看護師転職の未来予想図



上では看護師転職の最近の傾向について紹介してきましたが、看護師の転職市場は将来的にはどうなるのでしょうか?もちろん未来のことは誰にも分かりませんが、現状で分かっている情報を元に、看護師転職の将来を予測したいと思います。


1.病院看護師の数が減ってくる

病院の報酬(患者にとっては治療費)は好き勝手に決められる訳ではなく、国が定めたガイドラインに従って計算されています。この計算方法は2年に一度見直しが入ります。これが「診療報酬改定」と呼ばれている仕組みです。

一番最近の診療報酬改定は平成26年4月に実施されました。詳細は、「平成26年度診療報酬改定の影響度」をご覧頂きたいのですが、簡単に言うと急性期病院の診療報酬を厳しく見直す、という形で改定されました。


実は病院の診療報酬は、国が定めた区分によって違ってきます。一番報酬が高いのは、「7対1看護体制」に区分される病院です。

これは、一定の条件を満たして、かつ入院患者7人に対して常勤看護師が1人いる体制を取っていれば、この条件が満たされます。「7対1」以外の看護体制として、「10対1」・「13対1」・「15対1」があります。


この「7対1看護体制」の判定が前回よりも厳しくなったのです。これは今回の診療報酬改定だけで終わらず、今後さらに判定が厳しくなると予想されます。となると、「7対1」の判定に漏れた病院が以前ほど看護師を雇わなくてもよくなるため、看護師の雇用を見送るようになります。


こうしたことが全国の病院で少しずつ起きると、病院看護師の数が少しずつ減ってくることになります。

今までは看護師=病院看護師という考え方が普通でしたが、将来的には違ってくるかもしれませんし、看護師が病院へ転職することが今よりも難しくなるかもしれません。


2.訪問看護師の数が大幅に増える



先ほど、国の診療報酬改定が病院看護師を減らす方向で動いている、という話をしました。では、国は看護師の転職先をどちらに持っていきたいのか?答えから言ってしまうと、訪問看護師です。

今後、急速な高齢化によりお年寄りの数が飛躍的に増えることが予想されます。これまでは老人ホームなどの介護施設がその引き受け手の一つでしたが、今後のお年寄りの数を考えると足りなくなるのは明らかです。

そこで、看護や介護が必要なお年寄りは今まで以上に自宅で過ごしていただき、看護師が定期的にお年寄りの自宅を訪問する、という形に変えていきたいようです。


現在の訪問看護師の数は、約3万人と言われています。国はこの数を最低でも15万人まで増やしたいと考えており、前回の診療報酬改定はそのための第一歩のようです。

とはいえ、今でさえ訪問看護師の求人は10人の募集に対して1人応募する程度で、完全に足りていません。今後、さらに訪問看護師の数を増やすためには待遇の改善は不可欠でしょう。


3.看護師の平均給与が下がる

国が舵取りをしようとしている通り、病院看護師が減って訪問看護師が増えると何が変わるでしょう?色々なことが考えられますが、看護師の平均給与は下がることが予想されます。

まず、訪問看護師の年収はせいぜい300万代の後半で、現在の看護師の平均年収(470万)に較べると劣ります。より低い年収の看護師が増えるので、それだけ平均年収が押し下げられることになります。


上でも書いた通り、今後は訪問看護師の給与改善が望まれますので、年収はもう少し上がるかもしれません。ですが、病院看護師並みに改善するとも考えづらく、平均給与を押し下げる要因になります。

加えて、病院看護師の給与が下がる可能性もあります。先ほども書いた通り、診療報酬改定によって病院経営は以前よりも厳しくなってきています。


この傾向は今後も続くことが予想され、そうなると病院が雇用する看護師のお給料にも切り込む必要が出てきます。まだその兆候は見られませんが、今後は病院看護師の給料も今まで通りという訳にはいかないかもしれません。


4.それでも看護師は転職に強い



以上、看護師転職の将来性について暗い話ばかり書いてしまいました。一方で明るい材料もあります。今後も看護師資格の保有者は転職に強い、ということです。

日本では今、労働力の人手不足が叫ばれていますが、その一方で35歳以上の方が正社員として転職するのは難しいです。正社員として求人があるのは飲食店かブラック企業で、それが嫌ならパート・派遣といった非常勤勤務を選ぶしかありません。


その一方で看護師の資格を持つ方は、こうした雇用の不安とは無関係です。40代でも50代でも正社員としての求人先はいくらでもあります。一般のサラリーマンやOLに較べて看護師は転職の上で圧倒的に有利です。

この傾向は現在もそうですし、今後も変わることはないでしょう。ですので、今後も看護師の資格を最大限に活かしてください。


唯一の心配材料としては、ブラックな職場に転職してしまわないことです。そのためにも、転職支援会社などを使って上手に転職活動をしたいところです。簡単に転職先を決めてしまわないよう注意してください。

<看護師転職の未来予想図・まとめ>

  • 病院への転職が難しくなる
  • 訪問看護師の求人が大幅に増える
  • 看護師の平均給与が下がる
  • それでも看護師は転職に強い


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