看護師の転職先、呼吸器科について



呼吸器科は肺や気管、鼻、口、のどなどの呼吸器疾患を対象とする科です。主として薬物療法を中心に治療する呼吸器内科と、手術など外科的治療を行なう呼吸器外科に分かれている場合もあります。

ここでは呼吸器科で働く看護師の仕事や給料、求められる看護スキル、転職する際に注意点について詳しく紹介していきます。


呼吸器科で働く看護師の仕事や給料は



鼻や口から胸までの呼吸器疾患を心療する呼吸器科ですが、対象となる症状や疾患は多岐にわたっています。患者の状態によっては循環器科や耳鼻咽喉科との連携も欠かせません。その呼吸器科の特徴と看護師の主な仕事を下記にまとめました。

呼吸器科とは?

単に呼吸器科といった場合、呼吸器内科を指すのが一般的です。呼吸器内科では咳が止まらない、息切れがする、胸が痛いなどの症状のほか、風邪やインフルエンザ、気管支炎などの疾患を扱います。

薬剤を用いた心療が中心ですが、近年では化学療法や免疫抑制療法なども広く採り入れられるようになってきました。禁煙外来を設けている病院やクリニックも増えています。


総合病院や大学病院には、呼吸器外科を設置しているところもあります。肺がんや気管支がんなどの手術や放射線治療などを行なっているのが呼吸器外科です。

息切れや胸の痛みで呼吸器科(内科)を受診し、外科的治療が必要と判断されて呼吸器外科で診療を受ける患者も多数います。外科といっても必ずしも看護師すべてが手術を担当するわけではなく、手術室勤務を専門に担当する看護師がいる場合もあります。


呼吸器科(総合科・内科・外科)が対象とする主な疾患は以下のとおりです。

  • 風邪、気管支炎、気管支喘息、肺炎、インフルエンザ
  • 肺がん、気管支がん、気胸、胸膜腫瘍、呼吸器不全
  • サルコイドーシス、甲状腺腫瘍、肺感染症、漏斗胸
  • 原発性肺がん、転移性肺腫瘍、肺気腫、重症筋無力症 など

呼吸器科の看護師の仕事



呼吸器科で働く看護師の主な仕事内容です。


・患者受付と問診

病院やクリニックを訪れる外来患者の受付と問診を行ないます。呼吸器科には風邪や咳が止まらない、呼吸が苦しい等の症状を訴える患者が多く訪れます。

インフルエンザの診療も担当する科ですので、患者の体調に配慮するとともに他の患者への感染も考慮しなければなりません。著しく体調が悪い患者に対しては、看護師としての立場から判断して適宜対応する必要があります。


・患者の誘導と検査介助

外来患者を待合室や検査室に誘導します。検査に際しては脱衣のサポートや検査担当スタッフの介助などを行ないます。呼吸器科ではレントゲン(X線)検査や呼吸機能検査、胸部CT検査、MRI検査など各種検査が付き物です。

最近では肺疾患の診断のための気管支鏡(スコープ)による検査を行なう医療機関も増えています。


・医師の診療介助

診療介助と患者のサポートも看護師の重要な仕事です。呼吸器科で対象とするのは高校生以上の成人が主ですが、診療科の特徴から高齢者の患者を扱う機会が多くなっています。患者本人が円滑に診療を受けられるように援助するのと同時に、付添いの家族や同居者へのケアにも配慮する必要があります。


・感染症の予防と対応

呼吸器科には他の患者や医療スタッフに感染する可能性のある疾患を持つ患者が訪れる場合があります。例えば風邪やインフルエンザ、肺炎(肺炎球菌、マイコプラズマ等)、肺結核などは感染の可能性があるので注意が必要になります。

呼吸器科ではエイズから併発した呼吸器感染症を扱う場合もあるので要注意です。


・病棟患者の看護とケア

入院患者のいる病院やクリニックでは、患者の看護とケアも看護師の仕事です。バイタルチェック、注射や点滴、服薬ケア、創傷のケアのほか、食事・トイレ・洗面・衣類の脱着などの介助が必要になる場合もあります。付添い家族のサポートも併せて行ないます。

