自分が入院している時に看護してくれた看護師に憧れて、将来性がありそうだから……などなど、人員不足とはいえ、人気が高い職業でもある看護師。看護師になるにあたって、費用について考える人は少なく無いと思いますが、結構な金額がかかるイメージを持っている人が多いようです。
実際には、看護師になるためにかかる費用っていくらくらいなのでしょうか?
看護師の資格取得までにかかる費用
私立と国公立で大きな差がある
正看護師になるにあたっては、看護大学を卒業する方法と、看護学校(専門学校)を卒業する方法に大きく分かれ、専門学校よりも大学のほうが学費は高いです。また、これらの学費は私立と国公立で大きく違ってきます。
私立の看護大学は、4年生で学費の平均が約500万円であるのに対し、国公立の場合なんと200万円前後と、倍以上の差があります。看護学校だと、私立が約300万円前後であるのに対し、国公立が約150万円前後。こちらも倍の差がありますね。
国公立は難易度倍率が高い
誰でもできるだけ学費を抑えたいと考えますので、できれば国公立の学校に通いたいところですが、国公立は学費が安いということから人気があるため、倍率が高いというリスクがあります。
また、近隣に国公立の看護学校や看護大学がないため、私立に行くしか選択肢がないという人も。
准看護師から正看護師になる場合は?
少しでも早く働き始めたいという人は、高校で看護科に進んで准看護師の資格を習得し、准看護師として病院で働きながら看護師学校養成所に通って正看護師の資格を習得するという方法もあります。
この場合、正看護師養成所の学費は100万円から150万円前後となり、国公立の看護学校と平均的な学費は変わりませんが、看護学校は全日制なので日中フルで働けないことに対し、看護師養成所は日中准看護師として働き、通信教育や夜間部などで正看護師への勉強に取り組むことができるので、金銭的な負担は比較的小さいです。
ただし、看護師としてキャリアアップするにあたり、看護大学を出なければならない時にはその分の学費がかかりますので、最終的な費用はどうなるか、というと安くはないかもしれません。
正看護師になるまでにかかる費用は学費だけではない
学費については前述した通りですが、正看護師の資格を取得するまでにかかる費用は、学費だけではありません。自宅から学校に通勤する場合でも、よほど近くない限りは通学の交通費がかかります。
もし近隣に学校がなかったら、一人暮らしをしながら学校に通うというケースも出てきますので、その場合は家賃や光熱費、食費などの生活費や、生活するための電化製品や家財を購入する費用もかかるのです。
自宅以外の場所から通勤している人は、少なくとも10万円以上の生活費がかかっているようですから、看護学校や大学を出る3~4年間の費用を考えると、相当な金額になってしまいます。
奨学金を利用すると?
いろいろな団体で奨学金制度を設けている
奨学金制度は、日本学生支援機構という団体が展開しているほかに、各病院でも積極的に採用しています。
日本学生支援機構では学費としてまとまった金額を利用することができ、各病院ではその利用方法はさまざまです。まとまった金額を利用できる病院もあれば、生活費として月に数万円ずつ利用できる病院もあります。
病院では、『お礼奉公』という形で一定期間継続して奨学金を利用した病院で働くことで、奨学金の返済が免除されるというシステムを導入しているところも多いので、少しでも金銭的な負担を少なくしたいという人向けです。
ただし、お礼奉公期間中は転職のチャンスがあってもあきらめなければならないことや、どうしても転職したい時には奨学金を一括返済しなければならないという条件が定められていることが多いため、職場に縛られてしまうというリスクがあります。
ダブルの奨学金利用で学業に専念
家庭の事情などで経済的に困窮しているという人は、日本学生支援機構から学費分の奨学金を利用し、病院から月々一定額の奨学金を利用という形でダブルで利用して、正看護師の資格を取得した、という人もいます。
病院の奨学金はお礼奉公をして免除を受け、日本学生支援機構の奨学金は正看護師の資格取得後に、働きながら返済したそうです。
いろいろな縛りがありますが、どうしても夢を目指したいという人は、奨学金の利用を検討してもよいと思います。
- 看護師になるには大きく分けて看護大学を出る方法と看護学校を出る方法がある
- 看護学校より看護大学のほうが学費が高く、私立か国公立かによっても費用に差がある
- 准看護師からだと働きながら正看護師を目指せるので学費の負担は小さい
- 費用は学費だけではなく、交通費や生活費、資料代などさまざまな面でかかってくる
- 奨学金制度は日本学生支援機構や病院など、いろいろなところで採用している
- 病院では奨学金免除制度があるが、お礼奉公期間が設けられているなどの条件がある
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