病棟勤務と訪問看護、有利なのはどっち?



病院は看護師の主要な勤務先であり、なかでも病棟に配属されてシフト制の夜勤をこなしている看護師は大勢います。ただし病院のほかにも看護師の求人先として様々な施設が見られ、そのなかで今後ますます需要が見込まれているのが「訪問看護」です。

超高齢化の進行、慢性化する医師不足により、入院治療よりも在宅医療の拡充が急がれており、その担い手となるのが看護師、保健師、助産師です。

求人を選ぶとき、病棟勤務と訪問看護、どちらも興味があるけれど自分に合っているのはどっちなのだろう?と迷う方もいると思います。ここでは病棟勤務・訪問看護それぞれの特徴をまとめ、より有利といえるのはどちらかを考えてみます。


病棟勤務の特徴


病棟の種類

医師法において、病棟とは「医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、20人以上の患者を入院させるための施設を有するもの」と定義されます。

在宅ではなく入院して加療、継続治療をする必要があると診断された患者さんが、治療だけでなく生活の場としても過ごす場所です。

病気や怪我の状態によって入院する病棟が異なります。集中治療が必要で、ある程度短期での退院を見込んでいる一般病棟(急性期病棟)、病状は安定しているものの在宅での治療が難しい患者さんのための療養病棟(慢性期病棟)、在宅のためのリハビリを受ける回復期リハビリテーション病棟、がんなど治療に苦痛を伴う疾患をケアする緩和ケア病棟に分類されます。

病棟勤務の看護師の仕事

病棟での看護師は、定期的なバイタルチェック、点滴や投薬などの処置、食事の配膳、清拭やガーゼ交換、検査準備や移動・生活の介助などを行います。

24時間看護が続くため、病院によって2交代・3交代勤務などのシフトを決めて看護師たちが交代で出勤します。日勤では検査やカンファレンス、手術のための準備が多くなり、夜勤では巡回、ナースコールの対応や急変対応が多くなります。

急性期病棟では容態の変化に注意が必要な患者さんが多く、より高い緊張感が求められますが、慢性期病棟では患者さんが長く過ごすこととなり、その家族も含めてより深い人間関係を築くことになります。


訪問看護の特徴


訪問看護とは

小児から高齢者まであらゆる年齢層の、病気や怪我のために寝たきりの方、継続的な加療・健康管理やリハビリが必要な方を対象として、ご自宅や入居先の福祉施設などを訪問し、一人一人に必要な看護を提供します。訪問看護を担うのは、主に看護師や保健師、助産師の免許を持つ職員・社員です。

訪問看護の看護師の仕事

利用者の症状によってケア内容が違ってきますが、1回の訪問につき60分看護を基本として、バイタルチェック、医師の指示による注射や点滴などの医療処置、人工呼吸器やカテーテルなどの医療機器の管理、褥瘡管理やリハビリ、そのほか食事や入浴介助など療養上のケア全般を行います。

利用者のパーソナルスペースで行う訪問看護では、利用者やその家族により深く関わることとなり、看護師が様々な相談にのることがあります。利用者の方がどのような看護を希望するのか、その意思決定を重視したうえでの情報・医療を提供することが大切です。

また在宅医療では、ケアマネージャーや介護ヘルパーなど複数の関係者が存在します。それぞれの専門家たちとうまく連携をとりながら、チームとして看護師の仕事を進めます。


病棟勤務と訪問看護、有利なのはどっち?


それぞれのメリット・デメリット

病棟勤務のデメリットとして、心身のハードさを挙げる方は多いでしょう。シフト制で日勤と夜勤を繰り返すことは、人間が本来持っている生活リズムを崩すことになります。疲れがとれにくくなったり、家族や友人との時間を作りにくい点が辛く感じられることがあります。

一方で訪問看護では、ほとんどの場合日勤・週休2日制となり、育児中や介護中などプライベートと仕事を両立させたい方には助かります。1回60分の介護を1日4~5件行いますが、病棟勤務のような大幅な残業や疲労の心配がありません。


看護師の悩みとしてよく聞かれる人間関係を見てみると、病棟勤務では看護師同士や医師・患者さんとの摩擦が多くなり、訪問看護では利用者や家族はもちろん、ケアマネージャーや介護ヘルパーらとの連携が重視されます。

いずれにしてもそれぞれの相手とのコミュニケーションが重要で、どちらが有利とも言えないようです。


病棟勤務はまさに医療の現場であり看護師としてのスキルを磨いていくことができますし、何かあれば他の看護師や医師にサポート・指示を求め、チームで対処することができます。

訪問看護は一人で訪問するため、トラブル発生時には限られた機器や薬剤でを用いて自分一人ですばやく適切な対応をすることが求められます。それだけ責任が重くなり、看護学校や病院勤務時に修得した知識だけにとどまらない、より幅広い分野の知識・スキルが必要とされます。


これがやりがいと感じられることもあるでしょうし、病棟での看護とは違って、本人の意思に寄り添った医療にじっくりと取り組める魅力があります。

給与面は施設によって幅がありますが、夜勤手当がつく病棟勤務の方が、訪問看護よりも好条件であるのが一般的です。

【看護師の仕事比較】

病棟勤務 訪問看護
治療場所 病院内 自宅・施設
主な仕事 処置・生活介助 療養上のケア
患者との関係 長期的 より私的に
勤務体制 夜勤あり 日勤
協働者 医師・看護師 ケアマネ・ヘルパー
緊急対応 看護師と協力 1人で決断

自分に合った働き方を選ぶ

病棟勤務と訪問看護のメリット・デメリットは、このように「どちらが有利」と一概に言えるものではありません。

働き方ややりたい仕事、得意分野や苦手分野などと合わせて、病棟勤務と訪問看護のどちらが良いかのか、「自分にとっての有利な仕事」を検討してみましょう。

実際の求人を比較してみると、働き方をイメージしやすくなります。看護師の転職サイトを利用すれば豊富な求人から条件に合うものを見つけやすく、専任のエージェントに色々と相談したり質問することもできて便利です。

<病棟勤務と訪問看護、有利なのはどっち?・まとめ>

  • 病棟には急性期病棟や慢性期病棟などの種類がある
  • 病棟では処置や介助など忙しく、交代で24時間看護を行う
  • 訪問介護では自宅や施設で個人に合った医療サービスを提供
  • 利用者の希望に沿ってケアマネらとのチームとして仕事に当たる
  • 病棟と訪問、それぞれにメリット、デメリットがある
  • 自分にとって有利な仕事を探そう

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