看護師の転職体験談(23):特別養護老人ホームから老人保健施設への転職


(写真はイメージです)

(北海道・30代・女性)

転職前はどんな仕事をしていたか

転職をする前は特別養護老人ホーム(以降、特養と省略)に4年程勤務していました。特養では、入所者の健康管理を行っていました。特養は入所者の方にとっては自宅と同じ生活の場で、ほとんどの方は特養で最期を迎えられます。

その生活の場で入所者の方が健康的に安心して生活を送ることができるような看護の提供していました。病気の早期発見・早期治療に繋がるように日々の健康状態の把握を行い、病院受診の付き添いや急変時の対応、夜間のオンコール対応が主な仕事内容でした。


特養での看護の仕事は医師が常駐していないため、病院に受診するか様子をみるかなど医師に電話で相談をしながら自分の判断で対応を行いますが、医療施設とは違う責任があります。

夜間のオンコール対応もあり入所者の状態にもよりますが、状態の悪い入所者がいる場合は毎日のように夜間や早朝にオンコール対応を行っていました。


普段の仕事は日勤のみだったので体力的に疲れることはほとんどありませんでしたが、オンコールが続くと夜間や早朝でも出勤し、そのまま日勤業務に入らなければいけないこともあったので寝不足と体力消耗、精神的疲労がたまることもよくありました。

なぜ転職しようと思ったか

特養での仕事は、やりがいもあり充実していて楽しかったのですが、オンコールが連続すると精神的にも肉体的にも疲労が蓄積し、自宅に帰ると寝るだけの生活になっていたこともありました。


特養での看護の仕事は好きだったし私には向いていたのですが、家庭と仕事を両立させることが難しく、これでは家庭に影響を及ぼしてしまい子供にも寂しい思いをさせてしまうことが増える一方だと思ったので特養を退職して転職をしようと決めました。

仕事ばかりになって家庭を顧みない状況に陥ってしまうことが嫌だったこととオンコールが連続し精神的にも肉体的にも限界に近付いていたことが転職を決意した理由です。

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どんな転職活動をしたか

退職を決めてからの行動は早いものでした。退職後すぐに働きたかったので就業中でも面接に行けるように、まずは職場に退職願を提出しました。人手不足だったこともあり退職願を取り下げてほしいと説得をされましたが、気持ちは変わらなかったので提出した日に受理してもらいました。

退職する日まで1ヶ月間という短い期間の中で、次の転職先をみつけることになるので、休日はハローワークに通い続けました。たまたま転職活動をした時期が11月と求人数が増えてくる時期と重なっていたので、病院やクリニックなどの医療施設や老人施設の求人が豊富にありました。


医療施設に戻り働くことも考えましたが、私は老人施設での入所者と密接な関わりのもてる看護が好きだったので、転職先も老人施設にしようと考えていました。色々な求人情報の中で私が働きたいと思った求人は老人保健施設(以下、老健と省略)でした。

なぜ老健にしようと思ったのかといいますと、夜勤はありますがオンコール対応がなかったことと看護師数が多いため仕事の分散ができること、そして最大の魅力は夜勤手当を含めると月収が20万円を超えることでした。


複数の老健が求人募集をしていましたが、自宅からなるべく近い職場に転職を希望していたので自宅から一番近い距離にあった老健の面接を受けることにしました。複数の老健の求人情報を比較してみましたが、月収はさほど変わりはなく勤務体制が若干異なる程度でした。

もし月収に違いがあれば自宅から多少遠い場所であったとしても一番高い月収保障のある老健に面接に行っていたと思います。


ハローワーク経由で応募した老健では、事務長と雇用担当職員の2名による面接を受けました。面接内容は、なぜ特養を退職しようと思ったのか・なぜ老健で働きたいと思ったのかの2点を中心に質問をされました。

