コンコーダンスとは?



コンコーダンスとは、治療方針を決定する際に医師が独自の判断で決定を行うのではなく、患者さんの考えを尊重した上で方針を決定する方法のことをいいます。

つまり、医師と患者さんが共同で治療を行っていく過程のことだといえるでしょう。ここではコンコーダンスや服薬コンプライアンス、アドヒアランスについてご紹介します。


コンコーダンスとは?

コンコーダンスが誕生したのは1993年頃です。もともとは英国で始まり、その後様々な意見を取り入れながら発展してきた方法でもあります。

1996年になると「Medicines Partnership Group」というイギリスの保健省と薬学会で作られたグループにより導入されました。当初は服薬のための患者のサポートは含まれていなかったのですが2005年になると看護師の役割として服薬サポートが含まれるようになりました。


コンコーダンス医療で十分な成果を得るためには医師だけでなく、患者も病気や治療に対して正しい知識を持たなければなりません。

近年はインターネットを活用して病気や薬について調べる方も増えましたが、その中には間違った情報も多いため、そういった情報を得ている患者さんに対し、正しい知識を提供するというのも医師と看護師の重要な役割です。


そのためには患者さんがよりわかりやすく治療を理解できるように言葉選びや説明の仕方などについても考えなければなりません。
看護師にも高いコミュニケーション能力が求められます。

服薬コンプライアンスとは?



服薬コンプライアンスとは、患者さんが治療・内服に関する指示をしっかり守っているかどうかをさすものです。

治療するのであれば医師の決めた通りに服薬をするのは当然では?と思うかもしれませんが、患者さんの中にはその薬剤の効果を信用していなかったり、副作用を心配して決められた通りに服用しない方もいます。


薬剤に対して何らかの不満や不安を抱えている患者さんに対し、「とにかく決められた通りに薬を飲んでください」とお願いしたとしてもなかなか守ってもらえないのは想像できますよね。

言い換えれば、患者さん自身がその薬を飲む重要性や副作用について正しく理解し、本当に必要であるという判断ができればコンプライアンスは良好になるわけです。


それを実現するために誕生したのが先述したコンコーダンスだといえるでしょう。

患者さんが治療をする上で本当に必要な薬剤であるということを理解できれば、飲み忘れも少なくなるはずです。

DH(Department of Health)とも呼ばれる英国保健省は英国王立薬剤師会であるThe Royal Pharmaceutical Societyと共同してコンコーダンスの必要性を検討し、それが日本に伝わり取り入れられています。

アドヒアランスとは?

アドヒアランスというのはコンコーダンスという考えが生まれる前の段階で実践されてきた考え方です。

アドヒアランスはコンプライアンスに比べると患者さんが服薬に対し、積極的に参加するべきであるという考え方のもとに成り立っています。


しかし、コンコーダンスのように医師と同じく薬剤を理解し、協力しながら治療方針を考えていくのではなく、どちらかというと患者さんは治療のために正確に服薬をしなければならないという考えが元になっているのです。

コンコーダンスに比べると、まだまだは医師が主体となり、強く服薬を求めていく考え方だといえるでしょう。


コンコーダンスとの違い



コンコーダンスはこれとは違い、患者さんの考えや希望を重視した服薬指導を行います。場合によっては患者さんが望まなかった場合に当初予定していた服薬の使用を中止したり、別のものに変更することもあるわけです。

コンコーダンスでは医師の判断だけでなく患者さんのライフスタイルや希望が重視されるわけですが、服薬の必要性や重要性について話をする中で患者さんからその薬剤を拒否されることもあります。


拒否されたら治療を行わないというわけではなく、薬剤について正しい説明を行い、患者さんにその薬剤を使う大切さを理解してもらうということもコンコーダンスにおいて重要な意味を持っているといえるでしょう。

信頼関係が築けなければ患者さんの悩みをうまく聞き出すこともできないため、コンコーダンスで良好な結果に導くためには医師や患者さん、看護師がそれぞれ信頼関係を築くことも大切です。


昔は医師が処方した薬剤は必ず飲むべき、という考えの下で治療が行われていたのですが、現在はコンコーダンスというものが取り入れられ、患者さんと医師・看護師といった医療関係者の距離が近くなったともいえるでしょう。

コンコーダンスにより患者さんを深く知ることができるようになれば、それだけ看護師のやりがいにも繋がっていくはずです。

<コンコーダンスとは?・まとめ>

  • コンコーダンスは患者と医療関係者が協力して行う服薬のこと
  • コンコーダンスでは患者の医師、ライフスタイルを尊重した服薬指導が行われる
  • 今ではコンプライアンス、アドヒアランスは過去の考え方となっている

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