看護学校教員の仕事や給料、求人選びの注意点は?



看護師の職場のひとつとして、「看護学校の教員の仕事」があります。現在、教員の求人が急増しています。今まで教員の仕事とは縁がなかった人でも、病院やクリニック以外の看護師の仕事として注目が集まっているのです。

ここでは看護学校教員の仕事内容や給料・勤務条件、求人選びの注意点などについてまとめています。


看護学校教員の仕事内容



看護学校とは看護師を育成するための専門学校や高等学校などを指します。学校の看護分野の教員は「看護教員」「看護学教員」または「専任教員」等と呼ばれています。看護教員は未来の看護師を育てる重要な仕事ですが、具体的にはどのようなことをするのでしょうか。

(1) 授業の講義

看護学校のカリキュラムは大きく分けて「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」「統合分野」などがあります。うち病理学に関する専門的な分野は医師が担当し、看護教員は看護学の分野の教科を担当します。

例えば「看護学概論」や「臨床看護」、「成人看護学」、「高齢者看護学」、「子供の成長・発達に応じた看護」などは看護教員の担当です。

(2) 実習の指導

看護教員の大切な仕事のひとつが実習や演習の授業です。「診療に伴う看護技術」や「日常生活の援助技術」、「成人看護学の実習」、「母性看護学の実習」などが挙げられます。実際に病院やクリニックに行き、実践的な臨床学習を指導する「臨地実習」も指導します。

看護のプロであり、医療の現場での経験を活かせる教科といえるでしょう。

(3) 生活指導とサポート



看護学生の生活指導や相談への対応、サポートを行なうのも看護教員の仕事です。看護学校で学ぶのは10代から20代の学生が中心です。看護教員の立場からだけではなく、先輩看護師の立場から相談に応じたり、適切なサポートを行なって生活指導をしていきます。

また、看護学校には若い学生だけでなく30代以上の学生も数多く学んでおり、さまざまな悩みの解決につながる指導が求められてくるでしょう。

(4) 看護研究の指導

看護研究は学生生活のまとめともなる集大成です。臨床の看護学実習体験を通し、学生が学んだことを研究論文として形にすることになります。看護教員は学生を指導するとともに、相談に対応したり適切なアドバイスを行ないます。学習成果を発表する場を設ける学校もありますので、やりがいのある仕事のひとつといえます。

(5) 就活相談への対応

看護学校は未来の医療を支える看護師を育成する場です。単に知識や技術を教えるだけでなく、現場で活躍できる看護師を育てるという目的を持っています。看護師資格の受験相談から資格取得を経て、就職活動の指導やサポートをするのも看護教員の仕事です。

初めて就活を経験する学生のなかには迷いや不安を抱く人も少なくありません。プロの看護師として若い学生をサポートしていきます。


看護学校教員の給料や勤務条件など


教員の給料は?

看護教員や専任教員の給与は勤務先によって差があります。国公立の学校であれば公務員の給料規定による給料、私立の学校であれば各学校の給与規定による金額になります。

公務員の初任給は約18~20万円ですので、賞与を加えた年収は約280~320万円程度と考えればいいでしょう。これは初任給であり勤続年数が経過するにしたがって昇給できます。

私立学校の教員の場合は一般企業の事務職と同レベルで、初任給は約18~21万円、年収は約280~330万円程度です。看護師の平均的な初任給は約19~20万円ですので、大きな違いはないと考えて構いません。

ただし、私立は経営方針などによって職員給与に違いがあり、学校によっては初任給20~25万円というケースもあります。また、看護師としての経験や実績が優秀であれば給料30万円超の求人もあり、実力次第という面があるのも事実です。

教員の勤務条件は?

看護教員や専任教員の勤務時間は、基本的に朝9時~18時までが一般的です。就業先の学校にもよりますが、ほとんどの場合は土日祝日が休みでウイークデーのみの勤務となります。仕事の都合によっては残業もあるでしょう。

有給休暇はありますが、学生や生徒が長期休み(夏休みや春休み等)でも教員は出勤するというケースが多いようです。

教員の仕事は医療の現場とは違う意味で忙しいといわれています。授業のない時間帯でも講義やテストの準備をしたり、実習先の下見で現場を訪問したりという仕事があります。授業時間以外に学生や生徒の生活指導や研究指導をするのも業務のひとつです。


看護学校教員になる方法


看護学校教員の求人先は?

主な求人先と教員の名称は以下のとおりです。

  • 看護専門学校(専任教員)
  • 看護大学(看護学教員)
  • 看護短期大学(看護学教員)
  • 高等学校看護科(看護学教員)

次は設置(運営)主体ごとの主な求人先です。

  • 自治体の公立病院(地方公共団体)
  • 国立大学、公立大学、市立大学(大学)
  • 医療法人、社会福祉法人、医師会(法人/団体)
  • 独立行政法人、国立病院機構(国/厚労省)

教員になるための条件は?

看護学校の教員になるための条件は次のようになります。

・看護専門学校
各都道府県が実施している「専任(看護)教員養成講習」を受け、修了証明書を取得する必要があります。看護大学の看護教育の単位を取る、大学の通信講座で専任教員コースを修了するという方法でも教員資格を取得できます。

・看護大学/短期大学
大学や短大の学士、修士、博士といった学位があれば免許は必要ありません。看護師や保険市の資格に加え臨床経験が5年以上あれば就業が可能です。教授になるには博士号以上、助教授や准教授、講師になるには修士以上、助手になるには学士以上の学位が必要といわれています。

・高等学校看護科
高等学校教諭の免許を取得する必要があります。普通免許には2種類あり、「高校教諭(看護)専修免許状」もしくは「高校教諭(看護)1種免許状」のどちらかを取得すれば可能です。

ほかにも看護師の経験年数の規定を満たすと取得できる「特別免許状」や期間限定の教諭免許である「臨時免許状」があれば看護教員になることができます。


看護学校教員の求人選び、注意点について



看護教員の求人を探す場合、ついつい給料や勤務条件などに目が行きがちです。しかし、看護教員といっても求人先が大学や短大なのか、高校なのか、専門学校なのかで将来的に大きな差が出てしまう場合があります。同じ大学や高校でも公立なのか私立なのかでも諸条件が違ってきます。求人選びをする際には次の点に注目するようにしましょう。

・学校の種類
公立や私立の違い、大学や高校、専門学校などの違いを必ず確認してください。給料や仕事内容、昇進などで将来的に違いが出る可能性があります。

・募集教員の種類
看護教員(専任教員)、教員補助や実習補助(助手)、講習会の講師など、どのような職種を募集しているかもチェックしましょう。

・正職員とパートやアルバイト
常勤職員(正職員)と非常勤職員(パート・アルバイト・契約職員)の違いにも注意が必要です。常勤は正社員扱いでボーナスや有給休暇などがありますが、非常勤にはないというケースも見られます。


看護学校の求人では、病院やクリニックでは使われていない用語が記載されていることがあります。就職してから後悔しないためにも、学校求人に詳しい看護師専門の転職サイトに相談してみることをオススメします。

転職サイトの担当スタッフは学校求人に経験が豊富というメリットがあるほか、求人情報をいち早く知ることができるので効率的です。

<看護学校教員の求人のまとめ>

  • 授業の講義や実習指導などが主な仕事
  • 求人先は大学から専門学校まで多様
  • 未来の看護師を育てる重要な仕事である
  • 教員の給料は就職先によって違いがある
  • 公立と私立では給与に差がある場合も…
  • 求人には正職員と契約職員などがある


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