退職理由に関しては前述のとおり、オンコール対応の連続による疲労の蓄積があり仕事と家庭の両立が難しかったことを話しました。


老健で働きたい理由はオンコール対応のない勤務体制で働けることと特養との看護の違いを知りたかったことを話しました。最後に施設内を案内していただき、採用の可否は後日電話連絡となる旨を説明され、約20分程度の面接は終了しました。


面接日より3日後に事務長より電話があり、結果は無事採用となりました。今回の転職活動では採用された老健1か所のみの面接しか受けていないのですが、ハローワークの求人票で比較をして応募先を決定しました。

求人票に記載されていないことでもハローワークの職員に尋ねてみると分かる範囲内ではありますが、詳細を教えてくれるので比較をする際の参考になります。


転職先の老健での勤務条件は以下のようになります。正社員雇用、月収20~24万円程度、賞与年間4ヶ月(勤務態度等の評価により5万円前後の特別支給加算あり)、週5日間勤務で勤務体制は早番(7~16時)・日勤(8時30分~17時30分)・遅番(10~19時)・夜勤(17~翌9時、仮眠3時間あり)、福利厚生では産休や育児休暇・慰安旅行(年1回)・社会保険完備・有給休暇・雇用保険・退職金制度あり。


特養では正社員雇用で日勤(8時30分~17時30分)のみ週5日勤務で月収15万円でしたが、転職をすることで夜勤手当が加算される分収入が月に5万円以上増えます。

シフトは日勤のみから不規則なシフトになりますが、オンコール対応から解放されることを考えると私にとっては楽な勤務体制になりました。年間賞与額や福利厚生はほとんど変わりがありませんでした。

転職後の職場の様子、感想

採用された老健はディケアと入所施設があり、私が配属されたのは入所施設の認知症対応棟でした。配属先では看護職8名・介護職15名体制で入所者のケアを行っていました。

職員は大きく分けると30代前後と50代前後の年齢層で和気あいあいとした雰囲気の職場で、職員同士の年齢が割と近いこともあり仕事のことで分からないことは聞きやすく仕事がしやすい環境でした。看護職と介護職の隔たりもほとんどなかったので、すぐに馴染むことができました。


仕事の内容は入所者の病院受診の付き添い、健康管理、食事や入浴介助、急変時の対応が主となります。看護師の数が多いので対応に困った時は看護師同士で相談ができたので、特養で働いていた時のようなプレッシャーがなく精神的なゆとりを持って働くことができるようになりました。

転職活動を通じて感じたこと、学んだこと、これから転職する人へのアドバイス

今回の転職活動を通して自分の限界値を知ることも必要であると思いました。

自分の対処能力や体力的な部分で限界を感じていても自分が辞めれば人手が少なくなって迷惑をかけてしまうかもしれないと転職をしたいと思っても行動に移せない時もありますが、ストレスをためながら仕事を続けることは精神的にも自分を追い込んでしまいます。


今回の私の転職の経験からですが、自分の限界を超えてまで今の職場で仕事を続けるよりは精神的にゆとりをもって自分らしい看護ができる職場環境に転職をすることも一つの道だと思いました。私の経験上の話ですが、迷っている時は今の職場を辞めたいと思っている時です。


転職をする理由は人それぞれにあると思いますが、転職をしようか思い悩んでいる方は本当に今の職場で働き続けることができるのか?と考えてみてください。自分で考えて出した答えが転職をしたいという結果になったのなら、迷わず転職活動をすることをお勧めします。

転職活動を行う時は、ハローワークだけでなく転職サイトや看護師専門の派遣会社に登録を行うとハローワークにはない求人情報がみつかることもあります。転職をすると決めたら、求人情報を集めるところから始めてみてください。きっと転職したいと思える職場がみつかります。


家庭を持っている方は、仕事と家庭の両立ができる職場であるのかが重要になってくるので、福利厚生がどのようになっているのか・勤務体制に無理はないのかなどを確認してみると失敗のない転職先選びができるかと思います。

妥協をしないことが転職活動においても大切なことだと思います。



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