看護師の転職体験談(38):激務だった総合病院から急性期対応の小規模病院へ転職


(写真はイメージです)


(東京都・35歳・女性)

転職する前はどんな仕事をしていたか

看護大学を卒業後、ベッド数900床の大規模な総合病院に就職しました。そこは新人教育に力を入れていることで有名だったので、新人のうちにしっかり勉強をしたいと思い入職しました。

ほとんど中途採用の看護師は採用しておらず新人からその病院で働き続けている人しかいないような環境でした。総合病院といっても、大学病院に近い雰囲気で研修医も多く看護師も半分以上は20代でした。


内科と外科の混合病棟で5年間勤務し、急性期から慢性期の看護を一通りみな看護へのモチベーションが高く、ハードワークでしたが勉強になることも非常に多かったです。

退職時は新卒採用5年目で年収約500万、3交代勤務で夜勤は月8~9回。早出、遅出などの変則勤務もありました。

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なぜ転職しようと思ったか

医師も看護師も医療へのモチベーションが高く、色々と新しい医療を学べる環境は面白くやりがいもあったのですが、それ故にかなりの激務でした。

新人教育も手厚いため、先輩看護師が業務後に新人と一緒に残って指導することも多く、経験年数に応じた研修やレポートなどもたくさんありました。

残業も多く、日勤でも夜勤でも平均3~4時間あり家に帰るとぐったりベッドに突っ伏してしまい、そのまま何もせずに寝てしまうということが日常でした。


先輩看護師は5年目あたりで辞める人が多く、独身の時は何とか働いていたけれど結婚したら、あまりにもプライベートの時間がなく辞めるという人も多くいました。

育休明けで復帰する人もまれにいましたが、残業の多い病棟で続けていくことができず外来の非常勤に変わる人もいるような職場でした。

忙しすぎてスタッフに気持ちの余裕がなかったことと平均年齢が若く出産経験のないスタッフが多かったので、自分も含め妊娠や子育てしながら働く人への理解が足りない部分もあったと思います。

 
また、看護師の多くが20代前半だったので経験5年目になると主任候補になるような職場でした。自分より経験年数の長い先輩が少なくなるため、自分にかかってくる責任も重くなり、激務の中、自分の命をすり減らして働いているような感覚に襲われることもよくありました。


5年務めたころに自分自身疲れたこともあり、前の病院を辞めてリフレッシュの為に前から興味があった海外に遊学しました。

1年後帰国し再就職を考えたとき、前の病院は人手不足だったのでいつでも戻ってきていいと言われていたのですが、その時点で結婚を考えている相手がおり将来的に長く働くことを考えると、もとの病院に戻るということは肉体的にも精神的にも長年働続けるのは難しいなと思い転職活動をすることになりました。

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どんな転職をしたか

海外から帰国後、まずは派遣・転職サイトに登録して単発の看護のバイトをしながら「残業が少ないけれど、複数の科があって急性期の治療をしている病院」で働きたいという条件で自宅から通えそうな病院を自分で病院のホームページを見ながら探していました。

まず小規模の一般病院で残業が少なさそうな病院に見学に行くと人手不足なので、今面接して問題なければ採用でも良いと言われたのですが、自分の希望していない療養型に近いように感じたことと人手不足を派遣の看護師で補っていることがネックとなり面接は断ることになりました。


今まで、派遣の人と病棟で働いたことがなかったので正社員への負担が大きいように感じたのです。

そんな時、単発バイトの為に登録していた派遣・転職サイトの人と面談をした際に、正社員を考えているかと質問があり、上記の条件で探しているところだと答えたところ、自分の条件に合った病院をいくつかピックアップしてくれました。


丁寧に面談をしてくれ、自分が気になっている病院以外にも幾つか資料を揃えてくれました。

最初は家近くの病院にしようかと思っていたのですが、担当者の方から「あなたの希望であれば、近くの病院よりも臨床での技術ができる」と少し離れた別の病院を薦められました。


その病院は残業がなく、子育てしながら働けることをウリにしているところがあったので転職サイトの人に仲介をお願いし面接、採用されることになりました。


転職後の職場の様子、感想

転職後の職場は200床程度の小規模な病院ですが、急性期対応で様々な化学療法なども行っているので、技術的に新しく勉強になることもたくさんあります。

独身が6割、既婚・子育て中の人が4割くらいで、中途採用の人で30~40代のベテランが多いので安心して働くことができます。みんなだらだら残業したくないから早く帰ろうという雰囲気が強く、残業はとても忙しくても1時間程度です。

