治験コーディネーターは未経験でも大丈夫?



看護師が活躍できる転職先のひとつに「治験コーディネーター(CRC)」があり、医療現場からの需要が高まっている職種のひとつです。

未経験でも転職できる職種なので「自分もやってみようかな」と興味を持つ方は多いと思いますが、一方で「本当に未経験でも大丈夫だろうか」という不安もあることでしょう。

そこで、未経験でも治験コーディネーターになりやすいのはどのような条件の方か、未経験で治験コーディネーターを目指す際のポイントとして、求められる能力や求人の探し方、注意点についてまとめていきます。


未経験でも治験コーディネーターになりやすいのは?


なんらかの医療従事者であること

「治験コーディネーターになるための必須資格」というものは挙げられておらず、求人だけを見れば誰もが治験コーディネーターを目指すことが可能と言えます。

とはいえ現実的には、何らかの医療経験を持った方の方が仕事をしやすいため、医療従事者の資格・免許を持った方の方が採用されやすく、免許なしでは応募は出来ても面接までたどりつけないのが現実です。

治験コーディネーターの約半数は看護師、1/3が臨床検査技師、1割が薬剤師と言われています。そのほかはMR、栄養管理師、保健師などで、何らかの医療関係の資格や経験を持っている方が、治験コーディネーターへ転職していることが分かります。

なかでも有利な看護師

治験コーディネーターの半数が看護師ということから、看護師免許や病院での臨床経験があることが、他職種と比べて転職の際に有利に働くことが分かります。

次の「求められる能力」で詳しく解説しますが、看護師が評価されるのは、患者さんと最も近い立場で接しているコミュニケーション能力と臨床経験です。臨床は3年以上の経験があると安心です。

先にCRAを経験しておく方法も

治験コーディネーターに似た職種として臨床開発モニター(CRA)があります。治験コーディネーターに比べて、臨床開発モニターの方が入職後の研修期間が長く、内容の濃い指導を受けられるため、未経験でもより入職しやすい職種となっています。

CRAの経験があれば、治験コーディネーターになった時にも同じフィールドとして働きやすく、採用側も安心なため、まずはCRAを経験した後に治験コーディネーターを目指すという方法があります。

回り道のように感じられるかもしれませんが、未経験であることが不安な看護師にとっては自信となる面もあります。


未経験で治験コーディネーターを目指す際のポイント


求められる能力

コミュニケーション能力

治験コーディネーターにおいては特に、被験者となる患者さんや一般の方とのコミュニケーションが大切になります。

その意味で、日常的に患者さんに接している看護師のコミュニケーション能力が高く評価されていて、採用時に重視されているのです。

治験では医師のサポートも行い、他の医療スタッフとも関わっていきます。被験者、医師、看護師、医療スタッフとそれぞれの立場や視点を理解したうえで、的確な発言でプロジェクトをリードしていく必要があり、コーディネーターには、関係者間を結びつけるコミュニケーション能力が期待されています。

医薬品の基礎知識、服薬指導経験

治験コーディネーターが取り扱うのはまだ実験段階の薬剤であり、既に承認されている薬剤のときよりも一層慎重な取り扱いが求められます。看護師には、医薬品の基礎知識や臨床での服薬指導経験があり、このスキルが活かされます。

総合病院の病棟などで、より多くの症例・服薬に接していたという経験は、転職時に有利に働きます。

積極的にプロジェクトを推進する力

治験コーディネーターの仕事は指示を待って進めるものではなく、積極的、能動的に推し進めるものです。まごついていては治験の進行具合や結果に影響が出ます。

治験がスムーズに進まないと、現場に混乱が生じるだけでなく、被験者の心理に、ひいては治験結果に悪影響が出る可能性があります。クレームとなれば会社にもダメージを与えてしまいます。

治験のスケジュール管理から、被験者への説明・ケア、報告資料の作成など業務の幅が広く、看護師とはまた違った忙しさを経験することになりますが、そのなかでも能動的に行動し、熱意をもってプロジェクトを推進する姿勢が求められます。


求人の探し方



治験コーディネーターへの転職では、まずは少なくとも2年、できれば3~4年の臨床勤務を経てから活動したほうがスムーズです。

そのうえで「未経験可」のものに絞って求人を探すと、より効率よく活動を進めることができます。どうしても働いてみたい求人先が「未経験不可」の場合には、他の未経験可の転職先でまずは経験を積んでから、改めて希望の会社へ転職するというのも一つの方法です。


看護師専門の転職サイトを利用すれば、コンサルタントに「未経験でも応募可能」という希望を伝えておくことで、条件に合った紹介を受けることができます。

その際には、少なくても2つ、できれば3つのサイトに登録して情報収集しましょう。治験コーディネーターの求人数は病院看護師のようには多くなく、さらに人気が高いです。サイトとのやり取りの煩わしさが増えるとしても、複数サイトで情報を集めたほうが、求人の取りこぼしを防げます。


転職の際の注意点

年収について

臨床経験3年以上を経てから入職するため治験コーディネーターの平均年齢は決して若いものではありませんが、それほど高い給与条件は期待できないことを覚悟しておきましょう。

成果主義で治験コーディネーターの地位が確立されているアメリカなどでは高年収を期待できますが、日本では新薬開発分野はまだそれほど重視されておらず、転職時には年収が下がるケースが多くなります。


企業によりますが、転職時で年収300~450万円程度、総合病院や大学病院での看護師の給与から比べればかなり厳しい条件です。

○歳以上では転職が出来ない、という職種ではありませんが、ベテランになってからの年収ダウンは厳しい場合が多く、若い時期で転職にチャレンジする方が合っていると言えます。

CRC認定試験について

治験コーディネーターになるためにCRC認定試験に合格しなければならない、ということはありませんが、入職後にはほぼ必ず目指すこととなる資格です。企業によっては、入職後の取得が義務化されていたり、給与査定に影響する場合もあります。

年に1度しか行われない試験なので、治験コーディネーターを目指すのであればあらかじめ情報をチェックし、勉強を進めておくと良い資格です。

<治験コーディネーターは未経験でも大丈夫?・まとめ>

  • 無資格でも応募できるが現実的には医療関係の資格が必要
  • なかでもCRCの半数を占めることから看護師の資格、経験が有利
  • 被験者、そしてスタッフ間を結ぶコミュニケーション能力が重要
  • 服薬指導経験やプロジェクト推進力が求められる
  • 未経験可に絞り、2~3の転職サイトで求人の取りこぼしを防ごう
  • 給与条件は高くなく、年収ダウンすることも多い

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