看護師の転職体験談(51):循環器科病棟から保健師として健診センターへ転職

(東京都・29歳・女性)

転職前はどんな仕事をしていたか


(写真はイメージです)


救急医療にも力を入れた急性期病院の循環器科病棟で6年間看護師として働いていました。地域では割と大きい病院の一つです。

入職したのは大学卒業後からです。6年間、他の科に異動することもなかったので、循環器についてはかなり勉強し詳しくなりました。看護師仲間の中でも、循環器は苦手分野だという人も多く、苦手意識を持つ前に循環器について学べたのは良かったと思える部分です。

働いていた病棟はチームナーシング制で、入院患者の循環管理やリハビリテーション、退院指導、退院調整等を業務としてこなします。もちろん急性期特有の急変対応もあり、緊張感高まる場面も少なくありません。


夜勤は2交替で月に多くて5~6回程度でした。基本的には人手が不足しているので、勤務帯で何かイベントがあった場合はよりハードになります。残業については、年間通して定時に帰れたという日の方が明らかに少ないです。

空床があり緊急の入院患者が立て続けに運ばれてくると、入院の手続きの説明をしたり、患者の治療がすぐに開始されるのでその対応に追われたりで、なかなか帰れませんでした。

パートタイマーの方も働いていたので、正職員はその方の仕事も引き継いだりしました。また、看護業務以外にも経験年数によって、係や委員会、新人教育担当など役割を担います。勤務時間外でその作業を行うこともありました。


また、看護師の研修やステップアップにも力を入れている病院だったので、新人の頃は勤務内の時間で参加する研修も多く、勉強にもなりました。新人同士の交流のきっかけにもなり、とても充実していました。経験年数を重ねると、リーダー業務など責任が多く伴うような仕事を任されるようになり、そういった研修にも参加しました。

年収は6年目で約550万円ほどでした。特に福利厚生が充実しており、待遇に対して不満があるようなことはありませんでした。


なぜ転職しようと思ったか

新人の頃は目の前にある今ある課題をこなしていくのに精いっぱいで、がむしゃらに勉強し続けました。循環器科という何が起こるかわからないシビアな病棟勤務だったので、とにかく一人前の看護師として動けるようになるために、先輩看護師から求められるものもレベルが高かったと思います。

3年目には、新人教育に携わり、リーダー業務もするようになりました。若い世代が多い病棟だったので、中堅看護師に仲間入りしてから、色々な役割を担うようになりました。緊張感が常に伴い、業務量も多い、そんな多忙な毎日に疲れていました。


日勤では検査や処置、指導等に追われ、夜勤ではせん妄患者の対応や緊急入院の受け入れ・・・日々はあっという間に過ぎていき、ふと気が付けば、私は今何のために看護師をしているのだろうと考えることが多くなりました。

ポジティブな退職理由もなく、退職したい気持ち自体も非常に漠然だったため、上司に相談した所で相手にしてもらえないだろうと思い、生活のためにも働き続けました。


6年目になり、立場的にもチームのリーダーとして期待され、心身ともにすり減る思いでした。疲れやストレスからか蕁麻疹などの症状が出るようになり、苦しくて眠れないという日もありました。薬を処方されて症状はだいぶ落ち着きましたが、やはり薬を飲んでも症状を抑えられない日もあり、自分の体の変化にすごく悩みました。

また、インシデントはないものの、同じ時期から気持ちを集中させるということが難しくなり、頭では分かっているのに対応できなかったり、空返事になってしまったりすることも多く、自分の中で「なんで」と悔しい気持ちでいっぱいでした。

主治医からもストレスの原因が分かっているならばそれを取り除いてあげた方が体のためにはいい、と言われ、自分のためにも今後の働き方についてしっかりと考えなくてはならないと改めて思いました。


本当にやりたいことは何なのか。このまま働き続けるとどうなってしまうのか。大学時代から予防分野への興味があった私は、ゆくゆくは保健師として働きたいという気持ちがありました。

