看護師の転職体験談(48):手術室勤務から、結婚を機に健診センターへ転職


(写真はイメージです)


神奈川県 20代後半、女性

転職前はどんな仕事をしていたか

地方の総合病院で働いていました。手術室勤務で、月収約23万円程度、日勤・遅番・夜勤の変則2交代制でした。定期手術は基本的に平日のみのため、土日勤務は月に1回程度、ほぼ土日休みのようなものでした。ただ月に1回程休日待機があり、夜勤も人数が少ないため月に2,3回でした。

この病院は、実際に私が大学時代に看護実習を行った病院だったため、この病院に就職しました。地方の中枢病院でもあり、様々な診療科の患者さん、そして様々な疾患をもつ患者さんが毎日やってきました。


私は主に脳神経外科や一般外科(主に開腹手術や内視鏡手術など)、そして整形外科などを担当していましたが、どの診療科の、どの患者さんを担当するかは、いつも前日の夕方に決まっていました。予め、定期手術を担当することになっていることがほとんどですが、毎日、緊急手術要因として、定期手術に割り付けされていない看護師が2,3人いました。

また、手術室の看護師の仕事は実際の手術に入ることだけではなく、術前訪問や術後訪問、更には翌日の手術が滞り無く行われるようにするため、器械や衛生材料の手配なども行っていました。


私はもともと、手術室は希望ではなかったため、最初は戸惑うことが多かったです。看護大学でも、手術については手術室見学をしたり、清潔・不潔の区別や、ガウンの取り扱いなどの初歩的なことは勉強しますが、実際の内容までは深く踏み込んで勉強しないため、最初は未知なことだらけです。

外回り看護師の業務、器械出し看護師の業務、それぞれははじめ覚えるのがとても大変でした。全身麻酔について、麻酔が人体に及ぼす影響、水分出納バランスや輸血について、そして各診療科の解剖についてもはじめから勉強し直すことが多く、家に帰ってからも勉強漬けの毎日でした。それは何年目になっても同じです。


慣れてきた診療科は、もっと深めるための勉強を、そして経験の浅い診療科でも、緊急手術でくれば対応しなければならないので、新しく知識をとり入れるために勉強をしました。また、麻酔や全身管理なども、もちろんどんどん知識を深めていかなければなりません。

さらに、だんだんと経験年数が増えてくると、今度は後輩の指導にもあたるようにもなり、私と同じような看護学生に指導することも増えていきます。私自身、1年間プリセプターを努めましたが、人に教える、人を育てるということは簡単なことではありません。間違ったことは教えられないので、自分自身もよりいっそう勉強が必要になります。

手術室で勉強することは、深めようとするととめどないですが、理解しきれなかったところは先輩看護師や医師に確認して理解を深めたり、また看護研究などを行うことで、より多くのことを学ぶとてもよい機会だったと思います。
 

なぜ転職しようと思ったか

まず1番大きなこととして、結婚がありました。それまでは一人暮らしをしていたのですが、正直なところ、家のことは全然何もできていませんでした。手術室の勤務は、慣れるまでが最も大変ですが、ただ慣れるだけではいけません。

流れを覚えるだけでなく、なぜそうなるのか、といった根拠をしっかりと理解することが重要です。体位を作るにも、手術の流れを追うにも、輸血や与薬を行うにも、何に対しても根拠が必要です。それに関しては、かなり多くの時間を勉強に割きました。日勤の仕事が終わって、日付が変わるまで図書館にこもったこともあります。


また、手術室は、病院の中で最も安全な場所でなければなりません。つまり、術中患者さんが全身麻酔をかけられていても、安楽に、そして無事に手術を終えて病室に帰れる場所でないといけないのです。失敗は許されません。

もちろん、診療科によって雰囲気は全然違いますし、穏やかに手術を行う診療科も少なくはありません。手術中に雑談をすることもありますが、そんな中でも誰ひとりとして集中力は欠かさず、緊張感は忘れていません。


そんな、仕事や勉強と、家庭を両立する自信がなかったのです。経験年数がたてばたつほど、後輩に教えながら手術に入らなければならず、教えるためには自分ももっと勉強しなければなりません。さらに、いろんな手術にも対応しなくてはならなくなるため、さらに勉強が必要になります。そして正直やはり手術室の勤務は激務です。

1日じゅう立ちっぱなしで、普段から優先順位をとっさに考えたり、次に何をすべきかを考えたり、頭をつかうことがとても多い場所です。もちろんそれらはとても貴重な経験として積み重ねられていきますが、一日の仕事でかなり体力を使い、仕事が終わってからも勉強に多くの時間を割くとなると、どうしても家のことが後手に回ってしまいます。

しかし、結婚して新しい生活が始まる以上、家庭を疎かにしたくありませんでした。自分だけではなく、パートナーの生活もあるのです。そうして、転職を考えました。


どんな転職活動をしたか

まずは新生活に慣れるためにも、正社員ではなく、パートやアルバイトで探しました。看護師の転職サイトに登録して、中規模病院やクリニックなどのパートも紹介してもらいましたが、結局、病棟経験があまりなかったため、また1から勉強し直すことになります。

それでは、あまり今回の転職する意味がないため、最終的にはインターネットから自分で探しだして、健診センターのアルバイトをすることにしました。健診センターは、朝は早いですが帰りが早く、掃除や洗濯、料理などに使える時間はたっぷりとれるし、もし何かあった時の対応など、手術室で積み重ねた経験を活かせる仕事だと思い、健診センターに決めました。


転職後の職場の様子、感想

転職後は1日16000円~17000円程度、半日の日は11000円程度と、かなり割の良いお仕事です。業務に入る日は毎日ではないですが、週3日程度でも、1ヶ月に15万円程度稼ぐことができます。

仕事の内容としては、そのまま健診です。会場まで健診バスで行き、時間までに会場の支度をします。健診項目はその事業によって多少異なることはありますが、たいていアルバイトの看護師が行うのは、腹囲測定や血圧測定なので、特に新しい知識は必要としません。


今までの仕事と比べると、勉強も何か疑問が生じた際などはもちろんやりますが、手術室にいたころよりはかなり自由な時間が増えました。緊張感が全くないわけではありませんが、精神的にもだいぶ負担は軽くなったように感じます。

周りの方々は、正社員として勤務されている人がほとんどですが、アルバイトの私にもはじめは丁寧にやり方や流れなどを教えてくれて、とても働きやすい環境です。最初こそ、今まで務めた職場を辞めて、新しいことを始めるのに不安や抵抗はありましたが、今では思い切って転職してよかったと思います。


これから転職する方へのアドバイス

仕事に対してやりがいや勉強の場を求めるのはとても素晴らしいことだと思います。でも時には、自分のライフスタイルに合わせて、自分の時間を持つことも大切です。辛くて辞めたいと思っている方も同様です。

自分の時間をしっかりと持ち、気持ちに余裕ができてこそ、より質の良い看護を提供することができるのだと思います。簡単に「やめてしまえ」というわけではなく、自分の中ではっきりと明確な理由があれば、思い切ってやめて、新しいことを始めるのも、1つの選択肢だと思います。

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