看護師の転職理由、上司・看護師長からのパワハラ



近年、日本においてもパラハラの問題は深刻さをましており、社会人の約90%が職場でなにかしらのイジメやパワハラを経験しているとされています。

中でも医療・介護業界、特に看護師の職場ではパワハラが横行しているのが実情で、人間関係や上下関係、理不尽なイジメや陰口などで心身に深刻なダメージを受ける看護師も少なくありません。


しかしながら、パワハラは相手が自分よりも階級が上であることもあり、職場で誰かに相談に乗ってもらう、解決のために同僚の力を借りるといったことができず、パワハラを受ける側が具体的な解決方法を見いだせないという深刻な問題があります。

そのため「職場を退職する」という形でしか自分を守れず、不本意な想いを抱きながら転職する看護師が後を絶ちません。


確かに、転職・退職は職場環境や人間関係をリセットできるという意味で、問題解決の有効な手段です。ですが、転職先でもパワハラが行われていれば問題が繰り返されてしまう可能性があることも覚えておかなければなりません。

そこで今回は、医療現場で行われているパワハラの実態を再確認すると共に、パワハラにあった際の有効な対策・対処法について考えていきたいと思います。


上司・看護師長によるパワハラの実態



上司や看護師長によるパワハラのターゲットとなりやすいのは、なんといっても新人看護師です。

一人では右も左も分からぬ新人であるからこそ、上司や看護師長、看護部長などが新人の教育や指導を十分に行い、メンタル面のケアも実施しなければならないはずです。しかし、残念ながら指導を行うべき上司や師長などが、職場でパワハラに荷担する、もしくは手動するというケースが数多く見られます。


例えば、指導や教育を行うことなく「無能な人材は必要ない」「教育や指導を繰り返してもものになるはずがない」などの暴言を浴びせかけ、新人に多大な心身ダメージを与えるというケースが急増しています。

教育や指導を施されていない新人がこれらの言葉を浴びせられた際、悲しいことに「自分に実力がないのが悪い」「即戦力となれない自分に価値はない」といったように、自分を責めてしまうケースが多々見られます。


また、理不尽な暴言に抵抗や反発を抱いた場合も、自分よりも役職が数段高い看護師長や上司に反論できるはずもなく、理不尽な思いをグッと自分の中に溜め込んでしまうことになります。

加えて「挨拶を無視する」「人前で容姿をからかったり、仕事ができないと罵倒する」「掃除と雑用しか任されない」など、幼稚なイジメや嫌がらせを繰り返すケースもみられます。小中学生のイジメのような行動内容ですが、される側にとってはダメージが非常に大きく、精神的に疲弊し、鬱状態に陥る場合も多々あります。


これら看護師の職場で行われるパワハラの厄介な所は、上司や師長の暴言や威圧的行動が看護部によって黙認されている場合が多いということです。こうなると、師長や上司の指導態度に関して看護部へ相談・直訴に行ったところで、まともに取り合ってもらうことはできません。

非常に理不尽なことではありますが、こういった場合は同士を集めて大勢で看護部へ押しかけても効果はあまりなく、それどころかかえって「生意気な行動を起こす問題児」「上司に刃向かう危険人物」といったレッテルを貼られ、状況が著しく悪化する可能性すらあります。


さらに、看護師長や看護部は独自に他の医療施設との繋がりを築いているため、職場に見切りをつけて転職しようとした際、思わぬ妨害や横やりが入り、転職にすら悪影響や支障をきたしてしまう危険性もあるのです。

このように、看護師業界で横行しているパワハラは、弱者であるパワハラを受ける側に著しく不利な状況・環境が整ってしまっています。では、八方ふさがりのままパワハラに耐えながら働き続けなければならないのかというと、勿論そうではありません。

看護師業界のパワハラは根が深く、確かに個人で対応するのは難しい問題です。しかし、とれる手段は少ないものの解決策はいくつも存在します。


パワハラにあったらどうすればいい?


