看護師の転職体験談(32):総合病院から訪問看護ステーションへの転職

(神奈川県、20代、女性)

転職前はどんな仕事をしていたか



看護専門学校卒業後は大学病院で3年間働き結を機に1度退職、その後総合病院の一般病棟で働きました。

この一般病棟は、整形外科・消化器外科・皮膚科・呼吸器内科・一般内科の兼科病棟で、日によっては外部からの医師が中心になって動くといったようなシステムでした。

当時は、月10日前後の日勤、週1回の夜勤、月8日前後の休日で年収は420万程度でした。残業は夜勤ではほとんどなく、日勤の際に1時間あるかないか、月に換算すると5時間程度でした。


総合病院だけあり、働いているスタッフの年齢層は医師・看護師ともに高く、看護師では当時20代が3人、30~50代がほとんであり、医師も50~60代が多かったです。

なぜ転職しようと思ったか

以前働いていた大学病院に比べると夜勤や残業も少なく、自宅からも近く働きやすい環境ではあったのですが、夜勤をできる看護師が限られており(子供がいて夜は働けない、50代の方は体力的に元々日勤のみの希望など)、妊娠しても産休まで夜勤を続けるスタッフもいました。


もちろん、本人が承諾しているのであれば何の問題もないとは思いますが、夜勤は人数も少ないうえに体交などの力仕事も多く、さらには16時から翌日9時までの長時間勤務であり、妊婦への影響はもちろん、ほかのスタッフへの影響も少なからずあるように感じていました。


そんな中私の妊娠が分かりました。初めての妊娠でもあり不安も多く、また体力的にもすぐにきつくなってしまったので、妊娠4か月の頃に師長に日勤のみの勤務に変更してほしいと申し出ました。

しかし、夜勤をできるスタッフが限られていたことと、過去には産休まで夜勤を続けるスタッフもいたのだから頑張ってほしいと言われ、渋々了承し妊娠6か月まで夜勤も続けていました。


しかしなかなか納得がいかず、ほかの病院で働く看護師の友人にこのことを相談したところ、「本人が希望しているならともかくできないと言っている妊婦に対してその対応はおかしい。何かあってからでは遅い。

赤ちゃんを守れるのは自分だけ」と言われ、自分自身もそう思い再度日勤のみの勤務希望を申し出ました。しかし前回同様断られたので、自分の身体を優先し退職することにしました。

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どんな転職活動をしたか

妊娠・出産を機に1度退職したので、産後1年経った頃インターネットと地元の求人情報誌で一から看護師求人の検索をかけました。

今回は、正社員・パートなどには特にこだわりはなく、子供がいるという点で日勤のみの勤務でも可能であり、とにかく時間できちんと帰れるところ、ママさんナースが多く理解が得られるところ、託児所の有無や保育園からの距離など、様々な点で前回とは全く違う視点で探していました。最優先すべきは子供のことでした。


ハローワークにも登録し、そこでは主に託児所のある職場を中心に探しました。 また、実際に出産をした看護師の友人に現在の職場環境や復帰状況などの意見も聞き、どのような職場が良いか情報収集をしました。


そこで私が最初に見つけたのは、偶然通りすがりに発見した近所のデイサービスでした。ここは自宅からも近く、保育園が目の前にあったので、働くには便利な場所であると思いました。

実際に看護師の求人があるか、インターネットで調べたところ募集があったので、その日のうちに連絡し後日面談となりました。
 

面談では、一人看護師が辞める予定なのでそこを埋めてほしいという内容でした。しかし、元々勤務されていた方が週2回の午前中勤務であり、その時間だけでいいとのことでした。

保育園に預けることも考えた場合(目の前の保育園では一時保育はなかったので)、週2回午前中だけの勤務ではお小遣い程度の収入しか見込めず、経済面の心配もあったので辞退することにしました。


そして、新聞の求人広告で訪問看護の募集を見つけました。場所は自宅から4駅でしたが、自宅の近所の保育園に子供を預けることができれば通勤も問題ないといった感じでした。そのため、早速電話をして面談をしました。

その訪問看護ステーションは、デイケアを併設しておりスタッフは訪問看護を行ったりデイケアを担当する場合もあるといったところでした(もちろん希望で単体のみの勤務が可能でした)。


