看護師の転職でベストのタイミングは？

転職は、人生のなかでも決して小さな出来事ではありません。せっかくの機会を最大限に生かして「転職して良かった」と思えるように、その準備はしっかりしたいものです。

転職先の選択が大切なのはもちろんですが、その時期、タイミングも重要です。看護師が転職するならどの時期がベストなのか、転職を希望するタイミングや注意点と合わせて、見ていきましょう。

1 看護師の転職に適した時期がある
- 1.1 看護師求人が増える時期
- 1.2 ボーナスを無駄にしない時期
2 看護師から見た転職のタイミング
3 転職のタイミングについての注意点
- 3.1 転職活動に必要な時間を考える
- 3.2 円満退職を目指す

看護師の転職に適した時期がある

転職理由によっては時期を選べない場合がありますが、特に「今辞めなければならない」という事情がなく時期を自分で決められる場合には、「転職に適したタイミング」を選ぶことをおすすめします。

そのタイミングとは、看護師求人が増加する2つの時期、そしてボーナスの受給を考慮した2つの時期の、年に4回のタイミングです。

看護師求人が増える時期

看護師の転職は売り手市場であるとはいえ、1年間を通して同じ量の求人が出続けているわけではありません。企業を対象に実施したアンケートの結果から、転職求人数が多くなるのは、年度末である3～4月、半期末である9～10月であることが分かっています。

3～4月の年度の変わり目に中途採用を行うことで、新卒社員と一緒に研修、教育を行うことができます。また決算時の予算を採用に投資しやすい、という背景もあります。

年度末、半期末は退職者や異動が多い時期であり、その動きに合わせて効率よく人材を確保したいこと、期ごとの事業計画に合わせた人材補充を行うタイミングであることも、求人増の理由となっています。

看護師にとって選択肢の幅が広がるだけでなく、なかなか求人を出さない施設でも募集をかけている可能性があり、より良い転職先を見つけられるチャンスです。

企業側が目標人員数の確保を重視するため、他の時期であれば採用されなかったような人気の求人先に入職できるかもしれません。内容のいい求人は人気が高く早く決まってしまうことが多いため、タイミングを逃さずに活動することが大切です。

ピークとは外れますが、4月入職の看護師が職場への不満から退職する5～6月、配偶者の転勤や子供の受験に合わせた引越しが増える2～3月にも、求人が増加する傾向があります。

ボーナスを無駄にしない時期

「ボーナスをもらってから転職しよう」と考える社会人は少なくないと思います。給料数か月分を一度にもらえるボーナスの有無によって、年収は何十万円も違ってきます。タイミングを合わせられるのであれば、せっかくの制度を生かさない手はないでしょう。

このような背景から、ボーナス支給後である7月以降、12月以降が、転職に良いタイミングとして挙げられます。

ただし、ボーナス支給額に関する規定は病院によって違います。なかには支給日前に転職の意志を伝えてしまうとボーナスが減額されたり、全くもらえないというところもあります。自分の職場の支給規定について、あらかじめ確認しておく必要があります。

看護師から見た転職のタイミング

結婚、出産、配偶者の転勤など

人生には結婚、出産や介護など、様々な「ライフステージの変化」があります。女性の仕事はこれらの変化に大きく影響され、看護師の転職理由としてもこれらのタイミングが多く見られます。結婚や出産はやむを得ない事情であり、退職はよりスムーズに進むでしょう。

出産・育児では多くの場合、1年～数年の休職期間をとることになります。その後同じ職場に復職するという方法もありますが、転職をして「心機一転、新しい転職先で頑張っている」「育児中の看護師が多い求人先を選んだ」といった体験談が聞かれます。

スキルアップ・キャリアアップ

「30歳までに認定看護師になる」「3年後には海外や被災地で看護をしていたい」「総合病院で様々な臨床経験を積みたい」「最先端の看護技術を身につけたい」など、スキルアップ、キャリアアップのために転職をする看護師はたくさんいます。

ひと口に看護といっても、勤務先となる施設の種類や規模、診療科や方針によってその仕事内容は色々です。自分のやりたい仕事の実現のために、転職を上手に活用したいですね。

専門看護師、認定看護師といった資格を目指すなら、まずは支援環境がある求人を探す必要があります。

人間関係の悩み

狭い空間のなか、医療現場でのハードワークをこなしていると起こりやすいのが、人間関係での衝突です。仕事の忙しさで互いに余裕がなくなり、ストレスが多くなってトラブルが起こりやすくなります。

看護師をとりまく人間関係は、看護師同士だけでなく医師や患者さん、他部署スタッフなど多岐にわたり、「入院患者さんにストーカーされてやむなく転職した」「先輩看護師とどうしても反りが合わず、転職することにした」といった体験が聞かれます。

勤務条件アップ

「看護学校の同期と話していて、自分の月収がかなり低めなことを知った。勤務先に話してみても改善はなく、給与条件のいいところに転職した」「自宅から通勤圏内の大学病院が求人募集しているのを見て転職を決意。病院規模が大きくなって、その分待遇やお給料がアップした」などより良い勤務条件の希望が、転職の動機になっています。

夜勤が多過ぎて体調を壊してしまった、仕事が忙しすぎてプライベート時間が全くとれない・・・など辛い環境を変えるため、自ら転職を選ぶ看護師もいますし、なかには看護師以外の職種を選ぶ方もいます。

転職のタイミングについての注意点

転職活動に必要な時間を考える

ハードワークなどの影響で既に体調を崩してしまっている場合や、結婚や配偶者の転勤など自分で時期を決められない事情での転職では仕方ありませんが、タイミングを選べる場合には、先述のベストなタイミングに合わせて転職活動を始めてみてください。

まずは就業規則に沿って、いつまでに退職を申し出ればよいのかを確認します。2ヶ月前に申告とある場合、その時期までの転職先内定を目指し、さらに1～2ヶ月前には活動を始めていたいところです。

円満退職を目指す

医療業界は狭いものです。近隣の病院スタッフに知人がいることも多く、退職時に問題があるとその噂が伝わってしまう可能性があります。また、転職先が思ったような職場でなかった場合に、出戻りを希望する可能性があります。後で困らないよう、できるだけ円満な退職を目指しましょう。

そのためには、就業規則に関わらず職場の状況を見て退職の意志を早めに伝えておくといった根回しや、慰留されたときにしっかりと断れるだけの退職理由を準備しておくことが大切です。

働きながらの転職活動にはなかなか時間が割けない、というジレンマがあります。そのようなときには、看護師専門の転職サイトを活用します。自分に代わって希望に合う求人を探してもらえるほか、雇用条件の交渉や面接日時の調整なども代行してもらうことが可能です。

転職のタイミングや円満退職の仕方についても、転職のプロであるエージェントに相談してみましょう。

＜看護師の転職でベストのタイミングは？・まとめ＞