看護師とは異なる職種ゆえに今までは失敗したらどうしようなどと思い躊躇していた部分もあったのですが、その時の私はもう“こわいものなし”だったのでしょう。保健師として働くことを目標にし、なにがなんでも転職をしようと心に決めました。


どんな転職活動をしたか

何事も形から、とりあえずはと思い、某有名転職サイトに登録しました。産業保健師への転職希望ということとできれば正社員で雇ってもらいたいこと等、いくつかの条件を伝えました。担当者からは、保健師の募集自体稀少なのでスムーズな転職は難しいかもしれないと伝えられました。

企業の正社員募集は、ほとんど保健師経験が必須なものが多く、こちらが望んでいる転職先は見つかりませんでした。産業保健師は採用人数も少なく、保健師経験がない場合、契約社員からのスタートになるということを調べていくうちに知りました。他の転職サイトにも登録しましたが、やはり募集も少なく、ましてや看護師経験のみの場合、募集件数がかなり絞られました。


保健師の仕事が自分に合うのかさえわからなかった私は、まずは、看護師経験のみでも正社員応募が可能な健診センターの保健師にしぼり転職活動を再開しました。

気になったものが数件見つかりましたが、担当者がつくような転職サイトを利用して見つけたわけではなかったので、自分でメールや電話のやりとりをしました。施設見学も何箇所か行きました。病棟で働きながらの転職活動だったので日程を合わせるのが難しかったです。


平日の昼間指定のところがほとんどなので、夜勤明けで施設を見学したり、面接に行ったりしました。大変でしたが、転職して次のステップにどうしても進みたかったので、疲労がたまりながらも転職活動を続け、最終的には二択に絞りました。決め手となったのは、育児時間等の体制がしっかりしていることと実際に理解のある職場かどうかです。

他には、研修や学会への参加を推進してくれるかどうか、を重視しました。やはり今後のライフイベントに沿って、保健師としていかに向上心を持って働き続けていられるか、それを考えたときに今の職場一本に選択肢を絞りました。2ヶ月ほどの期間で、正社員として採用が決まり、晴れて健診センターの保健師の道を踏み出すことができました。


転職後の職場の様子、感想

転職後は、看護師時代には考えられなかった生活をしています。週5日勤務で1日7時間程度の勤務です。残業は全くないので、プライベートな時間がしっかりと確保されました。有給消化率もほとんど100%です。

給料は夜勤等の手当がない分、看護師時代より下がりました。月収23万円程度です。しかし、家計のことなど考える余裕や料理する時間ができたので、私生活が充実しています。ちゃんとした生活を送っている感じがします。


仕事内容も、がらりと変わりました。まず立ち仕事からデスクワークになり、座っている時間が多いので慣れるまではなんだか落ち着きませんでした。パソコン作業はもともと電子カルテを扱っていたので苦労はなかったです。

指導するのは健康診断に来た働き盛りの30代からの方々で、病気や医療に関心がない人たちがほとんどです。自分自身の健康に少しでも関心を持ってもらえるよう指導したいと思いながら、日々切磋琢磨しています。

また研究や研修参加に力も入れており、上司も業務に沿って講座などの参加を薦めてくれるので、学ぶことに対してとても積極的です。実際に産休明けに仕事を続けている保健師も働いており、出産・育児にも理解ある職場でした。


これから転職する方へのアドバイス

私の転職活動は約2か月で終わってしまったので、振り返るともっと長期間をかけて転職先を吟味すればよかったと思いました。

保健師の募集自体が少ないので、焦ってしまいがちですが、自分がやりたいことを明確にし妥協はせず、待ち続けることも必要だと感じました。ただ保健師の仕事自体は、興味があるのであればどこに就職してもとても魅力的なものだと思います。

今の状態に疲れ切ってしまい、余力がなくて、転職活動をしたいのにできないという人は多いと思います。ただ、思い立った時がその時なのです。現状に納得もできずに働き続けるよりも、失敗を恐れずに自分に正直に生きる未来のことを考えるべきだと、転職した今そう強く思います。


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