看護師、耳鼻科への転職、注意点は?



内科や外科は経験があるけれど、耳鼻科の仕事は初めてという看護師は多いはずです。ここでは耳鼻科とはどんな診療科なのか、看護師の仕事や求められる看護スキル、転職の際の注意点などについて詳しく紹介します。


耳鼻科で働く看護師の仕事



耳鼻科の仕事は比較的ラクで残業も少ないといわれています。しかし具体的な仕事内容や耳鼻咽喉科との違いなどについては意外に知られていません。次に耳鼻科という診療科や、そこで働く看護師の仕事についてまとめてみました。

耳鼻科とは?

耳鼻科は耳と鼻に関する診療を行なう科です。一般的に耳鼻科で扱う症状や疾患というと、中耳炎や蓄膿症などがよく知られています。ほかにはメニエール病や突発性難聴、耳鳴り、鼻出血、鼻炎、頭位性めまい症、アレルギー鼻炎などの疾患も扱う科です。

近年では花粉症の診療で忙しい耳鼻科も多く見られます。

耳鼻咽喉科との違い

耳鼻科と似た診療科として耳鼻咽喉科があります。耳と鼻の症状や疾患を扱う耳鼻科に対して、耳鼻咽喉科ではのどの症状や疾患も診療対象としています。

ただし、耳鼻科という診療科を掲げていても実際にはのど(咽喉)の症状・疾患の診療を行なっている医療機関が大半を占めており、耳鼻科イコール耳鼻咽喉科と考えたほうがいいかもしれません。ちなみに大学病院や総合病院では耳鼻科という診療科は少なく、ほとんどが耳鼻咽喉科を掲げています。

ほかにも耳鼻科(耳鼻咽喉科)と聴覚科(聴覚音声外科)や頭頸部外科を併設しているケースも見られます。

耳鼻科の看護師の仕事内容



一般的に耳鼻科といった場合、耳と鼻だけでなく咽喉(のど)の症状や疾患を対象に含めている病院やクリニックが多くなっています。それを踏まえたうえで耳鼻科で働く看護師の仕事を紹介していきましょう。


・外来患者の受付
大手総合病院や大学病院を除くと、耳鼻科の多くは入院施設を持たない病院やクリニックです。特に小規模な医療機関では外来患者の受付も看護師の重要な仕事のひとつになります。

耳鼻科では緊急性のある患者が訪れる機会は少ないものの、メニエール病やめまい症などの患者も診療に来るので受付の看護師が果たす役割は大きなものです。


・診療介助、検査介助
医師の診療介助や患者の検査介助も看護師の仕事です。耳鼻科には小さな子供から高齢者まで幅広い年齢層の患者が訪れるため、診療や検査の際は適切なサポートをする必要があります。

また、看護師は聴力検査などの各種検査を担当する場合が多いので重要な仕事のひとつになるでしょう。耳鼻科では採血や点滴、注射などの看護業務も付き物です。花粉症にレーザー治療を採り入れている医療機関ではその介助や機器の管理も必要になります。


・病棟患者の看護
入院施設のある耳鼻科の病院やクリニックでは病棟の仕事もあります。耳鼻(咽喉)科では内科的疾患から外科的疾患まで幅広く扱っています。

アデノイド切除や外耳道腫瘍摘出、鼓膜形成、耳下腺腫瘍摘出、声帯ポリープ切除など、耳鼻科が行なう外科治療は意外に多いものです。入院患者に対しては創部のケアや服薬管理、生活援助などの看護を行ないます。


・花粉症患者の対応
最近の耳鼻科で多いのが花粉症などのアレルギー疾患を持つ患者です。花粉症患者の数は増加傾向にあり、専門外来を設けている医療機関も増えています。季節性のアレルギー鼻炎という特徴から、短期間に多数の患者が診療に訪れるケースも多く見られます。

花粉症の外来患者への受付や問診などの対応も看護師の担当する仕事です。


耳鼻科で求められる看護スキル



耳鼻科の看護師に求められるスキルは次のようになります。

1.耳鼻(咽喉)疾患の知識

耳鼻科の診療の種類は検査から手術までと幅広いものです。対象となる疾患も中耳炎や蓄膿症といった比較的よく見られるものから、顔面麻痺や嚥下障害、聴力障害、バランス障害といった疾患まで広範囲にわたります。