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私は新しい職場に転職してから妊娠・出産・職場復帰をしましたが、周りの理解があるので妊娠中は早めに夜勤を免除してもらったり、子供の急病で突然休む際もあまり引け目なく休ませてもらうことができています。

また、現在の職場は2交代なので最初は長い夜勤をこなせるか心配だったのですが、いざやってみると2交代の方がまとめて働いて休むということができるので、夜勤回数が少なくてすみ結果的には体の負担が軽減しました。


忙しくて仮眠がとれないということもありません。残業も月に10時間超えることはありませんが、年収は以前の職場とほとんど変わりません。

これから転職する人へのアドバイス

初めての転職だとどうすれば良い転職ができるか分からないことが多いと思います。私も転職が初めてだったことと早く正社員で働きたいと思っていたので、気持ちが焦っていました。

そのため、あまり色々と比較をせず転職サイトの担当者に勧められるままに病院を選んだところもあったのでもう少し色々と比較をしてみても良かったかなぁと思う部分もあります。


また病院の情報について転職サイトの担当者の言葉を鵜呑みにしてしまい後で後悔したことがありました。担当者には面接といっても形だけのものだから見学をしないですぐに面接して大丈夫ですよと言われ、病院見学をせずに病院の面接に行ったときのことです。

病院側にはそのことは伝わっておらず面接の際に「なぜ病院見学をしないで面接に来られたんですか?見学せずに就職してしまって大丈夫ですか?」と病院側から聞かれて上手く答えられず困ったことがありました。


よく考えれば自分が就職するところなのできちんと見学をしたうえで面接するのが当たり前で派遣サイトの担当者の言葉を鵜呑みにしすぎたなと反省しています。

ただ、転職会社の人は複数の求人情報を持っていて、自分が全く知らない病院の情報も提供してくれるので、自分だけで一から探す時間も省けますし選択の幅も広がります。


特に現在働きながら、次の就職先を探す人にとっては転職会社を上手く利用して効率的に転職することができるのでお勧めです。

また、転職を考える理由は、プライベートでの環境の変化や職場の人間関係、仕事内容など様々だと思うので、転職サイトを利用する際は転職する理由をきちんと把握して親身になって対応してくれるところが良いと思います。

そして、自分の中での働く条件がはっきり決まっていないと候補を絞れないので、絶対譲れない条件、できれば叶えたい条件など優先度を分けて具体的な項目を挙げておくと転職をサポートする側もより希望にあった転職先を探してくれるでしょう。


あとは、転職サイトやサポートしてくれる担当者との相性が良いと転職活動もスムーズに進むと思うので、いくつかの転職サイトに登録して担当者の対応などを比較して自分に合うところを探すことをお勧めします。

少し面倒なことだとは思いますが、より良い転職を実現するために手間を惜しまず頑張ってください。


職場の先輩のいじめが原因で転職


(広島県 37歳 女性)

転職前どんな仕事をしていたか


(写真はイメージです)

国立病院系の重症心身障害児病棟に勤めていました。常勤、二交替で夜勤が月に2回から3回あり、お給料は手取りで25万円前後ありました。

早出や遅出があったりして、一概には言えないのですが、一番多い出勤帯は9時半から18時半までで、休憩が1時間ありました。夜勤の日は17時に出勤し、翌日の9時半まで勤務でした。


休憩は2時間(夜の0時から2時まで)でした。国立病院系でしたので、勉強会が毎週のようにあり、それに委員会や看護研究に明け暮れる日々でした。18時半に終業も、実際に帰るのは20時を過ぎるのは当たり前のようにありました。

勉強会なので、もちろん残業手当はつかなかったです。夜勤明けに看護研究となると、一睡もしていないうえに一日中話し合い、帰るのがその日の夜ということもありました。

なぜ転職しようと思ったか

まず、一つ目に看護というより介護を必要とするほうが多い病棟だったので、看護の力が養われないという理由です。採血なんて、1か月に数回しかありませんでした。

看護記録も毎日同じようなSOAPを記入するのみでした。看護のやりがいというものが少なく、このままだと、次の再就職先なんてどこもなくなってしまうという危機感をもっていました。


