救急看護認定看護師の仕事と役割



1995年に設けられ、その2年後から認定が開始された認定看護師制度のなかでも、最初につくられたのが「救急看護認定看護師」です。

後述しますが救急看護を取り巻く環境には時代に応じた変化が見られます。しかし救急や災害時において、クリティカルな判断や専門的な救急看護スキルが重宝されることに変わりはありません。

21種類・約15,000人の認定看護師うち、約1,000人の救急看護認定看護師が全国で活躍しています。救急看護認定看護師になるにはどんな条件があるのか、実際の仕事内容や向いている方の特徴、活躍の場やお給料など、詳細に確認してみましょう。


救急看護認定看護師の仕事・役割



その名の通り、救急時の看護業務が第一の役割です。事故などで大きな外傷をうけたり病状の急速な悪化によって生命の危機にさらされている患者に対し、一刻を争う状態の中で全身状態を判断して処置をし、予測しうる急変に備え対応します。

予想外のことが起こりうる状況で、出来る限りの看護を行い患者の回復に繋げていくには、専門的な知識と経験を蓄積していく必要があります。


外傷患者の受け入れを確認した時点ですばやく必要な処置キットを準備したり、処置後の検査の段取り、入院時の病棟看護師への連絡など、時間を無駄にしない先を読んだ行動力が必要です。

対応する症状は病棟とは違って、外傷からあらゆる臓器に関する症状全般に渡ります。救急看護に携わるまでに、循環器科や脳神経外科などできるだけ多様な部署の経験があった方が強みとなり、そのなかでも自分の得意分野をひとつでも持っていると、より専門的な処置が可能になります。


救急看護認定看護師の多くは、日々救急対応だけに携わるわけではなく、対応のない時間には外来の応援に行くことも普通です。外来の応援は、救急に活かせる知識・スキルを身につけていく機会にもなることでしょう。

また看護業務と並行し、院内職員への緊急対応の教育や災害医療マニュアルの作成、訓練の企画、関連機関との連携や市民への啓もう活動を行うのも、認定看護師としての業務です。


急性期の患者数が一気に増加するのが、地震や火災、事故などの大きな災害時です。できるだけ多くの命を救うためには、迅速かつ的確なトリアージとそれに基づく処置が必要とされます。

救急看護が必要な患者だけでなく、その家族や親族もまたショック状態にあります。救急看護認定看護師は、これらの人々の心理的なケア、十分な支援を行い信頼を得ることが求められます。

救急看護師に向いている人は・・・

  • 迅速な判断力のある人
  • 幅広い部署の経験がある人
  • 得意分野がある人
  • 精神的、体力的な機動力の高い人
  • 患者や家族、他病棟スタッフとのコミュニケーション能力がある人


救急看護認定看護師が活躍できるのは



三次救急に指定される高度救急救命センターのほか、救急指定を受けている大学病院、一般病院、災害拠点病院、さらには訪問看護ステーションや学校など多方面で活躍できるのが、救急看護認定看護師の特徴のひとつです。


救急看護認定看護師のお給料は・・・



認定看護師となることは着実なスキルアップであり、認定手当のほか、能力に見合った職位の上昇や基本給アップを期待するものですが、これらは病院によってルールや対応が異なるため、事前にしっかり確認しておくようにしましょう。

みっちりと研修で学び、救急看護認定看護師として職場に戻ってみたところ、院内研修の運営や病棟での心肺蘇生指導など仕事は増えたのに、お給料は減ってしまった・・・という例があります。


これは、認定手当や基本給のアップがなかったうえ、研修や勉強会を日中に開催するために、その分夜勤回数が減り手当額が減少したたためといいます。

勤務中の病院が緊急看護を重視していない場合にはこういった境遇も見られますが、逆に言えば、救急看護認定看護師のスキルが強く求められる病院ならば、待遇向上の可能性は大いにあるということです。


優れた救命技術、緊急時の強いリーダーシップは、看護師として貴重なスキルです。せっかくの時間と労力をかけてのキャリアアップですから、それに見合った待遇を得るため、期待できる勤務環境を見極めておくことが重要です。


救急看護認定看護師を取り巻く状況



日本における救急への考え方として、重症度の軽いものから順に初期(一次)救急、二次救急、三次救急と患者を振り分ける対応が行われてきました。

このなかで救急医療と言えば、より重篤な症状で緊急に高度な処置を要する三次救急を指していました。


しかし昨今の受診患者数の増加、医療情報の浸透、ニーズの多様化、医学の進歩といった時代背景から、このシステムでは病院側と患者側との症状判断の乖離が大きくなってしまったり、受け入れ困難、医師不足の状況が引き起こされ、社会問題となっていたのです。

この問題を解決するため、米国での救急システムを参考にした「ER型救急医療」へと体制整備する病院が増えています。ER型の救急では、まずトリアージナースがすべての患者の状態を見極め、レベル分けを行ってから各部署で対応を開始します。


医師の行う診断に近いトリアージは、本来看護師の学んでいない分野であり、救急の現場で経験を蓄積して磨いていくスキルです。特に災害時には必須の能力であり、共通の判断基準がありますが、病院独自の基準を設けている場合もあります。

救急看護の考え方には病院の方針が影響するため、救急看護認定看護師も職場によって柔軟に対応する必要があります。

救急看護認定看護師になるには



救急看護認定師を目指すには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 看護師免許取得後の実務が通算5年以上
  • うち救急部門での看護実績が通算3年以上
     (初療で6ヶ月、ICUなどで2年以上の実績が望ましい)
  • 重症外傷、意識障害、呼吸不全などの指定された症状のうち
    看護担当実績が5例以上(緊急手術の経験が望ましい)
  • 現在救急部門で勤務中であることが望ましい

そのうえで、全国6か所にある指定教育機関において専門科目、演習、実習を修了ののち、筆記試験に合格すれば、認定・登録を受けることができます。その後は5年ごとに、看護実践・自己研鑽について書類審査を受けることで認定が更新されます。



救急の現場が好きでさらにスキルアップを望むときにおすすめの救急看護認定看護師の資格ですが、これを取得し活かして働くには、目的に合った職場環境が必要となります。まずは転職を考えなければならない方も多いでしょう。

そんな場合には、看護師専門の求人サイトを利用できるのをご存知ですか?非公開求人も多く扱っていて、夢の第一歩として登録、転職先探しをするのに最適です。

<救急看護認定看護師の仕事と役割・まとめ>

  • 災害時のトリアージも行う
  • 色んな部門での経験、得意分野が役立つ
  • 救急業務の内容は病院により異なる
  • 指導業務により夜勤手当減少のケースも
  • 職場選びでステップアップの可能性





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