看護師のキャリアアップ資格、救急救命士について



人の命を救う仕事というと、まっさきに思い浮かぶのは看護師ですが、『救命救急士』も人々の命を救うためになくてはならないお仕事です。

救命救急士とはどんな仕事なのか?救命救急士になるにはどうすればよいのか?といったさまざまな疑問について、ここでは解説していきたいと思います。


救急救命士とは

救急救命士の仕事

救急救命士は、救急車に同乗して急病や事故などで怪我を負った患者の救命処置を行なうのが主な仕事になります。消防署に救急車があるので、消防署の職員のような印象がありますが、実際は救急救命士の資格を取得して、所属する消防署で働いてるというイメージです。

救急救命士の資格は国家資格となり、まずはその国家資格を習得して、消防署で働くためには消防官の採用試験にも合格する必要があります。救急救命士の活躍の場はほとんどが消防署になりますので、消防官の採用試験に合格して、消防署で働きながら救急救命士の国家資格を取得するという人もいるようです。

救急車を呼ぶと、多くの場合男性の救命救急士が登場するので、男性が活躍する仕事という印象がありますが、実際には女性の救急救命士もたくさん活躍しています。

救急救命士の収入



消防署で働く救命救急士は、地方公務員となりますので、自治体によって収入は異なります。

平均年収は600万円前後といわれていますが、初任給はかなり低く高卒で15万円前後、大卒でもそれに2万円前後プラスされる程度とのことですので、働き始めの収入は決して高いとはいえません。しかし、地方公務員は長く働くことで収入が高くなっていくケースが多いので、経験年数が増えるごとに収入も安定していくようです。

また、大規模医療施設で働く看護師のように、24時間交代制での勤務となることがほとんどなので、夜勤手当や早朝勤務手当といった手当が充実しており、この手当も安定した収入につながっています。


看護師と救急救命士の違いは?


活躍の場が大きく違う

看護師としてのスキルアップを目指すにあたり、救急救命士を検討する人も多いようです。

看護師は病院で傷病者の看護を行なう業務が中心となります。もちろん急患の処置を行なうこともありますし、急な手術のサポートに入ることもありますが、多くの場合は病棟の患者の看護や、服薬管理、カルテなど患者の情報の整理やリハビリのサポートなど、入院患者や外来患者の看護が中心です。


それに対して救急救命士は、心肺停止状態など、一分一秒を争う傷病者の処置を行なう業務が中心となります。心肺停止状態の傷病者に処置を行い、生存した状態で病院に搬送するのが救急救命士の役割です。

救急処置を行なうためのスキルを習得するために、看護師が救急救命士の国家資格にチャレンジするというケースもありますが、看護師として働くにあたっては、救急救命士の資格を取得していることは転職などにおいて直接的に有利になるということは少ないかもしれません。


ただし、今後救急救命士として働くというわけではなくても、救急救命処置における知識や技術を習得したいということであれば、チャレンジしてみるのもよいと思います。

看護師と救急救命士、就職にはどっちが有利?

前述したように、救急救命士は消防署で働く場合がほとんどであるため、消防官の採用試験を受けて地方公務員として勤務することになります。

安定して長く働きたいということであれば、安定の代表ともいえる公務員として働く救命救急士のほうが適していると思われます。しかし、消防官の採用試験は倍率が非常に高いため、救急救命士の国家資格を取得しても必ず就職できると保証されているわけではないというデメリットもあります。

イメージとしては、公立の学校で教師として働く時に、教員免許のほかに採用試験を受けなければならないということと近いです。


看護師も常に需要が高く安定した仕事ではありますが、家庭を持っていて転居の可能性があったり、転職の可能性がある場合は、職場の選択肢が多い看護師のほうが適しています。収入においても、大規模医療施設でフルタイムで働くのであれば、看護師のほうが高収入が期待できるようです。

また看護師は、医療施設でなくても学校や一般企業など、活躍の場が多いという点も、救急救命士と比べるとメリットの大きい資格であると考えられます。キャリアチェンジしたいという時に、方向転換しやすいのはやはり看護師です。


救急救命士の資格を取得するには


救急救命士は国家資格

正看護師の資格も国家資格になりますが、救急救命士の資格も国家資格です。救急救命士は国家資格の中では比較的合格率が高いといわれていますので、我こそはと思う方はチャレンジしてみるのもよいと思います。

ただし、就職するにあたり消防官の採用試験を受けなければならないなど、看護師と比べると就職までのステップが多いこと、また就職の倍率が非常に高いといわれていますので、その点は覚悟しておかなければなりません。

資格取得までの流れ

救急救命士の資格を取得するためには、すでに看護師資格を取得しているならば次に挙げる者と同等以上と認定されれば資格試験を受験することができます。

・大学入学の資格を有し指定救急救命士養成所(学校)を卒業した者・救急救命士法で規定した学校で所定の期間修業した者
・医大などで公衆衛生学など指定された科目を修了した者
・所定の救急業務講習を修了し5年(もしくは2000時間以上)就業、かつ指定校で1年の過程を修了した者


資格試験の内容は基礎医学、臨床救急医学総論と各論(1~3)となっています。試験の受験料は3万円程度で合格率は80%を超えていますので、勉強のために受けてみるというのもいいのではないでしょうか。

ただし、救急救命士試験の合格者のほとんどは消防関係の救急隊員として就職しており、そちらの方面への転職を考えていないのなら有用ではない資格という考え方もあるようです。

<キャリアアップ資格、救急救命士について・まとめ>

  • 救急救命士は傷病者の救急処置を行なう仕事
  • 消防署で働くには救命救急士の国家資格と消防官の採用試験を受ける必要がある
  • 看護師が救急救命士の国家資格を取得しても、直接的なスキルアップに繋がることは少ない
  • 救急救命士と看護師の場合、転職の予定があるなら看護師のほうが有利
  • 救急救命士になるには救急救命士養成学校に通い、所定の単位を修得する必要がある
  • 受験資格で定められた要件を満たしていれば、救急救命士養成学校を出ていなくても受験可能なケースも


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