二つ目に体力的にとてもきつかったということです。毎日、30名近くの患者さんのおむつを2回も3回も変えたり、入浴介助で数十人の患者さんを持ち上げたりと、腰が痛くなるのはもちろんのこと、家に帰るともの体力的にものすごく疲れて口もきけない状態でした。


腰痛がひどくなりすぎて、朝起きれなくなる日々もあり、仕事が休みの日はほとんど整形外科に通っていました。三つ目に夜勤のたびにわが子が泣きながら寂しいと電話してきたことです。

物心つくまでは、私は子供のそばにいたいと思い、看護師とは違う職種で働き、夜勤をしていなかったので、わが子も夜勤に慣れていませんでした。


私には二人の子供がいるのですが、上の子はまだ小学校の低学年で夜勤のたびに「寂しい」と電話が病棟にかかってきていました。夜勤を終えて 家に帰ってくると「もう夜勤にいかないで」と毎回のように泣かれました。
これは親心としては胸を締め付けられるような思いがあり、どうしてあげたらいいものか大変困っておりました。


そんな時、決定的な四つ目の理由が発生しました。重症心身障害児病棟でベテランだった師長が定年退職することになり、新しく変わった私と同い年の師長が、かなりのくせの強い人でした。

ターゲットと決めた新しく入職した看護師や看護助手が失敗したことを、みんなの前で怒鳴り散らしたり、バカにした言動を繰り返したりしていました。それをみんな嫌だな~という気持ちはあったのですが、誰も何も言えない状況でした。


そんなある日、その師長が患者さんにも「うるさいっ」と大声で怒鳴り、患者さんがそれにびっくりして静かになると、「ほらね、言うこと聞いた」と嬉しそうにセンターにいた看護師たちに言っているのをみて、私は白けた顔をしてしまいました。

その時、その師長と目が合ってしまいました。そこから、次のターゲットが私になりました。師長のお気に入りの子がふざけていたり、患者さんに失礼な態度をとっても、ミスをしても、一緒に笑っているのですが、私が、その子を同じミスをしようものなら鬼の首をとったようにみんなの前で怒鳴られるようになりました。


師長が私に怒鳴っているのをみて、何人かの中堅看護師は私に怒鳴ってもいいと思ったらしく、今までよく教えてくれていた数人が同じように怒鳴ってくるようになりました。

そんな日々が三か月くらい続いた日、朝ベッドから起きようとしても、身体が砂袋をかぶせたようにいうことをきかなくなりました。それでも無理やりベッドから出て、朝ごはんを食べようにも食欲がなく、なにも食べることができませんでした。


何かを食べようとすると、吐き気がするのです。そして、車にのって病院に向かうのですが、車のなかで涙が出て止まらないのです。病棟につくと、耳がキーンと音がして、めまいもし、日の光をまぶしく感じるようになりました。

夜も寝つけません。一か月で体重が10kg落ちました。仕事をしてもどんどんミスは増え、怒鳴られることも増え、悪いスパイラルにはまってしまいました。


そして、心配してくれていた同僚のススメもあり、心療内科にかかることにしました。もちろん診察結果は、「鬱」でした。そしてそこのドクターが「もうそんな病院辞めてもいいんだよ。君なら他でもっといい看護師になれる。僕が保証する」と一言いってくれました。

その途端、肩の荷が下り、もう頑張らなくてもいいんだ、あの病棟に行かなくて済むんだと思うと、涙があふれてきたのを覚えています。


次の日、病棟に「鬱」で休職願いを電話で伝えました。看護部長にも呼ばれたので話をしたのですが、ほとんど看護部長の若いときの苦労の話を聞かされ「もっと気持ちを強く持って。自分に負けちゃダメ。

何があっても病院に来ないと、負けになっちゃうわよ」とのアドバイスに、もうこの病院で働くことはないなと確信にかわりました。

どんな転職活動をしたか

始めは紹介会社に登録をして、今のような2交代の夜勤のある勤務体系でお給料も変わらないところ、慢性病棟だけではなくしっかり看護を行えるような地元の病院を紹介してもらいました。

そこで面接前にコンサルタントの方と一緒に入念に打合せを行い、面接に臨みました。コンサルタントの方も面接に一緒に同行してくれました。院長や副院長、看護師長、副看護師長、事務長の5人との面接でした。


