小児看護専門看護師の仕事と役割は?



看護師にはいろいろな専門看護師の分野がありますが、その中に『小児看護専門看護師』という分野があります。

この分野もJNA(日本看護協会)が認定する専門看護師です。ここでは、小児看護専門看護師とは何なのか、小児看護専門看護師を目指すにはどのような流れになるのかなど、小児看護専門看護師について掘り下げています。


小児看護専門看護師とは

小児看護専門看護師は、その名の通り小児看護におけるスペシャリストです。小児看護の対象となるのは、お母さんのお腹のなかにいる胎児から10代の思春期(第2次性徴期)の子供までとたいへん幅広い年代層です。

赤ちゃんと中学生への看護がまるで違うわけですから、看護の幅も非常に広範囲に渡ります。これらの対象者すべてに質の高い看護を行なうのが小児看護専門看護師です。


小児看護専門看護師の仕事と役割



小児看護専門看護師の仕事は、子どもに看護を行なうことはもちろんですが、その家族に対するケアや、小児看護をスムーズに行なうために看護師同士をまとめたり、より高い看護を提供できるよう看護師を育成するなど、業務の幅も非常に広いです。

看護においては、小児科は大人と違って内科、外科などと診療科が区別されていないため、本当に広い範囲での医療知識が必要になります。


また、子どもは自分の疾患についてきちんと説明できないことも多いので、子どもの様子を見て症状を判断しなければならないこともままあり、そうした看護においても非常に高レベルなものが要求されるのです。

家族のケアも非常に重要で、多くの保護者は子どもが病気をしたり、ケガをするとかなり落ち込んでしまいます。こうした家族に心労を与えないようフォローする、病状を適切に説明するという場面においても、しっかりとした医療知識が必要です。


また、すでにかかってしまった疾患だけでなく、病気の予防や健康管理を行なうのも、小児看護専門看護師の大切な仕事です。

子どもは発達においてとても重要な時期を過ごしています。より健やかに子どもたちが育っていくためのサポートも、小児看護専門看護師の重要な仕事。健康管理といっても、赤ちゃんは自分で健康を気遣うことはできませんので、赤ちゃんの健康管理については保護者に指導する形になります。

そのほか、小中学生の健康診断を企画、運営したり、発達の支援を行なうなど、小児看護専門看護師の業務はとてもたくさんあります。


小児看護専門看護師に求められるスキル


広範囲に渡る高い看護知識

前述したように、小児看護は診療科が分かれていないので、外科から内科まで幅広い看護スキルが必要になります。

「お腹が痛い」といって診察に来た場合、大人であればお腹のどの辺りが痛いか、どんな風に痛いかをきちんと説明できますが、小さい子はこうした自分の症状をうまく説明することができません。

大人と違って、子どもは疾患における症状が分かりにくいことがあるので、子どもの様子を見て症状を切り分けるスキルも高度なものが求められます。小さな変化を見逃さない観察力や、その場の状況に応じて処置を判断する判断能力についても、小児看護専門看護師にとって非常に重要なスキルです。


幅広い年齢層に対応したコミュニケーション能力

痛みを感じている子どもは些細な処置でもいやがることが多いですし、注射となったら泣き叫んで拒否することも少なくありません。こうした処置の際に、子どもたちに不安を与えずスムーズに行なうためのコミュニケーション能力は、小児看護専門看護師に不可欠な要素です。

処置においては保護者のヘルプを必要とすることもありますので、保護者と円滑なコミュニケーションを取ることも大切ですし、中学生など多感な時期の子どもたちともよりよい関係を築き、看護に活かす必要がありますので、コミュニケーション能力は看護知識と並んで非常に重要になります。


年齢に応じた柔軟な看護

小児看護専門看護師の看護範囲はとても幅広いため、その年令に合わせた看護や健康管理が必要です。

赤ちゃんの頃は風邪や喘息にかかりやすいですが、母親からの免疫があるため、感染病などにかかりにくいのに対し、乳幼児期になると自分で歩けるようになって行動範囲が広がるに連れ、手足口病など感染病にかかりやすくなります。

学童期や思春期は、ケガが増えたりインフルエンザの心配が出てくるなど、子どもの年齢によって心配される病気も異なりますので、それぞれの子どもに合わせて症状を判断する柔軟さは、小児看護において重要な要素であるといえるでしょう。


小児専門看護師を目指すには


小児看護の実務経験が必須

小児看護専門看護師になるには、看護師の実務経験が必要です。最低でも5年間看護の実務経験があり、かつそのうち3年間は小児看護に携わっていることが条件となります。

専門分野でのスペシャリストを目指すには、やはり実務経験は必須です。小児看護に限らず、専門看護師を目指したいという人は、早い段階で今後の方向性を定めた上でキャリアを積んでいくと専門看護師への近道になるでしょう。


看護大学院を修了する

実務経験の条件を満たした上で、看護大学院にて所定の単位を習得し、修了する必要がありますが、看護大学を卒業していた場合で、大学院修了まで最短で2年かかります。

看護大学を出ていない場合は、卒業してからの大学院修了となりますので、看護大学を出ている場合を除いては、かなりの時間を必要とします。

<小児看護専門看護師の仕事と役割は?・まとめ>

  • 小児看護専門看護師は、小児看護のスペシャリストのこと
  • 小児看護専門看護師の仕事は、小児看護において高レベルな看護を提供すること
  • 子どもたちの健康管理や家族のケアを行なうのも小児看護専門看護師の重要な役割
  • 小児看護専門看護師に求められるものは、高度な看護知識と幅広いコミュニケーション能力
  • 小児看護専門看護師になるには、看護の実務経験が5年、そのうち小児看護3年の実務経験が必要
  • その上で看護大学院の所定の単位を習得し、修了した上で認定資格取得の審査が行われる


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