看護師転職サイトのメリットとデメリット

看護師が転職活動をしていると、よく耳にすることになるのが看護師転職サイトです。看護師転職サイトを活用することで転職に成功したという方がいる一方、おかげでヒドイ目にあったという方もいます。

看護師転職サイトは、本当に看護師にとって味方になる存在なのでしょうか？

結論から言うと、看護師転職サイトには良い面と悪い面があり、使い方次第だったりします。ここでは、看護師転職サイトのメリットとデメリットについて紹介します。

1 そもそも看護師転職サイトって何？
- 1.1 ネットの求人情報サイトには２種類ある
- 1.2 看護師転職サイトで多いのは、転職エージェント型
2 看護師転職サイトのメリットは何？
3 看護師転職サイトのデメリットは？
4 看護師転職サイトは上手に活用しよう！
- 4.1 転職サイトは一つの手段と割り切る
- 4.2 転職サイトの登録数は３つに留める

そもそも看護師転職サイトって何？

先ほどから、看護師転職サイトという言葉を何気なく使っていますが、そもそも転職サイトって何でしょうか？ここで簡単におさらいをしておきます。

ネットの求人情報サイトには２種類ある

ネットの求人情報サイトには、２種類あるのをご存じでしょうか？下記の表をご覧ください。

	情報提供型	転職エージェント型
利用料	無料	無料
求人情報	あり	あり
転職サポート	なし	あり
求人数	非常に多い	多い
非公開求人	なし	あり
メリット	気軽に申し込める	転職先との交渉をお願いできる

上の表は、求人情報サイトを２つのタイプに分けた表です。左側の情報提供型は、フロムエーやanなどバイト情報サイトでおなじみのパターンです。

求人情報は色々載っているけど、バイト先との面接調整などは全部自分で行います。バイトの求人活動のサポートもありません。ただ、気楽に申し込むことはできます。

一方、転職エージェント型は、この情報提供型に担当エージェントによる転職支援サービスが付くタイプです。求人情報もサイトで提供されていますが、登録者には一人ずつ担当エージェントがついて転職支援サポートをしてくれます。

履歴書のチェックのほか、転職先との面接の調整、給与の交渉などもしてくれます。

看護師転職サイトで多いのは、転職エージェント型

では、看護師転職サイトは上の「情報提供型」と「転職エージェント型」のどちらが多いのでしょうか？実は圧倒的に転職エージェント型です。

ですので、もし転職サイトに登録をしたら、かなりの高確率で担当エージェントがつくと思って間違いないです。

ちなみに看護師転職サイトのほとんどは、看護師専門の転職支援会社が運営しています。以下で看護師転職サイトの詳しい説明をしますが、これらは全て「転職エージェント型」のサイトであるとご理解ください。

なお、看護師求人サイトにも「情報提供型」のサイトもあります。それは単発バイトの場合で、フロムエーやanなどで掲載されています。

ですので、単発のお仕事だけしたいという方は、看護師転職サイトに頼らなくてもよいかもしれません。また、ハローワークもこの「情報提供型」です。最低限の情報提供はしますが、転職サポートなどは行わないためです。

看護師転職サイトのメリットは何？

看護師転職サイトを活用すると、どんな便利な点があるのでしょうか？ここでは、看護師転職サイトのメリットについて紹介します。

履歴書の書き方、面接対策などの指導をしてもらえる

一部の方を除いて、転職活動に慣れている看護師は多くありません。まして、初めて転職活動をする看護師からすれば、履歴書の書き方や面接など、分からない事だらけでしょう。

こうした転職活動のイロハを無料で指導してもらえるのが、転職サイトを活用する大きな利点です。

たとえば履歴書を書くにしても、自己流で書くのか転職エージェントのアドバイスに沿って書くのかで相当違ってきます。もちろん、人気のない転職先であれば履歴書の書き方など影響はないでしょう。

ですが、人気の転職先の場合は、こうした細かい部分で採用かどうかの分かれ目になることがあります。

また、転職活動で何か分からないことがあった時に、気軽に聞ける方がいるのも大きいです。

＜関連記事＞
・看護師の転職活動、面接対策のＮＧマナーは？

キャリア相談など、第三者の立場からアドバイスをもらえる

どこに転職するかはもちろん大事ですが、それと同じ位に大事なのが、「将来自分がどんな看護師になりたいのか」というイメージと実際の転職先がどの程度マッチしているか、です。

一見すると当たり前の話に聞こえますが、転職先の情報を色々見ていると舞い上がってしまって、自分のキャリアプランとは関係のない転職先を（よく考えずに）選んでしまう、というケースを時々見かけます。