結果は「あなたみたいにやる気がある人はうちのような病院には向かない」という理由で断られてしまいました。病院の就職は断られることはないと聞いていたし、地元に他にいい病院はないとコンサルタントの方からも聞いていたので、八方塞がりになってしまいました。

そんないきさつがあり、自分に自信を持てなくなった時、ふと看護学校の時の尊敬していた先生が思い浮かびました。


そして、その先生にすぐに会いに行きました。今までのいきさつを涙ながらに説明すると、「よく頑張ったね。つらかったね。子供のことも考えて夜勤のないところにしようよ。子供たちにとってあなたはたった一人のお母さんなのよ」といわれて、夜勤でお給料が今くらいもらえるところを探していた私にハッときづかせてくれました。


そこで 転職の条件は、日曜祝日休みのクリニックということです。ハローワークにいって、この条件を伝えると、近所の眼科と整形外科を紹介してくれました。

ハローワークの担当の方は、病院の内部事情に詳しく、ほかにも求人のあるクリニックはあったのですが、ずっと求人がでているところや、よくない噂の多い病院はあえて紹介しないと、言っていました。


そこでオペをやっているので、夜勤はないけれど残業が20時間くらいあって、お給料が24万円~という条件にひかれ、地元でも人気の眼科クリニックを受けることにしました。そして院長と院長夫人との面接で、すぐに採用になりました。

転職後の職場の様子、感想

転職後、びっくりしたことは24万円からとかかれていた基本給が、私の場合、眼科の経験がないという理由で契約書では23万円となっていました。

最初の提示額とちがっていたので、やや驚きましたが、そんなこともあるのだろうと簡単に考えていました。勤務時間は8時半から18時半、休憩は2時間でした。けれど常勤は8時前には着替えて、掃除をしていました。


入ってからわかったことなのですが、院長の患者さんに対する顔と、スタッフに対する顔があまりにも違いすぎていたことで 休憩中スタッフ全員が院長の悪口をずっと言っていました。

お金にも厳しい人で、注射針一本無駄にしたくない、給料は年に100円上がれば良いほう、そんな方でした。


そして、このクリニックは、面接に来た人は誰でも採用し、やめるときもすぐに辞めさせてくれるところでした。ここの師長は、新人にたいして、きびしい対応で、一回教えたら、2度と教えないという方針の人でした。

2か月たったら、一人前になるのが当たり前といわれたのですが、オペのことも覚えることがたくさんで、ミスすると、院長が師長を怒り、それが新人の私に倍以上の怒りになって降り注いできました。

同僚同士の悪口陰口当たり前でした。新人は2か月続いたことのないクリニックでした。


けれど、前の病院に比べたら、夜勤もないのに給料は同じくらいもらえ、体力的にきついことも、便の臭いも嗅ぐことはなく、怒鳴る師長もいない。そう思って、働いていました。

看護学校時代の友達がこのクリニックにパートで勤めていたときいて、いろいろ情報をきいていたのですが(人間関係や院長の人柄、給料体系)、パートで午後だけ来ているのと、常勤でずっといるのでは、まったく師長の対応が違い、常勤だと毎日一緒に顔を合わせて嫌味や蔑みを言われ、戸惑ってしまいました。

(まとめ)転職活動を通じて感じたこと、学んだこと

ハローワークの担当の方も、そこのドクターの評判がいいという理由で勧めてくれたのですが、スタッフに対する顔があまりにも違いすぎて、驚いてしまいました。

そして、そこでバイトをしていた友達からも、詳しく情報を仕入れたつもりだったのですが、その友達はクリニックが新設されてから2か月しか働いておらず、内部の詳しい情報はあまり知っていませんでした。


実際に入職しないと分からないことがたくさんあり、何を信じて、何が信じられないのかわかりません。

できれば、同じ条件(常勤など)で辞めていった人の理由などを面接のときに聞いておくと、心の準備ができるのでしょうが、個人的には難しいと思います。

うまく紹介会社のコンサルタントにも情報をきくようにして、焦った行動はとらない方がいいと思います。転職活動は一期一会です。

いい出会いにめぐりあえるように、焦らないで、もっと多くの専門の方にお話を聞いてみるのもいいと思います。

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