手術や入院を必要とする疾患も少なくありませんので、看護師にも多岐にわたる疾患の知識や看護知識が必要です。

2.検査介助の知識とスキル

耳鼻科で意外に多いのが検査です。聴力検査は一般健診でもよく行なわれるもので、小中学校の集団検診を介助したり担当する機会もあるでしょう。検査方法や手順、使用する機器の種類と準備、異常の有無などの観察、アセスメントなどのスキルが必要になります。

特に耳鼻科では多種類の医療機器を使った検査を行なうので、機器の操作に慣れていることが求められる場合もあります。

3.コミュニケーション能力

耳鼻科には小さな子供から耳の聞こえにくい高齢者まで、さまざまな患者が診療に訪れます。看護師は子供や高齢者と上手くコミュニケーションを取り、問診や診察室誘導、検査の実施などを行なわなければなりません。

相手の言おうとしていることを理解するスキル、こちらの伝えたいことを確実に理解してもらうスキルといったコミュニケーション能力が必要になる診療科といえるでしょう。

4.フレキシブルな対応力

患者さんのなかには耳がよく聴こえない人や聞き取りにくい人がいます。一見しただけでは分からなくても聴こえにくいという場合もあり、看護師にはフレキシブルな対応が求められます。

伝わりにくいときには紙に文字で書いて見てもらったり、ジェスチャー(手真似・ボディランゲージ)で伝えるなどの工夫が必要になるかもしれません。その場に応じて適切な対応ができるスキルも耳鼻科の看護師に求められるものです。

5.看護師の基本的なスキル

看護師としては当然かもしれませんが、耳鼻科でも注射や点滴、採血などの基本的なスキルは必要です。薬剤管理や服薬指導、創傷ケアのスキルも不可欠になります。

また風邪が原因で耳痛が起こるケースが意外に多く、患者がどのような解熱剤や風邪薬を使っているかを知ることが重要になる場面があるため薬剤の関する基本知識も必要です。


耳鼻科への転職、注意点は?



看護師が耳鼻科に転職する場合の注意点です。

耳鼻科の診療範囲は広い

単に耳と鼻の症状や疾患を診療するのが耳鼻科と考えていると、実際に仕事を初めてから驚く場合もあるので注意が必要です。現在の耳鼻科のほとんどは咽喉科を兼ねており、耳・鼻・喉・気管支など広範囲を対象にしています。扱う疾患も中耳炎や蓄膿症だけではなく、メニエール症や神経麻痺、聴神経腫瘍など多岐にわたっているからです。

逆に先進的な耳鼻科系医療を経験したいと考えていても、聴力検査や花粉症ケアが中心という病院やクリニックもあります。転職を考える際には、求人先がどのような診療を行なっているか確認するようにしましょう。

ラクな職場とは限らない

耳鼻科は残業があまりなく、比較的ラクな診療科というイメージがあります。一部の診療科と比べるとラクな部分はあるものの、耳鼻科だから残業もなくプライベートが優先できるとは限りません。看護業務自体も多種類の検査機器を円滑に操作したり、耳の聞こえにくい子供や高齢者とのコミュニケーションが必要になるなどの苦労もあります。

なかには小中学校の健診では一日中聴力検査を担当する、花粉症の季節は患者があふれるように来るといった病院やクリニックもあるので注意が必要です。


耳鼻科の求人先としては総合病院や大学病院、地域密着型の単科病院やクリニックなどがあります。内科や外科などの診療科と比べると求人数は少ないので、転職を希望するなら豊富な求人情報を持っている看護師専門の転職サイトを活用するといいでしょう。

転職サイトなら自分の希望条件にマッチした転職先が見つけやすいのでオススメです。

<看護師の耳鼻科への転職、注意点のまとめ>

  • 耳鼻科は咽喉科を兼ねている場合が多い
  • 看護師の仕事は診療介助や検査が中心となる
  • 外科手術や入院施設のある病院も存在している
  • 学校の聴力検査や花粉症患者の診療も多数ある
  • 多種類の検査機器を操作するスキルが必要
  • 求人数が少なめなので転職サイトを活用しよう


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