人とコミュニケーションを取ることが得意な人はツアーナースに向いています。子供好きな人や高齢者の役に立ちたいと考えている人なら、ツアーナースに挑戦してみてはどうでしょうか。
ツアーナースの求人先、選び方の注意点とは?
ツアーナースの仕事は小学校の自然学級から企業の研修旅行、高齢者の観光旅行まで多種多様です。最近ではエステやアロマセラピー体験を組み入れた美容や健康ツアーなどがある一方、細かい心づかいが要求される中高年の登山ツアーや障害者の方の旅行に同行するというツアーなども増えています。
どのようなツアーでも看護のプロとして仕事に徹するというタイプの人なら問題はありませんが、苦手分野のツアーの仕事で後悔したというナースもいますので注意が必要です。求人先を選ぶ場合は、自分の希望に合っているか否かをよく検討するようにしましょう。
ツアーナースの仕事は季節や地域によって求人数に差があります。観光旅行などのツアー求人は人気があって競争率が高いという問題もあります。自分に合った求人をいち早く探すには、看護師専門の転職サイトを利用すると大変便利です。
事前登録を行なって担当者に条件を伝えておくと、優良な情報を早めに知ることができるというメリットもあります。
- 修学旅行や観光旅行の同行する仕事が多い
- 夏休みキャンプやスポーツ合宿の付添いもあり
- 主な仕事は急病やケガの応急処置と健康管理
- 給料は日給制が主流で諸手当も付く
- 旅行好きでコミュニケーション力のある人にオススメ
- 人気求人は競争率が高いので情報は早めにゲットしよう
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