上のような形で選んだ転職先は、かなりの確率で長続きしません。つまり転職に失敗するパターンです。こうならないためにも、第三者の立場からの冷静なアドバイスが大事になってきます。

また、将来自分がどんな方向に進めばいいのかと悩んでいる方も、転職エージェントと会話をすることで見えてくるものがあるかもしれません。

ちなみに、転職アドバイスというと、友人や親にしてもらう場合もあると思います。こうしたアドバイスが有益なアドバイスもありますが、どうしても友人や身内だと偏見が入ってしまいます。

さらに友人や親は、看護師求人業界の最新事情までは知らないでしょうから、やはり転職エージェントの相談の方がよいと思います。

非公開の求人情報を入手できる

看護師の求人情報が、すべて一般に公開されているとは限りません。中には、特定の転職サイトにしか登録されていない求人情報もあります。

非公開情報にも２パターンあり、その転職サイトに登録すれば見られる場合と、一部の看護師のみ転職エージェントから教えてもらえる場合です。

非公開の求人先は、たいていは人気の病院か企業で、どちらも好条件です。つまり応募が殺到しそうな求人です。

ところで、なぜ求人先はこうした人気の求人情報を非公開にするのでしょうか。それは、こうした求人をオープンにすると募集が殺到して求人先として収集がつかなくなるため、転職会社の方である程度選別してもらいたいと考えているためです。

ですので、こうした非公開の求人情報が登録した看護師全員に行きわたる保証はないです。とはいえ登録していないと、その情報にアクセスさえできないので、転職サイトに登録するメリットは大きいと言えます。

転職先との色々な調整を行ってくれる

転職活動で特に面倒なのが、転職先との条件交渉です。面接の最中にお給料のことを聞くのは少し無礼に思えるし、まして給与や休みなど勤務条件について交渉できる方は、かなり少数派でしょう。

その一方で、転職会社を使わずに自力で転職活動をする人は、勤務条件についてあいまいなまま就職してしまい、後で「事前に聞いていた話と違っていた」なんてトラブルが非常に多いです。

転職エージェントを仲介させることで、こうした面倒やトラブルを避けることができます。給与や休みの勤務条件に不満があれば、転職エージェントが事前に転職先と交渉してくれます。

また、お互いに合意できた条件については合意書を用意してもらえるので、自分一人で転職した時のように事前の（口頭の）条件をうやむやにされることもありません。

＜看護師転職サイトのメリット・まとめ＞

履歴書の書き方・面接などのチェックをしてもらえる
今後のキャリアについて相談できる
非公開の求人情報が手に入る
転職先との交渉や調整を代わりに行ってくれる

あと、看護師転職サイトのメリットとして「転職支援金」をもらえることを挙げる方もいますが、これは必ずしもメリットとは言えません。詳しくは下記をご覧ください。

＜関連記事＞
・看護師の転職支援金・祝い金がオススメできない３つの理由

看護師転職サイトのデメリットは？

ここまで、看護師転職サイトのメリットを紹介してきました。ですが、看護師求人サイトもメリットばかりではありません。

それなりのデメリットもありますし、使い方（や選び方）を間違えると、かえって転職活動を不利にしてしまうことにもなりかねません。

以下では、看護師転職サイトのデメリットを見ていきます。

転職支援に弱い地域もある（全国一律対応ではない）

看護師の転職先である病院は、北は北海道から南は沖縄まで全国にあります。ということは、（よほど僻地を除いて）看護師は全国どこにでも転職できるということです。

ところが、看護師の転職支援サービスは決して全国一律ということではなく、地域によっては弱い所もあります。

これは、看護師の数が全国でも一定の地域に偏っているためです。具体的には、関東や東海・関西は看護師の数が多く、転職支援のサポートも手厚いです。

逆に、九州や四国は、満足のいくサービスを受けられない可能性はあります。もちろん、それでも念のために転職サイトに登録するのはアリだと思いますが、こうした地方の場合はむしろハローワークの方が頼りになる場合もあります。

＜関連記事＞
・看護師転職サイトとハローワークのメリットを比較しました

転職支援会社選びを間違えると、とにかく大変

看護師転職サイト（また、それを運営する転職支援会社）と一口にいっても実に沢山の数があり、上場企業から中小企業、さらに今年にはいってサービスを始めたばかりの会社など、さまざまです。

当然、会社によってサポートの質はさまざまで、誠実で頼りになる会社もあれば、とてもいい加減な会社もあります。

看護師の転職活動で転職支援会社を活用した人の中で、ひどい目にあったと感想を述べる方がいます。そうした方のほとんどが、いい加減な会社（看護師転職サイト）を利用したことが原因です。