パワハラ相談窓口を活用する

一般的に、パワハラ問題は自分の現状を正直に話すことができる、信頼のおける上司や同僚を見つけ相談するのが一番だとされています。しかし、看護師の場合はその上司がパワハラに荷担している場合が多々あり、誰にも自分の悩みを相談できず、余計に苦悩が深刻化している場合が多いという特徴があります。

そういった時に利用したいのが、厚生労働省が運営する「こころの耳」というサイトの利用です。

このサイトには自分の悩みを吐き出すことができるメールの相談窓口や、相談先となる心理内科や精神科、地域産業保健センターの検索などが備えられており、パワハラ対策を行う前に必要な「自分の心の傷を軽くする」という行動を起こす準備ができます。


この「こころの耳」に加え、電話でパワハラの相談が行える窓口をいくつか知っておくのも有効です。パワハラの電話相談窓口には次のようなものがあります。

  • みんなの人権110番
  • 総合労働相談コーナー
  • 都道府県労働委員会
  • 都道府県労働局雇用均等室
  • 職場のトラブル相談ダイヤル

これらの電話窓口では、日頃上司や同僚に漏らすことができず溜め込んでしまった、パワハラの悩みを相談することができます。電話だけでは具体的な打開策を見つけることはできないかもしれませんが、胸のつかえがとれる、解決の糸口を見つけられるなどの効果は十分に期待できます。

リエゾンナーレに相談する

リエゾンナーレ(精神専門看護師)はその名の通り、メンタルケアのプロフェッショナルです。精神科の患者さんのケアが基本的な業務ですが、現場で働く看護師のメンタルケアを行うのも、精神専門看護師の大きな仕事の一つです。

精神専門看護師にパワハラ問題を相談しても、根本的な解決とはならないかもしれません。しかし、パワハラと闘うために必要な心身の健康を取り戻す一助にはなってくれるはずです。勤務先に精神専門看護師がいる場合は、相談してみてはいかがでしょうか?

パワハラの証拠を集めて身を守る

パワハラ対策として有効なのが、細かな証拠もしっかりととっておくことです。パワハラだと感じた上司・師長の言動や行動を詳細に記録し、場合によっては言動を録音するなどして、第三者からみても「パワハラが行われている」と確信できる証拠を積み重ねていきましょう。

これらの記録や録音は、労働組合や労働基準局にパワハラの証拠として提出する際に大変重要となるので、細かなものも逃さず、詳細に記録し続けることが大切です。

ただし、パワハラの記録・録音はリスクをともない、場合によっては諸刃の剣ともなります。事前に証拠をしかるべき所に提出することが相手に知られてしまうと、転職を妨害される、退職自体を邪魔されるなどの行動に出られる可能性があります。

こういった嫌がらせ防ぐためにも、転職先を確保してから証拠の提出を行うなど、しっかりと対策を行っておくことも大切です。録音やメモなどの証拠が十分残っていれば、転職前後に妨害にあっても、労働基準局などに申し出ることが可能です。

看護師の転職支援サイトを活用する



パワハラへの対策を行う場合、ほとんどの方が転職を見据えて行動を行うはずです。前述した証拠集めに関しても転職先の確保が重要であることをご説明しましたが、どうせならば転職支援サイトを利用してパワハラ対策をするのも一つの手です。

看護師は人間関係やパワハラを理由として退職・転職するケースが非常に多いため、転職支援サイトの運営会社にも、パワハラを原因とした転職に関するノウハウが多数蓄積しています。

看護師が転職支援サイトに登録すると、無料で利用できる担当者やキャリアアドバイザーなどが個別につくので、パワハラ対策や転職時に邪魔をされない対処法などについて相談してみると良いでしょう。


看護師長や上司からのパワハラは、耐え忍ぶだけではなんの解決にもなりません。心身に取り返しのつかないダメージを受ける前に、速やかに対策をとり、気持ち良く仕事に打ち込める環境を手に入れるための行動を起こしたいところです。

最近は行政機関や司法関連機関、転職支援サイトなど、パワハラの相談窓口は数も増え、選択肢も広がっています。いずれも無料相談が利用できるものばかりですので、問題解決のためまずは利用してみてはいかがでしょうか?

この記事のまとめ

  • 新人看護師がターゲットになりやすい
  • 上司・看護師長に対して個人で対応するのは難しい
  • パワハラ相談窓口やリエゾンナーレに相談してみよう
  • パワハラが原因の転職で看護師が多く利用しているのは転職支援サイト!



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