療養型病院への転職のメリット・デメリット



看護師の勤務先として最も多いのは病院ですが、病院には診療科の違いだけではなく、急性期(一般)なのか、療養なのか、という違いがあります。両者は同じ病院であっても、受け入れる患者さんの違いによって、仕事の環境も内容もかなり異なっています。

療養型病院とはどのようなところで、看護師はどんな仕事をするのか、メリット・デメリット、転職時の注意点を知ることで、自分に合った転職先選びの参考にしてください。


療養型病院とは


療養型病院の特徴

同じ病院内に、予断を許さない救急の患者さんと自宅での療養は難しいものの長期的に容態が落ち着いている患者さんとが入院していることは、医療の面から見て効率がいいとは言えません。

加えて、救急を受け入れたくても病床が足りないといった事態を解決するためにも、病棟は「急性期(一般)」と「慢性期(療養型)」のいずれかで経営されることと決められています。


手術や24時間の全身管理など密度の濃い医療を行い、だいたい1ヶ月前後で退院することになるのが急性期病院、より長期の入院が可能で、容態が安定した患者さんに加療を続けていくのが療養型病院です。

一般病床との違いとして、患者さんの容態や入院期間のほかに、看護師の配置数と設備内容が挙げられます。


慌ただしい一般病床では患者さん3名につき看護師1名が配置されますが、療養病床では患者さん4名につき看護師1名と看護補助者1名の配置となります。病床自体広めになっていることもあり、落ち着いて看護することが可能です。

一般病床では精密検査や高度な治療のための医療機器が揃えられていますが、患者さんの病状は落ち着いている療養型では、必要な器機は一般病床ほど多くはありません。一方で患者さんが毎日を快適に過ごせるように、談話室などが充実しています。


療養型病院の看護師の仕事



療養型病院の看護師の仕事は、一般病床で行うような病状や怪我の早期回復に向けた医療というよりも、より介護に近いケアが中心です。バイタルチェックや病状の観察、採血、点滴といった基本的な看護のほか、食事や生活の介助、体位交換や褥瘡ケアなどを行います。

長い入院期間をできるだけ快適に過ごせるよう、看護師は患者さんやその家族と十分にコミュニケーションをとり、相談に乗ることもあります。

経営的な側面から見ると、長期入院からの病院の利益は限られたものです。したがって金銭的に高度な医療技術を用いることは出来ず、看護においても使える資材は限られていると考えたほうが良いでしょう。


療養型病院で働くメリット・デメリット

メリット



看護師として働いていると「もっとそれぞれの患者さんの希望に沿える看護をしたい」「患者さんの声をもっと聞いていきたい」と感じる機会があることでしょう。療養型病院ではまさにこのような看護を実現することが可能であり、この点が大きなメリットです。

病院の方針にもよりますが、療養型病院では「治療がすべて」ではなく、患者さんの希望に寄り添うことが重視されます。


糖尿病の患者さんは、体のためには甘いものを食べるべきではありませんが、療養型で末期の患者さんが「甘いものを食べたい」といえば、たとえ糖尿病の既往があっても、状況によってその希望を叶えることがあります。

患者さんとその家族に悔いが残らないように手伝いをすることが、療養型病院看護師の大切な仕事なのです。

落ち着いた雰囲気で無理なく働けることも、メリットのひとつです。緊急の入院や急変といった慌ただしさはほとんどなく、院内の雰囲気自体が落ち着いていますし、人間関係でもゆとりがうまれやすくなります。残業が少ないので、育児や介護など家庭の都合がある方が働きやすい職場です。

デメリット



メリットのひとつである「患者さんやその家族とじっくりと向き合えること」は、別の角度から見れば人間関係が濃くなりがちということです。看護師によっては、このことを負担に感じることもあるでしょう。

また、スキルアップ・キャリアアップの機会がほとんどないという点は、療養型病院のデメリットとなります。病状のわずかな変化が生死に繋がったり、次々に新しい治療法や治療薬を導入していくというようなことはなく、急性期から転職した方では「物足りない」という声がよく聞かれます。

療養型病院が向いているのはこんな人

先に述べたように「患者さんに寄り添う医療」を目指す看護師は、療養型病院に向いていると言えます。物足りないと感じることもあるかもしれませんが、メリットに目を向けてみれば、様々にやりがいを見つけられることでしょう。

残業が少なめなのでプライベートの時間を確保しやすく、心身共に一般病床よりもハードな仕事内容にはなりません。そのため、育児が落ち着いたのを機に復職する方や、ハードな環境だと体調が心配という方にも向いています。


将来的に介護関係の施設で働きたいと思う場合、看護師が自分一人という環境も多く、患者さんの急変があったときには、自分一人ですばやく適切な処置ができる必要があります。そういったスキルを身につける場として、医療機関である療養型病院で看護経験を積むことは役立ちます。

長い療養生活で起こってくる褥瘡のほか、水虫や疥癬などの皮膚疾患への対処法を学ぶことも、介護施設や訪問看護に活かせるスキルとなります。


療養型病院への転職、注意点は?


転職に求める希望条件に合っているか?

急性期の慌ただしさや仕事のハードさに疲れて療養型病院へと転職してみたところ、確かに体力的には楽になったけれど、「物足りない」「療養型で働くのは早すぎたかも」と感じている、という体験談が聞かれます。

忙しすぎる状態を改善したかったものの、それと同時に「ある程度スキルアップしたい」という希望もあったためでしょう。自分が仕事に求める条件の優先順位を書きだして確認したり、職場見学をして求人先の雰囲気を自分の目で確かめることで、このようなミスマッチを減らすことは可能です。

療養型病院は廃止になるの?

転職先として療養型を選ぶ前に知っておきたいのが、今後療養型の病院経営はどうなっていくのか、という点です。

超高齢化が進む日本では、将来的に医療費の増大が社会問題になるのを避けられず、その対策として、在宅医療サービスの充実が急務と考えられています。長期の入院患者は出来るだけ少なくし、在宅で療養できる環境を整えることが目標とされているのです。


そのような流れから、療養型の病院であっても退院予定日を定める、といった将来的なルール変更が提案され、長期入院の患者さんが増えれば病院評価の低下、診療報酬の減少につながる制度へと見直される予定でした。

ただし現実的には、在宅医療だけでは十分に健康維持できない高齢者が既に増加しており、先のような方針はいったん中止されて、療養型病院の機能を存続させることになっています。


しかし医療費の増大にはどこかで歯止めをかけなければなりません。こういった社会的な動きの中で、今後療養型病院がどのように扱われるのか、転職を検討する看護師は注意を向けていく必要があります。

<看護師の求人先:療養型病院のメリット・デメリット まとめ>

  • 容態の落ち着いた患者さんが長期的に入院するのが療養型病院
  • 基本的な看護のほか介護的ケアが仕事の中心
  • 患者さんに寄り添う看護ができ、落ち着いて無理なく働ける
  • スキルアップが難しく、人間関係が濃くなりがちな点がデメリット
  • ブランクのある看護師や将来介護関係で働きたい看護師に向いている
  • 療養型病院制度の動向を見守る必要がある



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