看護師の転職体験談(47):残業の日々から脱出!結婚を機に訪問看護に転職

(滋賀県 20代後半・女性)


転職前はどんな仕事をしていたか


(写真はイメージです)


大学の看護学部を卒業後、大学病院の内科病棟で5年間勤務していました。

もともと、学生時代から地域での看護、在宅看護に興味があったため、できる限りいろいろと経験を積んで次のステップにスムーズに進めるようにと、教育体制が整っていて、なおかつ進学・資格取得などの選択肢も多いところで就職先を選びました。


病棟は混合病棟で、主に内科の疾患の方をみる病棟だったのですが、脳神経や腎・代謝と3つの診療科が混ざった病棟であったため、生活習慣病の教育入院から重症の脳梗塞の方や難病の方など、ありとあらゆる疾患・年代の方が来られるところでした。

勤務は2交代制で、夜勤は月4回、年収は手取りで350〜400万円ほどで、賞与も年2回あり、特に待遇面においても何の不満もなく働いていました。


なぜ転職しようと思ったか

当時勤めていたところは大学病院というだけあり、病棟スタッフの半数以上が20代の看護師でした。病棟はほぼ常時満床…そのうえ勉強会や研修は定期的に行われ、強制参加ではないものの、ほぼみんな残業してでも参加するという、「ハードワークは当たり前」という環境でした。

診療科の特性上、入院される患者さんの層も日常生活動作に介助が必要な方ばかりだったため、みんな日々の業務と、大学病院ならではの各種の勉強会、看護研究、新人指導にと、経験年数に沿って与えられる課題をこなすので必死な日々を送っていました。


それでも、病棟を率いる師長も意識が高くスタッフ全体も向上心がとても高い環境でした。多忙な中でも患者・家族の方への指導はもちろん、後輩への指導も時間をかけてしっかり行うところだったため、一人一人の看護師が、しっかりと基本的な考え方や疾患・治療の知識などを身につけることができていました。
 
ただ、その分残業がかなり多く、プリセプターをする3年目は月40時間超にまでなっていました。その上、経験年数を重ねるほどに任される仕事、特に病棟での看護に直接関係のないような委員会活動やチーム会・研究会なども増えるものの、超過勤務の申請は病棟目標を達成できるよう19時以降の残業は認められず、みんなのモチベーションは経験年数と反比例して下がっていきました。


そのため、真剣に看護のことを考えて実践しようとすればするほど「早く帰りなさい(超過勤務を減らしなさい)。業務時間内でできる程度に収めなさい。」という上からのプレッシャーがあり、もっとちゃんと看護したいと思いながらも実際にはできないことの多さに葛藤を抱き、次第に諦めまで感じるようになっていきました。

そうして転職を決意したのは、結婚が決まったと同時に病院から離れたところへ引越すことになった時でした。5年間の勤務の中で様々な経験を重ねた結果、やはり「私はもっとゆっくりと時間をかけ、一人ひとり、その方に合った看護をしたい」という思いが強くなり、訪問看護の道に進みたい気持ちが高まっていました。


その頃には睡眠障害と体調不良も続いており、結婚を控えて「このままの生活を続けていては、女性としての将来も、看護師として働き続けることもできなくなる…」という危機感が募っていました。そうして退職することを決め、夜勤がなく、もっとワークライフバランスがしっかり取れた仕事に変えよう!と転職する決心をしました。


どんな転職活動をしたか

自分ひとりでは何から始めたらよいものかわからず、とりあえず看護師の転職サイトに登録し希望にあうところを絞って探してもらいました。

ただ、訪問看護という分野は情報が少なかったのか、担当者の方からは参考になるような情報はなかなか得られず、あまり思うようにスムーズには進みませんでした。かといって、他に相談できる人も周りにおらず、自分でネット検索をしてもほとんど何の情報も得られないような状況でした。


最終的に今の職場と出会ったのは先輩の紹介からで、周りの知人や出会った人に「訪問看護がしたい、こんな看護がしたいんです。どこに行けばいいですか?」と発信し続けていたことからできた繋がりでした。

