心療内科、看護師に人気の転職先



時代のニーズに合わせて診療科目にも変化が見られますが、比較的新しい科目のひとつに1996年に認可されたばかりの「心療内科」があり、看護師から人気の高い求人先のひとつとなっています。

精神科や神経内科とは異なる心療内科について、どのような科目で、看護師はどんな仕事をするのか、求人先の種類や心療内科求人のメリット、デメリットについて解説します。


心療内科での看護師の仕事


心療内科とは?

現代ではストレスを抱えずに社会生活を送ることは難しく、これが過剰になると心身に様々な影響を与えます。

過労からうつになってしまったり、そこまでいかなくても心の悩みを抱えている方は多く、心理的要因で健康な睡眠がとれない睡眠障害、強い不安感やめまいを起こすパニック障害、人前で不安を感じる社会不安障害のほか対人恐怖症、統合失調症、不安神経症、摂食障害などが見られます。


精神科や神経内科では、不安や不眠、イライラ、抑うつ、幻覚や妄想などの心の症状を中心に扱います。これに対し心療内科は、その症状に影響している心理面・身体面・社会面の要素を分けることなく、統合的に良くしていこうとする診療科です。

なんとなく疲れがとれない、胃腸の調子がずっと悪い、動悸がひどいといった症状で内科を受診しても検査で異常が見られない場合、心療内科を勧められることがあります。

ストレスが増大する社会的傾向のなかでそのような患者さんが増加しており、需要の高まりとともに、科目に心療内科を掲げる病院・クリニックが増えています。

心療内科での看護師の仕事

心療内科では各患者さんの症状や環境に合わせて、カウンセリングのほか薬物療法、認知行動療法や自律訓練法、バイオフィードバック療法といった治療法を用いて、メンタルの症状改善を目指します。

これらの治療を行うのは医師や臨床心理士であり、看護師は診療のサポートとして、採血や注射、バイタルチェックや服薬管理などを担当します。そのほか、患者さんの予約受付対応をする施設もありますし、患者さんの様子の変化を見守るのも看護師の仕事です。


業務範囲は医療施設によりますが、臨床経験があれば十分に対応できる基本的な看護業務です。心療内科では些細なことでも患者さんに変化がないか、注意深く観察したり、耳を傾けることが大切であり、患者さん一人一人の心に寄り添う姿勢が求められます。

他の診療科のように急性期の患者さんがいない反面、長い期間通院される患者さんが多くなります。次次に患者さんに対応し症状を改善する看護よりも、一人の患者さんにじっくりと向き合うことに充実感を感じられる方が向いている診療科です。

参考例・あるメンタルクリニックの場合

「事務的なことは医療事務の方が担当し、看護師は患者さんの呼び出し、カルテ出しや次回予約の記入、パソコン入力などを行います。必要に応じ問診や採血、心電図、点滴や筋肉注射などの看護を行いますが、日によってはこれらの看護が全くないときもあります。

治療は院長と患者さんのみで行うため、看護師の仕事はありません。患者さんとはお天気の話程度にとどめるよう院長から言われているため、挨拶をして、冷たい印象にならないよう、言葉づかいや表情に気を配ります。クリニック内は静かで、淡々と仕事ができます。


業務のなかで最も重要なのは、患者さんに寄り添うことです。帰宅する特に少しでも楽になってもらいたい、という気持ちでサポートをしています」


心療内科、看護師求人先の種類


病院かクリニックか

心療内科の求人先には、大学病院や総合病院のほか、医院やクリニックといった施設があります。病床のある病院と、病床の無いクリニックとでは、診療形態も看護師の仕事も大きく違ってきます。

病床がある病院では、心療内科でも夜勤があることがほとんどであり、巡回やバイタルチェック、食事、排泄の介助なども業務に含まれてきます。一方病床の無いクリニックであれば、夜勤や入院患者のケア業務はありません。

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子育て中や復職のタイミングで夜勤なしの看護師求人を探している方にとっては、同じ心療内科でもクリニック求人の方が有難いですね。

人気の心療内科求人は・・・

なかでも人気が高いのは、都心を中心とした高級心療内科での看護師求人です。「メンタルクリニック」という名称であることが多く、うつ病などの症状を中心に扱います。

高級心療内科は、アクセスの良い都心部に立地し、高級感あるきれいな建物であることが多く、清潔で快適な環境で働けます。診療は予約制で患者さんもおとなしい方が多く、施設内は落ち着いた雰囲気です。


このような好環境でゆとりをもって働くことができ、かつ夜勤なし、給与条件も高めである高級心療内科は、人気の高い看護師求人のひとつになっています。


心療内科、看護師求人のメリット


初めての方でもチャレンジしやすい

比較的新しい診療科目なので、ほとんどの看護師が未経験の状態で入職しています。基礎的な臨床経験があれば大丈夫ですが、研鑽のための研修や勉強会を開催する施設も見られます。スキルアップを希望する場合にはそのような求人を探してみてください。

恵まれた勤務環境

なかでも、病床の無いクリニックでは残業や夜勤がなく、定休日もしっかりあってしっかり休養できます。高級心療内科ではさらに都市部のアクセスのよい立地にあることが多く、通勤にも便利です。

病床がある心療内科でも近年では日勤のみの求人が増えてきており、子育て中の看護師や、子育てがひと段落して復職を希望する看護師の求人先として、大きなメリットがあります。


精神科というと、男性看護師が配属されやすく力仕事の多い職場ですが、心療内科では症状的に落ち着いた患者さんが多く、比較的穏やかな職場環境となっています。

小規模クリニックであれば、カルテ管理を中心に、基本的な看護業務のみでゆとりをもって働くことができ、スタッフ数が限られているため人間関係の煩わしさがありません。その割にお給料が高めの傾向であることも、大きなメリットです。


心療内科、看護師求人のデメリット


クリニック以外では夜勤もある

病床がある病院では、心療内科でも夜勤勤務ありの求人がほとんどです。必然的に業務内容に巡回や食事、生活の介助など入院患者のケアがプラスされ、ゆとりをもって働きたい、という理由で心療内科を選ぶ方は注意する必要があります。

クリニック求人は希少

看護師専門の求人サイトで見てみると、心療内科での求人数は400件あまり存在しますが、そのうち医院やクリニックの求人は50件あまりです。つまりほとんどが病院からの求人であり、夜勤なしを希望する場合、該当する求人は心療内科全体の13%程度にとどまります。

クリニックの勤務条件に魅力を感じて心療内科求人を探す方にとっては、求人数の少なさがデメリットとなってしまいます。

求人の豊富な看護師業界ですが、希望の心療内科クリックの求人を探すには、看護師専門の転職サイトなどを利用して希少な機会を逃さないことが肝心です。

<心療内科、看護師に人気の転職先・まとめ>

  • 心の症状に影響する要因を統合的に良くしていくのが心療内科
  • 看護師は治療には加わらず、そのサポートをする
  • 病院かクリニックかで夜勤の有無や仕事が異なる
  • 都心の高級心療内科は高収入、好条件で人気が高い
  • 恵まれた職場環境で未経験でも安心
  • 病院では夜勤があり、クリニック求人は希少


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