呼吸器科の看護師の給料

看護師の給料は月収30万円前後が相場となっています。地域や勤務先によって金額に多少の違いがあり、月収の平均は28~32万円程度と考えていいでしょう。夜勤のある勤務先の場合は手当として月に2万~2万2000円程度の加算がありますので、月収は30~35万円程度になります。

深夜勤があればプラス1万5000~1万8000円となるので月収は31~37万円程度です。これを年収に換算すると平均額は448~510万円、夜勤・深夜勤ありなら480~600万円程度となります。


呼吸器科で求められる看護スキル



呼吸器科の看護師に求められるスキルについて紹介します。

1.呼吸器疾患に関する知識

呼吸器に関する疾患すべてに精通している必要はありませんが、ある程度の基礎的な知識は必要です。呼吸器科は肺や気管支だけでなく、口や鼻、胸膜、縦郭などの疾患も診療対象にしています。

一般的な風邪から咳や痰が多い、呼吸が苦しい、深呼吸すると胸が痛むといった症状を扱うほか、肺がんや呼吸器不全、胸膜腫瘍などの疾患も扱うというように広範囲です。そのため、基本の知識がないと仕事を初めてから困ることになるかもしれません。

2.感染症予防の知識とスキル

呼吸器科の特徴のひとつが、風邪やインフルエンザ、肺炎、結核など感染の恐れがある疾患を扱うという点です。軽い風邪でも身体の弱った人や高齢者が罹患すると重大な問題に発展することがあります。

インフルエンザや肺炎なども同様で、重篤な患者を出さないためにも予防は欠かせません。呼吸器科の看護師には感染症予防の知識と共に予防のためのスキルが求められます。

3.フレキシブルで幅広い対応力

呼吸器科では軽い風邪から肺がん、気管支がんまで幅広い疾患の診療を行なっています。看護師も一般的な注射や服薬指導だけでなく、抗がん剤治療の介助や副作用のケアなどの仕事を担当する可能性が出て来るでしょう。

また中高年から高齢の患者が多い診療科であり、さまざまな患者に対してフレキシブルに対応できる能力が必要です。


呼吸器科に転職する際の注意点について



呼吸器科に転職する際に看護師が注意すべき点について説明します。

診療科目と内容を再確認しよう

一般に呼吸器科といった場合は呼吸器内科を意味しています。手術などの外科治療を行なう科に転職したい場合は呼吸器外科の求人を探してください。ただし呼吸器外科でも病院によっては手術は専門部署が行なうというところもありますので、事前にしっかりと診療内容をリサーチすることが大切です。

呼吸器科には感染リスクもある

呼吸器科ではインフルエンザや肺結核など感染リスクのある疾患を診療するため、そこで働く看護師にも感染の可能性がゼロではありません。エイズから併発した呼吸器疾患を扱う呼吸器科病院やクリニックもあります。

院内感染を防ぐのも看護師の仕事のひとつですが、転職を検討する人は感染リスクについても知っておきましょう。

勤務先によって仕事内容は変わる

同じ呼吸器科の病院やクリニックでも、勤務先によって看護師の仕事内容は違ってきます。肺移植や胸腔鏡下手術などの先進医療を実施している呼吸器科もあれば、地域密着で一般内科やアレルギー科を併設している呼吸器科もあります。

院内(所内)に禁煙外来や睡眠時無呼吸症候群外来などを設置している病院やクリニックも増えており、呼吸器科でどんな看護の仕事をしたいかを事前に考えたうえで求人先を探す必要があります。


看護師の呼吸器科への転職では、求人先の詳しい情報を事前に得ておくことが重要です。個人では分かりにくい求人先の情報を事前に知りたい場合は、看護師専門の転職サイトを活用することをオススメします。

<看護師の求人先:呼吸器科のまとめ>

  • 肺、気管、鼻、口、喉など呼吸器の疾患を扱う科
  • 風邪、気管支炎、肺炎、肺がんなど対象疾患は幅広い
  • 単に呼吸器科といった場合は呼吸器内科を指している
  • 呼吸器疾患の外科的治療を行なうのは呼吸器外科
  • 肺炎や肺結核、インフルエンザなどの感染リスクあり
  • 先進医療から禁煙外来まで振り幅の広い診療科である


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