保健師になるには?



保健師になるには保健師国家試験に合格しなければなりません。保健師国家試験は誰でも受けられるかと言えばそうではなく、細かい受験資格が定められています。受験資格を得るにはまず、看護師国家試験に合格する必要があります。つまり現在保健師として活躍している人はみな看護師国家資格の取得者でもあるのです。


看護師国家試験に合格すると、次に所定の保健師養成課程を修了します。この過程は最低でも1年と決まっています。ここを乗り越えて初めて保健師国家試験の受験資格が得られるのです。こうした受験資格などに関する一連の法律は「保健師助産師看護師法」によって定められており、法律の名称からも保健師、助産師、看護師の資格や仕事は相互に密接な関係にあることが伺えます。

なお看護師国家試験の合格から保健師の受験資格取得を目指すパターンはひとつではありません。分類の仕方はさまざまありますが、ここでは4パターンに分けて解説していきます。保健師になるための、高校卒業後からの4パターンとそれぞれの概要は以下の通りです。

1.保健師の受験資格取得ルート:4年制専門学校

このルートと次に話す「看護系大学」のルートが、保健師の受験資格を得るための実質最短ルートとなります。この4年制専門学校は修業年数が4年以上ある看護系専門学校のことを指します。このルートでははじめから看護師と保健師の両方の受験資格を得られるカリキュラムが組まれているのです。こうしたカリキュラムは「統合カリキュラム」と呼ばれています。

統合カリキュラムを取り入れている専門学校では卒業と同時に(卒業見込み含む)、保健師の受験資格を得ることができます。高校卒業までに看護師と保健師の受験資格両方を得たいと希望がはっきりとしている場合や、最短で保健師の受験資格を得たいと考えている人にはおすすめの進学ルートと言えるでしょう。

2.4年制大学の看護系学部

前述の4年制専門学校と同じように、卒業と同時に看護師および保健師の受験資格を得ることができます。大学生活4年間の中で、看護師と保健師の受験資格を得るのに必要なカリキュラムを修め、単位を取得することが必要です。こちらも高校卒業から最短の4年で保健師の受験資格を得ることができます。


最短ルートという意味でも4年制専門学校と同じですが、大学への進学では看護系以外を学ぶ人と交流する機会も多くなります。大学時代は医療の道以外に進む人とも広く交流したい、様々な業界の人との交友関係を持ちたいという人には大学への進学が向いているかもしれません。

一般的に看護系専門学校となると女性の比率が高いのに比べ、大学では他学科の構成にもよりますが男性も多いので視野が広がる可能性はあるでしょう。

3.3年制短大+保健師養成所

看護系の3年制短大で学び、看護師国家試験に合格して看護師国家資格を得た後に保健師養成所に1年通って保健師受験資格を得るパターンです。まず最初の3年間は看護師になるための勉強に集中できるので、ひとつひとつクリアしていきたいという人におすすめのパターンと言えます。

また高校卒業時には看護師になることしか考えていなかったけど、後で保健師になりたくなったという場合にも有効です。

4.保健師の受験資格取得ルート:3年制看護学校+保健師養成所

こちらも3年制の看護学校で学び、看護師国家資格を取得した後に改めて保健師養成所に入りなおすパターンです。高校卒業時には看護師のみを目指して看護学校に入学する人も少なくありません。その後保健師の資格取得を目指す場合には、保健師養成所に入ることになるのです。


保健師国家試験の概要、持ち物



保健師国家試験の受験資格を得ても、国家試験を受験し合格しなければ当然のことながら保健師国家資格は得られません。ということでまずは、保健師国家試験の概要について学んでおきましょう。

厚生労働省管轄の保健師国家試験の概要は以下の通りです。

保健師国家試験の概要:試験日

例年2月下旬です。毎年1回のチャンスしかありません。保健師国家資格の取得のためにこの日に向けて全力投球です。なお、合格率は80~90%と高いため、各種学校で必要な過程をしっかりと修めるように勉強していれば合格できる可能性は高いと言えるでしょう。

保健師国家試験の概要:試験場所

例年、受験者の交通事情などを考えて地域ごとに行われています。北海道、青森県、宮城県、東京都、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県から選ぶことになります。

保健師国家試験の概要:試験内容

科目としては「公衆衛生看護学」「疫学」「保健統計学」「保健医療福祉行政論」から出題されます。いずれも学校で修める内容です。

保健師国家試験の概要:受験資格

受験資格については『保健師になるには?』で詳しく述べていますのでここでは割愛しますが、それ以外にも受験資格を得る方法はあります。

例えば“外国で保健師免許”を取得した人に対する受験資格です。国によって法律などが違うので、それぞれの状況に応じて厚生労働大臣が判断することになります。

保健師国家試験の概要:試験のために必要な手続き

どの受験資格に当てはまるかにかかわらず、保健師国家試験を受けようとする人すべてが共通して提出しなければならない書類はまず3つあります。ひとつめは「受験願書」です。受験願書は保健師養成所などに在学している場合は、そこで手に入れることができます。

すでに卒業している、それ以外の方法で入手したい場合は、厚生労働省医政局医事課試験免許室もしくは各地方厚生局総務課国家試験係に請求することで入手可能です。

地方厚生局は保健師国家試験受験地にあります。直接窓口に行って請求するか、郵送によって請求することができます。いずれにしても身分証の提示が必要になる、規定があるなど細かな点に配慮が必要ですので、厚生労働省のホームページで確認し、窓口で請求する場合にはあらかじめ電話なので必要なものなどを確認しておいたほうがよいでしょう。


ふたつめに必要なものは受験写真用台紙に張り付けるための「写真」です。出願の6か月以内に撮影した縦6センチ、横4センチの顔写真を用意しなければなりません。写真の裏には撮影年月日や氏名の記載が必要になるので、写真の撮影日は忘れないようにしてください。

また写真が受験者本人であるという確認を、大学や保健師養成所、地方厚生局から受けなければなりません。


みっつめに必要なものが「返信用封筒」です。これも縦23.5センチ、横12センチとサイズが決まっており、あらかじめ封筒には返信先の宛名や書留の記載、522円分の切手を貼ることが決められています。このほか、ほとんどの人が該当しますが外国で“保健師に相当する資格”を持っていない人の場合は次のいずれかが必要です。

「看護師国家試験の合格証明書(写し可)」「看護師免許証の写し」「看護師学校の修(卒)業(判定・見込)証明書」「看護師国家試験受験資格認定書の写し」それぞれについて細かい要件がありますので、厚生労働省のホームページや所属もしくは卒業した学校に問い合わせるなどして確認しておきましょう。

保健師国家試験の概要:受験料

受験料は5400円です。収入印紙を購入し、それを受験願書に貼ることで納めます。願書を提出して受理されると、受験しなくても受験料は返還されないので注意してください。

保健師国家試験の概要:受験願書締切

受験願書や各種必要書類の提出は、試験が行われる前年11月下旬~12月中旬ごろの期間となっています。試験地となる地方厚生局に提出しましょう。直接持参のほか、郵送でも受け付けています。無事受理されると、順次郵送にて受験票が交付されます。

保健師国家試験の概要:合格発表

保健師国家試験後約1カ月経った3月下旬ごろに発表されます。方法は厚生労働省および地方厚生局で受験地と受験番号が掲示されることでわかります。


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