大学などで学ぶにあたり、資金不足の人を支援するために設けられている奨学金。看護学校を出たあと、看護師がキャリアアップを目指して看護大学や大学院に通うにあたっても、奨学金を利用できるケースがあります。
奨学金の返済方法についてはさまざまな意見があるようですので、こちらで調べたことを解説していきたいと思います。
看護師の奨学金って全額を一括返済すべき?
看護師の奨学金制度について
専門看護師や認定看護師の資格を習得するにあたり、看護大学を修了することが条件となっていることが多いです。
学校ですから当然学費がかかるわけですが、社会人として生活している看護師は家賃や光熱費、日々の生活費を捻出しなければならない人も多いので、いざ勉強を始めたいと思ったときに、学費を用立てることができないという看護師が多いという現状があります。
そこで、勤務している病院が奨学金という形で学費や資格取得への勉強をしている間の生活費を貸与してくれる制度があり、この制度は多くの病院で採用されています。キャリアアップだけではなく、准看護師が正看護師の資格を習得するために、看護学校の費用を奨学金制度を利用してまかなうというケースもあるようです。
具体的な奨学金制度とは?
多くの病院が奨学金制度を採用していますが、その貸与金額は支払い方法は病院によって変わってきます。
A病院では、50万円の奨学金を貸与するというシステムであるのに対し、B病院では、生活費の負担として毎月3万円を至急するというシステム、C病院では300万円の奨学金を貸し出すといった具合です。
また、『日本学生支援機構』でも奨学金制度を設けており、身内からの支援を一切受けられないけれど看護師を目指したいという人は、日本学生支援機構から学費としてまとまった奨学金を借り、働いていた病院で生活費として毎月数万円の奨学金を借りて、学校に通いながら生計を立てたという人もいます。
お礼奉公って?
お礼奉公とは、学校を卒業後に奨学金を借りた病院で一定期間経過働くことで、奨学金の返済義務がなくなるというシステムです。
お礼奉公の期間は奨学金の利用方法によって異なるようですが、一例では3年間の奨学金を受けていた看護師で、5年間のお礼奉公が設定されていました。
お礼奉公の間は転職できないというリスクがありますが、奨学金の返済義務がなくなるというのは正直なところ助かる人が多いでしょうし、必ずしも転職できないというわけではないので、利用している人は多いようです。
奨学金は一括返済しなければならないの?
返済することが前提で奨学金を借りた場合、毎月一定額を返済していくパターンが多いと思われます。300万円の奨学金を受けて、300万円を一括で返済しなければならないのではあまり意味がありませんよね。
けれど、奨学金を受けるにあたってはさまざまな条件が設定されていますので、それを破った場合には一括で返済しなければならない場合もあります。
例えば前述したお礼奉公では、5年間のお礼奉公期間が設けられていたのに3年で転職してしまった場合に、奨学金の一括返済を求められます。
300万円の奨学金を受けて3年目で転職となると、6割が返済免除され、4割が一括返済というパターンが多いですが、実際には何年か働いて転職しても、全額一括返済を求められるケースもあるようです。
その場合は病院と看護師との話し合いになり、転職エージェントが間に入る場合もあります。
ほかには、奨学金を受ける条件を破ったケースとして、奨学金を受けて入学した学校を退学した場合や、看護学校を卒業はしたけれど正看護師の資格を取得できなかった場合などが挙げられます。
こうした場合には、奨学金を一括返済しなければならないので、奨学金を利用する際にはしっかりと計画を立てた上で利用しましょう。
奨学金を利用するメリット・デメリット
奨学金を利用するメリット
奨学金を利用するメリットは、やはり急に学費を用立てることが難しいという場合でも、すぐにキャリアアップにチャレンジできる可能性があることや、生活費の心配なく勉強に専念できるという点が大きいと思います。
看護学校や大学の学費は決して安くはありませんので、働き始めたばかりの看護師では用意できないということもあるでしょう。そんなときに奨学金を利用できれば、キャリアアップをあきらめなくて済みますし、生活費においても奨学金を利用することでかなり負担が減りますね。
家庭の事情で看護学校に入学することが金銭的に厳しい、という人などにとっても、とても利用価値のあるシステムだと思います。
奨学金を利用するデメリット
奨学金を利用するデメリットは、借りたお金なので返済をしなければならないという点。これは当然のことなのですが、その後仕事をしていて奨学金の支払い負担が大きいと悩んでいる人がいるのも事実です。
お礼奉公という形で返済免除を目指すことも可能ですが、転職したいと思ってもお礼奉公期間中で転職のチャンスをあきらめなければならないことを、奨学金を利用するデメリットだと感じる人もいます。
ただ、せっかく大金を貸与してキャリアアップを支援したのに、すぐに辞められてしまっては病院にとってのメリットがないので、こうしたお礼奉公その他の条件については、あってしかるべきのものだといえるかもしれません。
そのほか、奨学金を利用したから必ず資格を習得しなければ、ということがプレッシャーになってしまうという人もいます。このプレッシャーをよい意味でとらえることができれば、勉学の励みになりますが、プレッシャーからストレスを感じてしまう人もいるようです。
- 看護師の奨学金制度は、キャリアアップにおいてそれに関わる費用を貸与してくれる制度
- 奨学金の貸与方法は、まとまった金額を一度に借りる、毎月定額を支給してもらうなどの方法がある
- 一定期間奨学金を利用した病院に勤務すると、返済免除になるシステムもある
- 奨学金利用の条件を破った場合、一括返済しなければならないことも
- 奨学金を利用するメリットは、勉強に専念できることや、返済免除システムを利用できる場合があること
- デメリットは、お礼奉公においての縛りや一括返済の可能性、月々の支払が大きいことなど
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