そうして「訪問看護を学びたいなら、この人を置いて他にいないよ。試しに一度会って聞いてみたらどう?修行させてもらえるかもしれないよ。」と、実際に現役の在宅医をされている方から直接紹介して頂き、そのまま職場見学・同行訪問を経て少しずつその場に慣れていき、プライベートが落ち着いた段階で今の職場に正式に就職することとなりました。


転職後の職場の様子、感想

転職先に選んだ訪問看護ステーションは、開設して間もない小規模なところではありましたが、それだけにアットホームな雰囲気で和気あいあいとしています。「いつでも誰でも気軽にどうぞ♡」と、地域の誰にでも開かれたところで、いい意味で気安く入れて馴染みやすい、居心地のよいところでした。

”ランチタイムがカンファレンスの時間”というくらい、驚くほどスタッフ間のコミュニケーションが活発で、常に利用者さんや看護の話に自然になっており、その向上心の高さとスタッフひとりひとりの人間性、そしてブレない看護観に、就職してさらに惚れ込んでしまいました。

ちなみに、転職時の給与や福利厚生の待遇は明快で、公立病院と同じに設定されていました。はじめの3ヶ月間は研修期間として、基本給のみの手取り18万円ほどの月給ですが、それ以降は超過勤務や休日出勤などで頑張った時間分は必ず給与に反映してもらえるようになっています。


大学病院で夜勤もしていた頃と比べると、手取り額は数千円〜1万円ほど少なくはなりましたが、超過勤務はかなり忙しいときでも月15時間ほど、逆に訪問がない時間は家に帰っても何をしててもOK、と自由度が高いため拘束されている感覚がほとんどありません。その自由さは私にとって給与には変えられないもので、そんな今の職場の環境にとても満足しています。

また、まだ新婚であることにも配慮して頂き、訪問先の方から頂いたお菓子やとれたての野菜や果物、大ベテランの先輩看護師お手製の煮物などまで毎日のようにおすそ分けをもらい、家に帰ってからの家事を少しでも減らせるようにと、家庭と仕事の両立の大変さをよく知る先輩たちならではの温かい心遣いが嬉しく、子供ができても安心して長く働ける職場だと思います。


休み希望もほとんどすんなり通り、みんなが「代わりに訪問するからお休み楽しんどいで。」と当たり前のように言いあう職場なので、余計なストレスもなく休日も出勤の日もどちらも楽しく過ごせています。

大学病院にいた頃は想像もできなかったような環境ですが、こうしてスタッフ同士で支え合い、お互いの持ち味を生かして切磋琢磨しながらより良い仕事ができる、こんなに素晴らしい環境があったのか、と日々転職して本当によかったという思いでいっぱいです。


これから転職する方へのアドバイス

転職活動を初めてやってみて、私にとって最も時間がかかったのは『この先自分はどんなライフスタイルを送りたいのか、どんな看護がしたいか、そのためにはどんな環境にいけばよいのか』をはっきりとさせることでした。

漠然と理想の職場を探すだけでは砂漠で「年収がこれくらいもらえて、休みが多くて…」と、自分にとっておいしい条件の多いところから探していては余計に迷うばかりで、結局私のように転職サイトの担当者の方を困らせるだけで時間ばかりかかる結果になってしまうと思います。
 

また、自分ひとりで転職活動をしてみると、自分の考えや希望を他者にしっかりと主張しなければならない場面が何度もありました。いざ転職活動を始めてみて初めて、自分がいかに今までは大きな組織に守られていたかということや、恵まれた就業環境のなか何一つ自分の主張で得たものではなかったということ、そして、単純なことのようで自分の考えを主張することー他人と交渉するということの難しさを痛感しました。

これから転職をしようと考えている方には、そうした苦労をできるだけ少なくして理想の転職先を見つけてほしいと思います。

そのためにも、看護師としてこれからも長くやりがいを感じる仕事をしていこうと思うのであれば、まず自分の行きたい進路だけでなく、その詳細をできるだけ具体的にイメージし、今の自分と今いる職場に何が足りないか、そして今後のために転職先に何を求めるのかをじっくり考えてから転職先を探してみることをまずお勧めします。
 
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