看護師の転職体験談(33):救急病院から慢性期病院への転職

(福岡県、20代後半、女性)

転職前はどんな仕事をしていたか


(写真はイメージです)


転職前は神奈川県横浜市にある救急病院に常勤看護師(2交代)として勤めていました。所属はICU・CCUでした。循環器・心臓血管外科・脳外科に力を入れている病院でICU・CCUで10床ありました。

横浜市の二次救急拠点病院であり、年間で7000台以上の救急車受け入れを行っており、そのうち重症患者や心臓カテーテル検査後の要観察患者・心臓血管外科や脳外科・外科の術後患者をICU・CCUでは受け入れていました。


勤務は常勤でしたが多い時で月に11回夜勤をしていました(最低でも夜勤は月6回以上)。夜勤を月11回した月で給料は手取り30万円程でした。また、3学会合同呼吸療法認定士の資格を所有しておりましたので、病院内ではRST委員として週に1回医師・看護師・臨床工学技士とともに病院内のラウンドを行っていました。

なぜ転職しようと思ったか

転職を決めたきっかけは2つあります。1つは体調を崩したことでした。入職当初めは夜勤が月6回程度だったのですが、退職者が続出し時短勤務者が増えたことにより常勤スタッフが夜勤を増やさざるをえない状況になりました。

最も多い時1ヶ月で夜勤11回行い、2回連続夜勤は当たり前。時には3回連続夜勤をするようになりました。2交代ですので月11回夜勤をこなすと日勤は月に3日程度、休日も院内研修や係活動・病棟会などでほぼ毎日病院にいるような状況でした。


集中治療室であり気の抜けない状況、24時間患者様の受け入れを行っていたため夜勤中も休憩はほとんど取れず、初めは夜勤が多くて昼夜逆転した生活でしたが、次第に夜勤から帰ってきた昼間でさえも眠れなくなりました。

不眠から心療内科を受診し睡眠導入剤を処方されましたが、仕事中も薬が抜けず薬を変えてもらってもなかなか合わずに不眠の状況が続きました。胃痛も続き胃カメラをした事もありましたが異常はなく精神的なものだろうと言われました。上記から身体的にも精神的にも限界でした。


もう1つは看護師としての業務範疇に不安があったことでした。医師の指示が明確でない・人工呼吸器のウィーニングを任される等、集中治療室所属の看護師として必要な知識を身につけていなければならないのは理解できますが知識があったとしても「本当にこれ看護師がやっていいの?」と思う事が時々ありました。

医師によってはできないと怒ったり受け持ちをするなと言われたりする事もあり不満もありました。集中治療室での業務は多忙ではありましたが、患者様の状態も日々変わりやりがいもとてもあったので好きでしたが、上記からここで看護師を続ける事に不安があり転職を決意しました。

どんな転職活動をしたか

元々神奈川出身ではなく地元は福岡でしたので、福岡に帰ろうと思いました。地元への転職でしたのであらかたどこにどんな病院があるかは把握できていましたが、勤務上福岡に頻繁に帰って転職活動をする事もできませんでしたので、今回は紹介会社を利用しました。

インターネットで様々な紹介会社がありどこにするかとても迷いましたが、名前をよく聞く大手のような会社にお願いする事にしました。福岡での転職でしたので福岡を管轄とされている担当者を紹介されました。


夜勤が多いため日中の電話連絡も難しい状況にありましたので、メールでの連絡をお願いすると快く対応していただきました。

呼吸器疾患に興味があり慢性呼吸器疾患認定看護師を目指していましたので、呼吸器疾患に力を入れている病院を事前に検索しその病院の求人とその他におすすめの病院があれば紹介してほしいとお願いしました。その後元々希望していた病院2件と担当の方が探してくれた2件の病院の求人票を送っていただきました。


希望していた2件の病院のうち1件は人員が充足しているため現在は職員の募集をしていないとの事でしたが、見学は受け付けるとの事でしたのでその病院(以下A病院。自分で探した病院です)ともう1件(以下B病院。紹介会社が紹介してくれた病院です)に絞り病院見学に行きたい事を担当者に伝えました。