転職支援会社を活用する場合は、どの転職サイトにするかが特に大事なので、このページの下で紹介している「看護師転職サイトの人気ランキング」を是非参考にしてください。

電話がしつこく掛かってくることがある

これも、悪質な転職サイト（もしくは悪質な担当者）に関わった時にありがちな話です。こちらの希望に沿った提案ならまだしも、こちらが断った転職先をしつこく何度も電話で薦めてきたり、こちらが希望しない時間帯に無遠慮に電話してきます。

ところで、なぜこんなにしつこい担当者がいるのでしょうか？実は転職支援会社の収益は、看護師を転職先に紹介して実際に転職が決まった際に発生します。

ですので、転職支援会社からすると、単に登録してもらうだけではダメで、実際に転職してもらわないと利益が出ません。

そうはいっても、大抵の担当者は看護師にしつこく薦めても逆効果ということを知っています。ところが、一部の（頭の足りない）担当者は、こちらの意向を無視してドンドン電話をかけてきます。

これが、転職会社全体の悪評につながっている部分があります。

自分の希望に合ってない転職先をごり押しされることがある

たとえば担当エージェントに転職希望先として、月の夜勤回数が３～４回の病棟を希望したとします。

ところが、やたら薦めてくるのは、月の夜勤回数が10回以上の病院や、（夜勤のない）有料老人ホームだったと、こちらの希望を無視した提案をしてくる担当者がいます。

断っても何度も提案してくるだけでも感じが悪いのに、中には逆ギレして説教してくる担当エージェントまでいます。

「ほかの転職先は絶対にムリ」とか「そんなことでは、いつまでも転職できない」など、社会人として発言をしてくる担当者も少数ですがいます。こんな担当者に相談してる看護師が気分を害するのは、当然のことです。

＜関連記事＞
・看護師の転職体験談(40)：手術室看護師から未経験ＯＫの透析クリニックへ転職

電話の件にしろ、こちらの希望を無視した提案にしろ、こうした悪質な担当エージェントは、中小の転職支援会社に圧倒的に多いです。ですので、看護師の転職支援会社を選ぶなら、大手の会社に限定した方が無難でしょう。

＜看護師転職サイトのデメリット・まとめ＞

サポートの弱い地域もある
転職会社選びを間違えると、あとで苦労する
やたらしつこい転職エージェントがいる
こちらの希望を無視した転職先をごり押しされることがある

看護師転職サイトは上手に活用しよう！

上でも書いた通り、看護師転職サイトはメリットも多いですが、場合によってはデメリットもそれなりにあります。そこで、改めて転職サイトを活用する上での注意点について以下で説明します。

転職サイトは一つの手段と割り切る

看護師が転職先を見つける方法はいくつもあります。転職サイト以外にも、病院の募集に直接応募する方法もありますし、友達の紹介もありますし、ハローワークもあります。

上でも説明した通り、転職サイトを活用するメリットは大きいですが、転職手段を転職サイトに限定する必要はありません。

特に、地方で転職活動をする方は、転職会社よりもハローワークやナースバンクの方が頼りになるケースもありえますので、一緒に登録した方がいいかもしれません。

逆に、世の中には転職支援会社を毛嫌いする方もいます。「民間の会社は信用できない」とか「金儲けのためにやってるだけ」というような理由ですが、これはもったいないです。

というのも、看護師の転職支援会社を通じて、転職に成功した看護師も沢山いるからです。

いくつもの転職手段を活用して、自分のフィーリングに一番マッチしたものを選ぶようにして下さい。

転職サイトの登録数は３つに留める

看護師転職サイトはメリットが大きいですが、かといって沢山登録するのも考え物です。きちんとした転職会社なら、担当エージェントとの対応にそれなりに時間がかかるため、登録サイト数を増やすと余計に時間を取られます。

せいぜい、３社（３サイト）に留めるとよいでしょう。

「それなら、いっそのこと１サイトでよいのでは？」と思う方もいるかもしれません。ですが、それも止めた方がいいでしょう。

大手の転職支援会社であれば、信頼できる担当者がほとんどですが、それでもあなたと相性が合うとは限らないからです。

もし１社しか登録してなければ、あなたの意にそぐわない転職先を薦められるかもしれませんが、３社に登録していれば、提案内容を見比べることもできます。

登録するなら、３サイトに登録するとよいでしょう。オススメの看護師転職サイトは下記を参考にしてください。