7対1看護(病床)体制とは?



みなさんは「7対1看護体制」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?「7対1看護体制」とは、患者7人に対して看護師1人が常時勤務するシステムのことをいいます(7対1病床体制とも言います)


7対1看護体制が始まった背景

この「7対1看護体制」は、諸外国と比べて低レベルであった日本の看護職員の配置基準の見直しを行なうためにスタートしたものです。2006年(平成18)には診療報酬も改訂され、入院基本料区分に「7対1看護体制」が加えられました。

「7対1看護体制」は病院看護師が受け持つ患者数で決められている入院基本料区分でいえば、最も高い報酬が得られるということになり各医療機関が次々とこの体制の採用を検討・開始したことはいうまでもありません。


確かに「7対1看護体制」はそれまで一般的だった「10対1看護体制」と比較して診療報酬が高くなるだけでなく、現場レベルで見ても看護師1人が担当する患者数は10分の7(70%)になるわけで画期的な新制度ということができます。

しかし逆にいえば、これまでは10人の患者に対して看護師が1人いればよかったのに対し、「7対1看護体制」を採用すると7人の患者に対して看護師1人が必要になるというように変わります。


7対1看護体制によって看護師の求人市場が激変した?

たとえば患者が100人の病院なら看護師が10人でよかったものを、新体制に移行すると15人の看護師が必要となるわけです。

かりに病棟があって24時間通して看護師が必要な病院であれば、わずか15人の看護師数では業務が行なえませんので、現実にはもっと多数の看護師を雇用する必要があります。


当然のことながら、この「7対1看護体制」の開始した病院は新たな看護師の求人を行なって雇用者を増やそうとしました。そこで起こったのが看護師不足であり、病院の人件費の高騰ということになるわけです

「7対1看護体制」になれば診療報酬もUPされるというものの、看護師不足と人件費の高騰は起こるべくして起こったということになるでしょう。

結果として資金力のある大手病院に看護師が集まり、地方の中小規模の病院や過疎地域の小規模病院にシワ寄せがいくということにもなったようです。

<関連記事>
看護師不足の実態と原因


看護師から見た問題点は?

さらに看護師の立場からすると、受持ち患者が減ることになる「7対1看護体制」は歓迎すべきシステム化というと必ずしもそうではありません。

看護師不足や人件費の問題を抱えた病院では高額の入院基本料を得るため、無理な体勢であることを知りながら「7対1看護体制」を行なっているところもあります。


ギリギリの看護師数で「7対1看護体制」を実施すれば、誰かが急用や体調不良で勤務を休むと残りの看護師の負担が重くなります。

もし転職などを考えている場合、単純に「7対1看護体制だから勤務が楽な病院かもしれない」と判断するのは危険かもしれません。転職のための求人先を探す際には、求人情報に詳しい転職サイトなどを活用して事前に充分なリサーチを行なうようにしましょう。

(追記):
平成26年度診療報酬改定により、7対1看護体制の環境が大きく変わりました。詳しくは下記をご覧ください。
平成26年度診療報酬改定で受ける病院経営への影響度



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