また、訪問看護のスタッフほとんどがママさんナースであり、最初は同行で先輩に同行するかたちですが、自立すれば自分の担当患者のみ担当の時間だけ勤務するといった勤務体系でした。

そのため、午前中勤務のみのスタッフもいれば1日フルで訪問するスタッフもいる、また担当患者だけで良いので週1~の勤務でも何の問題もないといった感じでした。


さらに、訪問した分だけお給料になるという完全歩合制。1件の訪問につき2000~4000円のお給料でした。そのため、自分で月にどのくらい稼ぎたいかをあらかじめ明示すれば、それに応じた訪問件数を勤務に組み込むといった感じでした。

お給料面はもちろん、自分の好きな時間・好きな日数を希望でき、さらに自宅からもさほど遠くなく、新しい分野への挑戦、ということもあり、この訪問看護ステーションで働こうと決めました。


しかし、そのタイミングでたまたま大学病院時代お世話になった先輩から、「今訪問看護で働いているのだけど、うちで働いてみないか」といった内容の連絡がありました。

正直、前述したステーション(以下A)より自宅から場所は遠く、気持ちはすでにAに傾いていたので断ろうかとも思いましたが、念のため面接だけ行ってみることにしました。


紹介されたステーション(以下B)は勤務体系・給料面・仕事内容はAとほとんど変わりはありませんでした。

しかし、実際に面接に行った際、所長の看護観・看護師のあり方などの話にかなり共感する部分があり、さらに決定的だったのは「看護師の代わりはいても母親の代わりはいない。だから母親であることを最優先してほしい」と言ってくださったことでした。


もちろんAでも、ママさんナースも多いから理解は得られると言われましたが、直感的にAよりBのほうが自分に合っている、子供を最優先できると感じ、Aは辞退しBで働くことにしました。

転職後の職場の様子、感想

元々信頼していた先輩からの紹介ということもあり、働くスタッフは本当に全員いい人でかなり恵まれていたと思います。また、全員がママさんナース。

子供が熱を出し急に休まなくてはいけなくなったときも、「子供が小さいときはしょうがないよね。みんな通る道。誰かがカバーしてなんとかするから大丈夫」と、温かい声をかけてもらえ、本当に何度も助けられました。


勤務もはじめは、週3日から開始し、慣れた頃週4日の勤務にしてもらいました。時間は9時半からの訪問で1日3件、15時半には最後の訪問が終了し、その後記録さえ終わればすぐに帰れるといった状況でした。

しかし、訪問看護は患者一人につき一人の看護師が自宅に訪問するというかたちなので、現場ではすべて一人で行わなければなりません。当然責任や重圧がのしかかります。訪問してから、このような場合どう対応すればいいのか、この症状は緊急を要するのか様子見でいいのかなど、看護師としてのスキルや知識も問われます。


その分、看護師としての自覚も強くなりますが、不安なことも多くありました。もちろん、自分では判断できないときはステーションや所長に電話連絡して指示を仰ぐことが可能です。


初めての分野ということもあり書類面やケアワーカーとの取り次ぎに失敗することもありましたが、患者さんとの時間を大事にでき、また家族との関わり方や他職種との連携の図り方など改めて勉強することができ、地域に密着した看護というものを経験することができました。 

お給料は、働くときに月12万前後の希望を出していたので、上記の勤務で12万前後の収入となっていました。

これから転職する人へのアドバイス

妊娠・出産を機に転職を考えている人も多いかと思います。転職前のように、子供がいなかったときに働いていた環境で同じように同じような時間を働くには、条件としては厳しい職場も多くあるかと思います。そのため、個人的にはやはりママさんナースが多い職場は一番理解が得やすく精神的に働きやすい場所だと思います。


私は、訪問看護で働くことで自分の好きな時間に自分の働きたい日数を働くことができたので、子供との時間にも余裕が持て転職してよかったと思っています。また、自分の看護師としての知識や技術も問われるので、いい緊張感を持って働くことができました。

もちろん子供が生まれても正社員でバリバリ働きたいという方もいると思いますが、もし、少し時間に余裕を持ちながら地域看護に興味があり、自分の知識や技術を試してみたいという方がいらっしゃれば、私は訪問看護をお勧めします。

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