数日で返事があり日程調整を担当者と始めました。多忙だったので1日で2件の病院をまわれるように時間調整していただきました。


知人の話だと見学や面接に同行してくれる紹介会社もあるようですが、同行はなく1人で病院見学に行きました。A病院は呼吸器疾患専門の病院であり設備も充実しておりやはりここで働きたいと思いましたが職員募集はしていないとの事で見学の時点で面接はお断りされました。

B病院は結核病棟を有したリハビリに力を入れている慢性期病院であり慢性呼吸器疾患認定看護師になるための支援制度もあるとの事でした。前回の転職であまり踏み込んだ所まで質問をせず入職してから後悔した事もたくさんあったので、その経験を踏まえて聞きたい事や疑問に思った事はどんどん質問するようにしました。


病院見学を終えてB病院の面接を受ける事にし、担当者にもその旨を連絡しまし神奈川に帰りました。後日担当者から連絡あり、面接可能との事で担当者に面接日の調整を行ってもらいました。

面接では履歴書(市販の物)を準備し病院の担当者に提出、その後病院の面接シートを記入して面接を待ちました。記入後看護部長室に通され看護部長・事務長と面接がありました。


面接の際聞かれたのはなぜこの病院を希望したのか・認定看護師になりたいとの事だがなぜか・結婚しているか今後予定はあるか・常勤は可能か・夜勤はどの程度(回数)可能か等を聞かれました。面接は20分程度で終了し、最後にもし入職が決まったら最低でも5年はいてほしいと言われ面接が終了しました。

面接が終了してそのまま神奈川に戻り、数日後担当者から内定の連絡をいただきました。内定が決定してからの病院との連絡は自分で行うよう言われ、担当者との連絡は内定決定までで終了しました。

転職後の職場の様子

配属は一般病棟配属になりました。患者層はほぼ高齢者で、急性期治療を終えたリハビリ目的・継続加療目的で転院してくる患者様が多い印象でした。診療科は呼吸器だけでなく整形・皮膚科の患者様など様々で幅広い知識が必要だなと感じました。

勤務は2交代の常勤で、夜勤は月5〜6回程度、給料は手取りで20万程度でした。やはり関東と違って物価が安い事・夜勤回数が減った事から給料は減少しました。まず驚いた事はアセスメントが少ない事です。


これまで経験して来た病院は電子カルテだったので医師記録や検査データがすぐに反映されすぐに看護に反映させる事ができたのですが、紙カルテでしたのでなかなか困難でした。

レントゲン写真も看護師が見る事はほとんどありません。看護記録もアセスメントがなく、記録しなくても考えてはいるのでしょうがアセスメントして看護に活かすというこれまでやって来た事があまり行われていないような印象がありました。


慢性期の病院なのでゆっくりしているのかなと思っていましたが、毎日バタバタしており一番驚いたのが患者様のケアが十分行われていないことでした。爪や髭はのび放題・口腔内が汚染している等、とても驚きました。

医師もなかなかベッドサイドに来る事はなくカルテを見て指示を出しているように感じています。面接では残業はほとんどないと言われていましたが、定時退社できたのは配属初日ぐらいで、以降日勤では毎回1時間程度の残業をしています。


残業も残業手当を出しすぎると看護部長から指摘があるそうで、課長からの命令がない限りなかなか取る事ができません。また、現在入職して半年になりますが、私が入職してから5名程度中途採用で看護師が当病棟に入職しましたが残業がないと聞いて入職した方や多忙であることに驚きました。

ここでは続けられないと全員が入職初日か1ヶ月以内に退職か他病棟に異動になりました。

認定看護師取得についても、勤務3年以降からでないと支援しないという条件を入職してから付けられる等、やはり見学だけでは見えない細かな部分が入職すると見えてきて本当にここで自分がしたい看護ができるのか日々悩みながら仕事をしています。

これから転職する人へのアドバイス

今回は紹介会社を利用しての転職活動について御紹介させていただきました。紹介会社を利用する事のメリットは会社が病院の概要だけでなく、色々な情報を持っている事だと思います。

どんな病院か・人間関係はどうかなど詳細に聞いて転職活動を行う事をお勧めします。また自分で全て行うより断然楽ですので、時間がない方等にはおすすめです。

しかし、どんなに紹介会社の情報を利用したり病院見学で質問したりしても、よくない所は見えてくると思います。可能であればその病院に勤めた事のある人から情報を得た方がいいと思いました。


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